要潤演じる氷川誠のカッコよさにしびれる!追加シーンによってディテールがより浮かび上がった「劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 ディレクターズカット版」
2025.11.25(火)
平成仮面ライダーシリーズ第2作として、シリーズの基礎を固めたのが「仮面ライダーアギト」。昭和ライダーの2作目「仮面ライダーV3」のオマージュともいえる描写があることでファンには知られている。アギト、G3、ギルスという3人の仮面ライダーを主軸に置いた群像劇スタイルであることも特徴的だ。アギト/津上翔一(賀集利樹)、G3/氷川誠(要潤)、ギルス/葦原涼(友井雄亮)。3人の主人公が、それぞれの置かれた場所で、自分のあり方を探し求めながら反目し、やがて連携して敵に立ち向かう展開が新鮮だった。今回は、平成ライダー初の劇場版かつ東映創立50周年記念作品として、2001年9月に公開されたの「劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4」に注目したい。本作はG3-Xの装着者である氷川とG3システムの開発者・小沢澄子(藤田瞳子)、さらに彼らと対立する自衛隊員・水城史朗(唐渡亮)と深海理沙(小沢真珠)が物語の中心で、実質的な主人公は氷川と言ってもいい。
■全編ハイビジョン撮影された世界初の商業映画。本郷猛も登場!
自衛隊員が警備する超能力開発研究所に対し、アンノウンの群体が攻撃を仕掛けた。無惨な殺戮の末に、加原紗綾香(木村茜)と本木レイ(大高力也)だけを残して研究所は壊滅してしまう。2人の少年少女はストリートチルドレンになりながら、"超能力"を発揮して懸命に逃亡生活を送る。その頃、警視庁G3ユニットに、新メンバーとして陸上自衛隊一等陸尉の深海が研修生として配属された。じつは彼女は禁断の対アンノウン装備G4システムに関する"密命"を課せられていたのだ。そして封印されていたはずのG4システムがアンノウンを撃破し始める。その結果、大いなる危機が訪れ、暴走した深海の魔の手は、紗綾香を保護していた風谷真魚(秋山莉奈)にも及ぶ。折しもレイと街で知り合った葦原涼(友井雄亮)から深海理沙の居場所を聞いた津上(賀集)と氷川(要)は、自衛隊のG4システム研究施設へ潜入する...。
本作は劇場用商業映画としては世界で初めて全編がHD1080/24Pによってハイビジョン撮影された作品でもある。また、仮面ライダー1号の演者である藤岡弘が警視総監役でゲスト出演していること。さらにテレビシリーズに先駆けてアギト バーニング・シャイニングフォーム、エクシードギルスが登場していることなど、特撮ファンにとっても見どころも満載だ。劇場版限定の仮面ライダーとして自衛隊員の水城史朗が装着する、仮面ライダーG4が登場することもポイント。平成ライダー第1作の「仮面ライダークウガ」の劇場版が製作されなかったこともあり、本作の価値は極めて大きい。
(C)2001「アギト・ガオレンジャー」製作委員会 (C)石森プロ・東映
今回、東映チャンネルで放送されるのは、「仮面ライダーアギト PROJECT G4 ディレクターズカット版」だ。上映時間の都合でカットした部分を田崎竜太監督が復元したバージョンである。ストーリー的に大きな変更はないが、「初めてアギトを劇場で見る人にも、最低限の人物設定は分かるようにした」(田崎竜太監督)ということで、劇場版本編よりもディテールが追加されており、映画の流れがよりスムーズになった感がある。アギト・シャイニングフォームがシャイニングカリバーでアントロードをなぎ倒すシーンも追加されているが、絶妙なエフェクト処理が印象的で美しい。また、クライマックスで複数のアントロードに立ち向かうアギト、G3-X、G4、ギルスの4人ライダーをワンカットで捉えた数分間の場面は、特に名シーンと言える。
■ドラマ性の強いストーリーで奥に潜む"人間の怖さ"を訴求
脚本は平成ライダーシリーズの核となった井上敏樹が務めているが、ドラマ性の強いストーリーで、考えさせられることが多い。本作の怖さは、敵組織のアンノウン以上に、「人間の罪深さ」を暗示している点だと捉えられる。アンノウン以上に残酷なのが人間であることをクールに活写している物語とも言っていい。同胞を兵器として平然と使い捨てる人間の傲慢さを感じざるを得ない。生きることの素晴らしさを信じる津上に対し、自衛隊員は死を背負って生きることを常とし、「生」を否定している。氷川も生を無条件に肯定することはできない立場で、津上とのコントラストが浮かび上がる。津上の主張は理想論ではあるが、主是できない人が大半だろう。おそらく視聴者は氷川に感情移入する人が多いはずだ。何しろ本作における氷川のカッコよさは出色。要の好演もあって、そんな奥深い考察をしたくなるほど、本作のストーリーは視聴者に問いを投げかけてくれる。
要は、「アギト」がデビュー作で、以降は数多くのドラマや映画に引っ張りだこの売れっ子として活躍中。放送中のドラマ「終幕のロンド」(フジテレビ系)や2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」では明智光秀という大役を演じている。同じくオーディションを経て本作でデビューした賀集も、2時間ドラマなどで経験を重ね、近年では舞台を中心に配信ドラマなどで精力的に活動中だ。ジャニーズ事務所を退所後に本作に参加した友井は、以降も俳優として活動。「純烈」のメンバーとして紅白歌合戦出演も果たしたが、現在は芸能界を引退している。本作で大いに存在感を発揮した小沢は、2004年にドラマ「牡丹と薔薇」でブレイク。以降はバイプレーヤーとしてドラマで活躍中だ。
劇場版の仮面ライダー作品は、TV版より多くの予算を投入しての豪華な演出やドラマ本編にプラスアルファの要素が見どころ。本作はその礎を築いた記念碑的な作品と言える。新たなライダーG4の登場や、大量の怪人vs複数ライダーによる派手なアクションシーンなど、見どころは満載だ。追加シーンを加えてより魅力を増した「劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4ディレクターズカット版」は、特撮ファンにとって必見のメモリアル作品だ。「仮面ライダーアギト」を未見の人にも、追加カットによって観やすい1本になっているので、おすすめしたい。
文=渡辺敏樹
放送情報
仮面ライダーアギト PROJECT G4 ディレクターズカット版
放送日時:2025年12月21日(土)11:00~
放送チャンネル:東映チャンネル(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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