竹内涼真と横浜流星の共演で池井戸潤の小説を映画化!対照的なバンカーを演じた「アキラとあきら」
2025.11.30(日)
10月期のドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」が好評の竹内涼真。また、2025年はNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主演を務め、映画「国宝」も大ヒットを記録するなど、まさに快進撃と呼べる活躍を見せた横浜流星。
そんな2人が共演したのが、2022年の映画「アキラとあきら」だ。
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会
「半沢直樹」シリーズや「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」などでも知られる人気作家・池井戸潤の小説が原作の本作。2017年には向井理と斎藤工による共演で「連続ドラマW」版も制作された人気作だ。
幼い頃、父親が経営する工場が倒産し、過酷な幼少期を過ごした山崎瑛(竹内)は、大人になるとある理想を胸に抱き、大銀行「産業中央銀行」に就職する。そこに「東海郵船」の社長の御曹司・階堂彬(横浜)も同期で入社し、2人は互いをライバルと意識するように。自分の信念を貫く瑛が左遷される一方、彬は出世街道を進んでいたが、彬の父親・一磨が亡くなると、父の会社は彬の弟・龍馬(高橋海人※「高」は正しくは「はしご高」)が社長に就任して継ぐことになる。しかし、「東海郵船」グループには倒産の危機が迫る...。
■対照的な"あきら"をそれぞれのアプローチで演じた竹内涼真と横浜流星
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会
本作で竹内が演じる瑛と、横浜演じる彬は、同じ「あきら」という名前で、共に東京大学を卒業し、同じ銀行に同期として入社する...まるで運命に導かれたように出会うが、バンカーとしての在り方は正反対。幼い頃の経験から「人を救うバンカーになる」という熱い理想を持つ瑛は、ある案件で自身の理想と信念を貫くがあまり、左遷されてしまう。一方の彬は、情を排除して冷静に仕事をこなし、順調に出世街道を歩む。
瑛を演じる竹内の瞳には、温かな人情味が宿る。資金繰りを申し込んできた会社の業績だけを見るのではなく、きちんと相手を見て寄り添い、なんとか力になりたいと手を尽くす。そんな瑛の姿からは、自身の家庭環境で苦労した経験や、そこから来る弱い立場の人への共感が伝わってくる。竹内は声や目の奥に滲ませるように、瑛の真っすぐで温かな性格を体現した。また、経営状況の悪い工場を切り捨てようとする上司と対峙する際には、怒りを抑えきれないという瑛の心中を、刺すようなまなざしと震える声で表現。竹内の演技は、視線や声色など、些細なところまで行き届いているからこそリアリティに溢れている。
彬を演じる横浜は、抑制した演技でありながらも、彼の中にある"静かな炎"を表現しているようだ。彬が仕事においては情を排して冷静な判断をくだすことを正とし、情で揺れる瑛に進言することも。その優秀さから順調に出世している上に、大きな会社の御曹司と育ちも良く、傍から見れば羨むばかりの存在。しかしその心中には、家族や会社の後継争いへの苦悩が渦巻いている。御曹司というある意味特殊な環境で育ち、重圧の中で常に自分を制御してきたゆえの、彬の人間性の硬さや複雑さ、孤独が、横浜の演技から伝わってくる。とは言え、彬は冷たい人間というわけではない。父の会社を継いだ弟・龍馬が窮地に陥った時には、弟を想い、その瞳には熱が籠る。その後、彬はとある決意をし、物語は急速に展開していく...。
温かみと情熱が前面に出る竹内の演技と、静かに感情を燃やすさまを表現する横浜の演技。対照的な「あきら」を演じた2人の演技は、アプローチは違えど、両者文句なしの名演だ。運命に導かれるかのように出会った2人の男の熱い物語の結末を、その目で確かめてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報
アキラとあきら
放送日時:2025年12月27日(土)19:50~
チャンネル:WOWOWプライム(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:竹内涼真 横浜流星 高橋海人 上白石萌歌 奥田瑛二 石丸幹二 ユースケ・サンタマリア 江口洋介
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