吉永小百合と天海祐希の初共演作!圧倒的オーラで紫式部と光源氏を好演した「千年の恋 ひかる源氏物語」
2025.11.28(金)
公開中の映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」で親友役を演じ、3度目の共演を果たした吉永小百合と天海祐希。2人は映画「最高の人生の見つけ方」(2019年)でも共演し、吉永が天海を「最高の相棒」と絶賛するほどの仲。
そんな2人が意気投合するきっかけとなったのが、2001年に公開された「千年の恋 ひかる源氏物語」だ。吉永が演じたのは紫式部で、天海が演じたのは光源氏。物語の構成上、2人が絡むシーンこそなかったが、天海にとって吉永は憧れの女優。現場で打ち解けるまでに時間はかからなかったようだ。
(C)2001「千年の恋 ひかる源氏物語」製作委員会
近年では大河ドラマ「光る君へ」で吉高由里子が紫式部を演じ、再び「源氏物語」が注目を集めたことも記憶に新しい。そんな「源氏物語」を題材にした本作は、総製作費14億円をかけ、東映創立50周年記念作品として制作された壮大な歴史絵巻。吉永、天海以外のキャストも渡辺謙、常盤貴子、高島礼子、竹下景子、かたせ梨乃、南野陽子、森光子と大物揃いで、物語を演出する歌姫のような立ち位置で松田聖子も出演している。四季折々の日本の美しさが映える豪華絢爛な建築美術と、延べ300着にも及ぶ衣装装束も話題になり、ハリウッドでワールドプレミアも行った。メガホンをとったのは堀川とんこうで、CGを取り入れた映像美も見どころとなっている。
「源氏物語」を紫式部の視点で再構築した本作。"日本最古の長編小説"をつづった紫式部を気高く演じた吉永と、宝塚退団以来、初めて男役に挑んだ天海のオーラを抜きには語れない作品となっている。
■吉永小百合が演じる情熱と信念を秘めた紫式部が美しすぎる
(C)2001「千年の恋 ひかる源氏物語」製作委員会
紫式部は亡き夫によく似た従兄弟の藤原道長(渡辺)から、いずれ帝と結ばれる娘・彰子の教育係として都に来てほしいと頼まれ、教育の傍ら、自身が執筆している「源氏物語」を題材に男と女の違いやあり方を説いていく。その物語に登場する主人公が稀代の色男として語り継がれる光源氏だ。その構成上、吉永と天海が芝居で対峙するシーンはないのだが、2人の存在感や立ち居振る舞いは、スクリーンの中で強い輝きを放っている。
(C)2001「千年の恋 ひかる源氏物語」製作委員会
まず、圧倒されるほどの美しさで紫式部を演じた吉永は、穏やかなトーンのセリフ回しと言葉遣いで、節々から才女であることを感じさせる佇まい。一方で、彰子のライバル的存在である定子の教育係が清少納言(森光子)であることを聞かされた時には、心の奥で燃える感情と負けん気の強さを表情だけで表現。そして、物語の中、藤壺(高島礼子)が源氏の子を身篭ったという逸話に驚く彰子に、やや低い声で「帝の子と言い張ればそのようでもありますし」と話す場面では、女性の迫力を宿している。時代に翻弄される女性たちを憂い、男と女を俯瞰で見ているようでいて、心を寄せた男性のことを想う時には乙女のように恥じらう表情を見せるなど、吉永の多面的な演技に魅了される。
■色気を纏った好色家の光源氏を天海祐希が魅力的に演じる
(C)2001「千年の恋 ひかる源氏物語」製作委員会
愛する母を早くに亡くし、継母の藤壺に母の面影を見た光源氏は、禁断の愛に走り、妻・葵の上に先立たれたこともあって、奔放な恋愛遍歴を重ねていく。美しい女性に出逢った瞬間に発せられる源氏の口説き文句は好色家以外の何者でもないのだが、凛として涼しげな天海は、魅力的な光源氏像を作り上げている。宝塚時代に培った体幹、所作の美しさを活かした舞い、白馬に乗る場面などは言わずもがなだが、妙齢の女性に逆に迫られてたじろぐ姿など、現在の天海に通じるユーモラスな芝居も見られる。また、心の底では最も大切に思っている紫の上(常盤貴子)に向ける優しさや戸惑い、甘えによる傲慢さが混ざり合った視線やセリフ回しなど、細やかな表現が秀逸だ。
作品の中に生きる光源氏を演じた天海と、後の世代への願いも託した小説をつづった作家・紫式部を演じた吉永。2人の女優の芯の強さ、毅然とした美しさが垣間見える演技は必見だ。
文=山本弘子
放送情報
千年の恋 ひかる源氏物語
放送日時:2025年12月10日(水)10:30~、12月17日(水)12:30~
チャンネル:東映チャンネル(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:吉永小百合 天海祐希 常盤貴子 高島礼子 かたせ梨乃 竹下景子 渡辺謙
-

二宮和也の怪演を引き出した言葉とは?岡田准一のこだわりと采配が光る、豪華俳優が大集結の「イクサガミ」
提供元:HOMINIS11/8(土) -

PLAVE、「かくれんぼ (Hide and Seek) - Korean Ver.」で見せる新たな表現――"聴き慣れたメロディで伝えるまた一つの物語"を描く制作の裏側
提供元:HOMINIS11/7(金) -

ギアミュ、スザク役の赤澤遼太郎とルルーシュ役の小南光司がお互いのプライベートな姿を大暴露!
提供元:HOMINIS11/7(金) -

市原隼人が海外で刺激を受け、日本の良さを再発見する魅力とは?【#推シゴトーク】
提供元:HOMINIS11/7(金) -

染谷俊之×小西詠斗「ドラマの続きは舞台で」――『UNREAL-不条理雑貨店-』が描く"願いの行方"
提供元:HOMINIS11/7(金)

