和田アキ子が醸し出す"ナチュラルな人間味"と"静かな深み"... 若かりし森昌子、山口百恵らとの共演も必見な「としごろ」
2025.11.21(金)
1973年に公開された松竹配給の映画「としごろ」は、傷つきやすい思春期を迎えた女の子たちが、周囲の先輩や教師に見守られながら成長していく姿を描いた青春群像劇だ。当時、"花の中三トリオ"としても人気を博した森昌子の初主演作であり、和田アキ子は、母校の事務員兼バレーボール部のコーチを務める大和田章子役で出演している。そんな「としごろ」が衛星劇場で放送される。
当時の和田アキ子は、歌手としてまさに絶頂期だった。1970年に「笑って許して」でNHK紅白歌合戦に初出場し、1972年には「あの鐘を鳴らすのはあなた」で日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞。その実力と存在感を世間に強く印象づけていた時期だ。また、映画の公開と同時期にあたる1973年からはバラエティ「金曜10時! うわさのチャンネル!!」への出演が始まり、"ゴッド姉ちゃん"として豪快なイメージがお茶の間に浸透。キャリアの大きな転換期にあったと言える。
■等身大の演技で和田の魅力がそのまま活かされる
(C)1973松竹株式会社
そんな中で出演した「としごろ」では、バラエティスターとしての強烈なキャラクターとは一線を画す"姉御"の役柄を熱演している。森昌子、山口百恵、石川さゆり...といった当時10代のアイドルたちが劇中で生々しい現実と向き合う中、和田が演じる章子は、彼女たちを温かく、しかし決して甘やかすことなく導く。どこか友達のような、つい本音を打ち明けてしまいそうな"気さくな先輩感"が、そのナチュラルで明るい演技に漂う。
また、演技面で興味深いのは、当時20代前半だった和田の"等身大"の魅力がそのまま生かされている点だ。後輩を敵から守るため関西弁でまくし立てるシーンは、堂に入っていて迫力も十分。現在に通ずるパブリックイメージ――圧倒的な声量、太い声色、サバサバした人物像――が当時から作品にしっかり滲み出ている。一方で、演技の中でふと見せる仕草や眼差しには、その"大胆さ"とはまた異なる柔らかい人間味が感じられる。周囲への愛情と真っすぐな潔さが、彼女自身のキャラクターと見事に一致した役と言えるだろう。
■現在の豪快なイメージとは違う、抑制の効く名演を見せる和田
(C)1973松竹株式会社
逆に、現在と違う部分として挙げられるのは感情表現の抑制されたトーンだ。バラエティ番組では奔放なリアクションや豪快な笑いで場を支配するが、「としごろ」の章子は、内に秘めた静かな深みも感じさせる。共演するアイドルたちのフレッシュな感情表現に対して、そんな和田の包容力が引き立つ芝居はレアと言えるかもしれない。
公開から50年以上が経つ「としごろ」は、アイドル映画の体裁を取りながら、当時の若者を取り巻く重い現実を描いた作品でもある。和田アキ子は、その後の大スターとしての片鱗を見せつけつつ、章子として有り余る力を少女たちの成長のために使い切るという抑制の効いた名演を見せている。2曲を披露する劇中の歌唱シーンも、さすがの説得力と圧倒的なパワーだ。俳優としてのキャリアの初期作品に触れてみてはいかがだろうか。
文=川倉由起子
放送情報
としごろ
放送日時:2025年12月3日(水)18:45~
放送チャンネル:衛星劇場(スカパー!)
出演:和田アキ子、森昌子、秋谷陽子、石川さゆり、山口百恵、村野武範、森次晃嗣、堺正章、西城秀樹
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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