スーパースター・西城秀樹のフレッシュでパワフルな魅力! 一人の青年としての本音も垣間見える、映画「ブロウアップ ヒデキ」
2025.11.26(水)
2018年5月に惜しまれつつもこの世を去った西城秀樹は、1972年に「恋する季節」でデビューし、芸能界のトップスターとして長年君臨した。1973年にシングル「ちぎれた愛」がオリコン1位を獲得し、日本レコード大賞歌唱賞を受賞、1974年には「激しい恋」が58万枚の大ヒット。主演映画「愛と誠」が公開され、NHK紅白歌合戦にも初出場を果たす。1975年はゴールデン・アロー賞グラフ賞を受賞し、初の海外進出作品として「傷だらけのローラ」のフランス語版「LOLA」を欧州やカナダでもヒットさせた。
■日本のコンサート記録映画の先駆けとして音楽史に残る
(C)1975 松竹株式会社
そんな素晴らしい活躍をする中で1975年に公開されたのが、ドキュメンタリー映画「ブロウアップ ヒデキ」だ。衛星劇場で放送される。本作は同年7月から8月に開催された「西城秀樹・全国縦断サマーフェスティバル」の模様を撮影し、1時間半のドキュメンタリー映画として完成させたものである。
冒頭では、富士緑の休暇村の特設ステージにて開催された日本歌謡史上初の大規模野外コンサートの模様が映し出される。全国ツアーの皮きりのステージだが、打ち合わせや設営の模様、新宿から特別運行されたバス車内のファンの様子、さらには会場を埋め尽くしたファンの肉声に至るまで、舞台裏に克明に迫った映像が非常に興味深い。
■スター・西城秀樹の姿だけではなく、オフの姿も収録
(C)1975 松竹株式会社
当時20歳だった西城秀樹のステージパフォーマンスは圧巻だ。富士山麓のオープニングでは、火の鳥をモチーフにした衣装を纏い、工事用の特大クレーンに釣られたゴンドラに乗って登場。そのまま空中での歌唱など、まさにスーパースターである。ツアー合間に1日だけ設けられたオフに沖縄の砂浜でつかの間の休息を味わう秀樹の姿も微笑ましい。
また、しばしば挿入されるインタビュー音声も貴重な肉声の記録だ。ステージを降りて1人の青年に戻った彼が、恋愛観やファンへの想いなどを素直に吐露するのも清々しい「この愛のときめき」、「情熱の嵐」、「激しい恋」、「至上の愛」といったオリジナルのヒットナンバーに加えて、ローリング・ストーンズの「悲しみのアンジー」など、洋楽のカバー曲も披露される。激しいアクションに加えて、情感たっぷりに歌いあげるバラードでの歌唱力も見事だ。
大阪球場でのエンディング・フェスティバルでは、レーシングカートを操りながら爆音と共に登場。スタンドを埋めつくした大観衆は、カクテル光線が照らす舞台の中央に立つヒデキに絶叫を浴びせる。当時のファンたちの熱狂ぶりもものすごい迫力だが、真っ赤なスポーツカーから体を伸ばし、ファンに手を振りながら場内を一周する演出など、近年のスタジアムライブでフロートを使った演出の先駆けと思わせ、じつに興味深い。
■野外フェスもスタジアムコンサートも西城秀樹がパイオニアだった
(C)1975 松竹株式会社
「絶唱スタイル」とか「熱唱系」とも称された独特な歌唱法は、誰にも真似できない魂が籠っていた。当時20歳という若さで、独自のボーカルスタイルを確立していたことも脅威と言える。ちなみに、大規模野外コンサートの先陣を切っただけでなく、西城秀樹は本作の前年1974年にも大阪球場でコンサートを行っているが、これが日本人歌手として、初のスタジアムでのワンマンコンサートでもあった。
以降、大阪球場では10年連続でコンサートを実施。東京の後楽園球場でも4年連続でコンサートを行った。さらに、本作公開の直後、1975年11月には、日本武道館でもコンサートを開催したが、これも日本人ソロ歌手としては初めてのことだった。今では当たり前になった野外フェスやスタジアムコンサート、武道館ライブは、すべて西城秀樹が道を拓いたのである。彼はスターであり、パイオニアでもあったのだ。
■コンサートだけでなく母校を訪問する秀樹の姿も
(C)1975 松竹株式会社
札幌五輪の舞台となった大倉山ジャンプ競技場、大通公園や札幌市時計台、出身地の広島市では原爆ドームや母校である二葉中学校を訪問。「よく朝寝坊しては校門で叱られた」逸話なども語ってくれる。単純なコンサートの記録映像には終わらせないというスタッフの熱意も感じられ、宮島の大鳥居や広島郵便貯金会館、福岡市民会館、宮崎市民会館、名古屋城、夏祭りの金魚すくい等、各地のこの年の夏の風景なども克明に映し出す。
ドキュメンタリー映画「ブロウアップ ヒデキ」は、西城秀樹の類まれな歌唱力とパフォーマンスの記録であるばかりでなく、人間味あふれる等身大の青年の本音も垣間見られる。彼の「表と裏」の顔を見せてくれることに加えて、日本を代表するアーティストである西城秀樹を主役とした日本の音楽史に輝く音楽ドキュメンタリーとして、胸を張って紹介したい一本だ。
最後に、映像で女性ファンが語った印象的なコメントを記しておこう。「太宰治が『富士には月見草がよく似合う』と言ったけど、西城秀樹には太陽が似合っている」。まさにその通り。彼は歌で日本中を照らす太陽のような人だった。鬼籍に入ってしまったのは悲しいが、こうして映像で彼の歌をいつまでも味わうことができるのはとても嬉しい。
文=渡辺敏樹
放送情報
ブロウアップ ヒデキ
放送日時:2025年12月17日(水)18:45~
放送チャンネル:衛星劇場(スカパー!)
出演:西城秀樹
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
-

菜々緒、ドラマ「無能の鷹」で演じる主人公は「世の中にいろんな影響を与えてくれる存在」
提供元:HOMINIS10/7(月) -

岡田将生の虚しさを帯びた雰囲気が絶妙!「アフター・ザ・クエイク」で体現する村上春樹的主人公像
提供元:HOMINIS9/30(火) -

新垣結衣と生田斗真の共演で一青窈の名曲を映像化!土井裕泰監督が描くラブストーリー「ハナミズキ」
提供元:HOMINIS9/30(火) -

東京ドーム公演を控えるLE SSERAFIM(ルセラフィム)らが訴える、未来へのメッセージ!韓国の実力派俳優も顔を揃えた革新的なドキュメンタリー「地球上のブラックボックス」
提供元:HOMINIS9/30(火) -

松たか子の自然な演技と、広瀬すず&神木隆之介のピュアさに心奪われる!岩井俊二監督が「手紙がつなぐ愛」を描く映画「ラストレター」
提供元:HOMINIS9/30(火)

