歌手・中山美穂ならではの歌声の"華"とは...角松敏生の名曲「花瓶」や「You're My Only Shinin' Star」他、80年代・90年代の空気を蘇らせる秀逸なコンサートの記録

2025.11.25(火)

歌手・中山美穂にとって"デビュー40周年"というアニバーサリーイヤーを迎える2025年。12月6日(土)に歌謡ポップスチャンネルにて"永遠の輝き"と題された中山美穂のライブ特集が放送される。

今回の特集では、キャリア最多となる全国63公演を行った1988年のライブツアー「MIHO Catch '88」を収めた番組「CATCH ME MIHO NAKAYAMA LIVE '88」と、その8年後の1996年に開催されたコンサートツアー「Miho Nakayama Concert Tour '96 Sound of Lip」をラインナップ。どちらも会場は東京・中野サンプラザホールだ。

トップアイドルとして絶頂の輝きを放っていたデビュー3年目のステージが収録された「MIHO Catch '88」。華やかなステージ衣装をまとい、息をのむほどの美しさと色香を漂わせて中山は登場する。

少し鼻にかかったクセのある唯一無二の歌声、光を受けてきらめく笑顔、軽やかな身のこなし――まだ10代でありながら、その全てが"アイドル"の枠を超えた"スター"のオーラに満ちており、会場を包む観客の熱狂と歓声がそれを証明している。

角松敏生が作詞・作曲を手がけた名曲「花瓶」では、セットに腰かけながらしっとりと歌い上げ、筒美京平×松本隆というゴールデンコンビが手がけたヒットソング「WAKU WAKUさせて」「ツイてるね ノッてるね」ではリズミカルに体を揺らしながらステージを躍動。今も多くの人に愛される多彩なナンバーが次々に披露され、彼女の美貌を一層引き立てるゴージャスな衣装や、当時の時代感が息づくヘアメイクも必見だ。

ライブを締めくくりには、当時の人気ぶりを象徴するドラマ「ママはアイドル」の挿入歌としても知られ、ファンが長く愛してやまない名バラード「You're My Only Shinin' Star」を披露。ファンの歓声や華やかなスポットライトを浴びながら歌う様子もエモーショナルだが、番組冒頭には、同曲の"スタジオVer."が特別に収録。角松敏生ならではのサウンドと、モノクロームの映像で映し出される中山の歌唱をじっくりと味わいたい。

一方、「Miho Nakayama Concert Tour '96 Sound of Lip」は、全国32公演となるライブツアー。「MIHO Catch '88」から8年が経ち、トップアイドルとして駆け抜けた少女が"アーティスト"として確かな成熟を遂げた姿を見せる。

この年にリリースした18枚目のアルバム「Deep Lip French」を携え、より一層のオーラと艶やかさ、そして上品な余裕をまとった中山が"お芝居"をするようにステージに登場すると会場は大歓声。オープニングナンバー「ライカスタ」から始まり、年齢を重ねたことで増した表情の深みや豊かな歌声で魅了していく。

その後シングルとしてリリースされた「True Romance」では、かつての透明感を残しながらも大人の憂いを帯びた歌唱に誰もがうっとりと聴き入る。さらに、90年代を代表するヒットナンバー「遠い街のどこかで...」「世界中の誰よりきっと」では場内が一気に熱を帯び、彼女の持つ"歌声の華"に改めて酔わされる時間に...。

生バンドの臨場感あふれるサウンドと共に盛り上げる「Sea Paradise －OLの反乱－」、弾ける笑顔やおちゃめな表情も見せた「ヨッシャ!」でも、彼女の音楽性の広さが鮮明に浮かび上がる。どのシーンを切り取っても感嘆のため息が漏れる美しさに加え、当時の彼女が新たに手にした"表現者としての自由さ"が生き生きと感じられるステージだ。

中山美穂というアーティストは、まさに"永遠の輝き"。その理由を、彼女の圧倒的な存在感とステージングで堪能できる特集だ。

文＝川倉由起子

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