藤純子の初々しくも艶やかな魅力がたっぷり!女博徒を演じ、一世を風靡した「緋牡丹博徒」
2025.11.20(木)
1950~70年代にかけ人気を博した任侠映画。時代劇から現代劇、人情もの実録路線など多彩な作品が公開され、鶴田浩二や高倉健、菅原文太など多くのスターを生み出した。
そんな中、異彩を放ったのが「緋牡丹博徒」だ。明治半ばを舞台に女賭博師が活躍する本作は、それまで主にわき役だった女性を主人公にした任侠映画。シリーズ全8本が製作された本作に主演したのが藤純子(現・富司純子)だ。東映のプロデューサーを父に持つ藤は高校時代よりタレントとして活動。千葉真一主演の「八州遊侠伝 男の盃」(1963)として女優デビューした後は、主にヒロイン役で活躍した。
そんな彼女の人気を不動のものにした記念碑が「緋牡丹博徒」だった。藤が演じたのは、九州の矢口組・組長の一人娘で、胸もとから背中にかけ緋牡丹の刺青を持つ"緋牡丹のお竜"こと矢口竜子。暗殺された父の敵を討つために、博徒として各地を流れる女博徒だ。端正な顔立ちの藤は、華奢な体でドスや銃を手にして並み居る荒くれ男を相手に大暴れ。
まだ22歳の若さだがキッと相手をにらむ目力や歯切れのよい熊本弁のセリフ回し、白い肌の肩口からのぞく刺青の艶やかさも手伝って、多くのファンを魅了。少女時代の回想シーンでこれまで通り屈託のない笑顔を振りまきながら、その後の彼女のトレードマークとなる一本筋の通った女性像を作り上げた。
■初々しい藤をサポートした高倉の魅力も今作品ならでは
(C)東映
そんな藤をサポートしたのが高倉健だった。助演作「人生劇場 飛車角」(1963)で人気を博した高倉は、「日本侠客伝」シリーズ、「網走番外地」シリーズなど多くのヒット作に主演。
37歳と油がのりきっていた高倉はすでに義理人情に厚く無口で骨のあるやくざ像を確立し、東映の一翼を担うスターとして定着していた。特別出演の枠で出演した「緋牡丹博徒」での役どころは、旅の途中で竜子と出会いやがて仇討ちに手を貸すムショ帰りの片桐。クライマックスでは長回しで迫力ある殺陣を演じ、まだアクションに不慣れだった藤をアシストするなど役柄と同じく藤のサポーター役を務めた。
本作は大ヒットし、藤はその後も「日本侠客伝 花と龍」(1969)や「人生劇場 飛車角と吉良常」(1968)など高倉も出演した名作任侠映画で活躍。まだ少数派だった主演が張れる女優として「日本女侠伝」シリーズや「女渡世人」シリーズに主演し、東映を代表するスターとして人気を博した。
■一時代を築き上げた映画スターの共演は必見
そんな藤だが、1972年に尾上菊之助(現・尾上菊五郎)との結婚を機に女優業から引退。引退記念作として公開された「関東緋桜一家」には高倉ほか東映の任侠スターが集結した。いっぽう高倉は任侠映画だけでなく「新幹線大爆破」(1975)や「幸福の黄色いハンカチ」(1977)「八甲田山」(1977)など日本映画を代表する作品で活躍。「ザ・ヤクザ」(1974)、「ブラック・レイン」(1989)などハリウッド映画にも出演し国際スターとして名を馳せた。
結婚後は寺島純子名義でTVの司会などタレントとして活躍していた藤だが、1989年に富司純子(ふじすみこ)として本格的に女優として返り咲く。そして復帰第1作「あ・うん」で相手役を務めたのが高倉だった。
その後も富司は「おもちゃ」(1999)や「フラガール」(2006)など精力的に活躍。高倉は、2014年に83歳で世を去るまで日本を代表する俳優として親しまれた。映画界で一時代を築いた富司と高倉が、勢いある20代、30代で出演した「緋牡丹博徒」で魅力を味わってほしい。
文=神武団四郎
放送情報
緋牡丹博徒
放送日時:2025年12月1日(月)18:00~
放送チャンネル:東映チャンネル(スカパー!)
出演:藤純子、高倉健、若山富三郎、待田京介、山本麟一、大木実、金子信雄
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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