多部未華子「女性としてどう生き、どうありたいかを伝える作品に出たかった」と、自身の年齢と重ねて臨んだ『連続ドラマW シャドウワーク』
2025.11.16(日)
多部未華子主演の「連続ドラマW シャドウワーク」が、2025年11月23日(日)にWOWOWプライムほかでスタートする。江戸川乱歩賞作家・佐野広実による2022年刊行の同名小説が原作で、夫からのドメスティック・バイオレンスの被害に苦しむ妻たちが、一軒のシェアハウスで共同生活を送り、自らの力で生きようとする姿を描く衝撃のミステリーだ。
WOWOW連続ドラマ初主演の多部が演じるのは、夫から日常的な暴力を受け、命からがら逃げだした主婦・紀子。「江ノ島のとある家で人生を取り戻していく女性たち」と「館山で発見された女性の不審死を捜査する刑事」という、一見すると交錯することのない2つの視点で展開されていく。シェアハウスの共同経営者を石田ひかりと寺島しのぶ、住人を須藤理彩ら、女性の不審死を追う刑事を桜井ユキが演じ、実力派キャストが作品に名を連ねている。
俳優として新境地ともいえる難役に挑む多部に、作品への思いや現場でのエピソード、そして年齢を重ねた今だからこそ感じる役への向き合い方を語ってもらった。
(C)佐野広実/講談社 (C)2025 WOWOW
――重いテーマを扱う作品ですが、出演を決めた理由を教えてください
「テーマは確かに重いですが、私には『女性たちがどう道を切り拓いていくか』という力強い物語に感じられました。壮絶な過去を背負いながらも自分の決断で人生を変えていく―『人生はいつでも変えることができる』というメッセージがとても前向きで、そういった作品に関われることが幸せだなと思いました。演じた紀子も、これまでにないタイプのキャラクターだったので、挑戦という意味でもやりがいがありました」
――紀子という人物を演じた感想はいかがでしたか?
「夫の暴力により自己喪失し、最初は自分の生き方すら見えなくなっている女性です。でも実は、彼女は自分で答えを出せる強さを持っている。台本上はセリフが少なく、いろんなことを察してそれを表情で伝えなければいけない難しさがありましたが、監督ともたくさん話し合いながら進められたので、受け身の中にも紀子らしい軸のブレなさを出せたのかなと思います」

――桜井ユキさん、須藤理沙さん、石田ひかりさん、寺島しのぶさんら共演者との現場はどんな雰囲気でしたか?
「本当に和気あいあいとしていて、重いドラマを撮っているのが信じられないくらいでした。女性が集まる現場ってエネルギーがすごくて、待ち時間はもうずっとおしゃべりしていました(笑)。作品について自然と話し合うことも多くて、セリフや感情の答え合わせをするように意見を交わして、それぞれのキャラクターをより深く理解していきました」
(C)佐野広実/講談社 (C)2025 WOWOW
――ちなみに、ムードメーカーは?
「須藤さんです。みなさんよくお話されていましたが、須藤さんは特に、こんなにお話しする方は初めて見たっていうくらいで(笑)。いらっしゃるだけで現場が明るくなるし、途中から来る日は『今から須藤さん来るよー』って、みんなで楽しみにしていました。いろんな年代がいたので話題もさまざまでしたが、『ここのあれがおいしかった』とか子育ての話とか、女性らしいトークで盛り上がることも多かったです」
――印象に残っているシーンはありますか?
「実際に経験されている方もいらっしゃると思いますが、私にとってはどれも『非日常』で。DVを受けるシーンは『ここはもう少し傷が見えた方がいいのではないか』とか、細かく話し合って作っていきました。そこがより痛々しく見えなければ、先の展開に繋がっていかないですから。重いシーンもみんなで意見を出し合いながら、そういう意味では現場全体が前向きな空気に包まれていました」
(C)佐野広実/講談社 (C)2025 WOWOW
(C)佐野広実/講談社 (C)2025 WOWOW
――2025年4月クールの主演ドラマ「対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜」(TBS系)含め、最近は女性としての生き方を描く作品が続いていますね
「そうなんです。今年は特に『女性としてどう生きたいか、どう在りたいか』を伝える作品に私は出たかったのだと思います。ありがたいことにお声を掛けていただき、自分の気持ちもそこに向いていました。『対岸の家事』では、働く女性や子供と向き合っている母親たちが見て救われてほしいと思ったし、今作はつらい過去を持つ女性たちの再生の物語。どちらも『自分を肯定して生きる』というテーマが根底にある気がします」

――多部さんもプライベートでは一児の母に。『妻』や『母』という部分で等身大の役を演じることについてはいかがですか?
「妻や母親といっても形はいろいろありますし、その中でも皆さん、本当に人それぞれの生き方をされていると思います。『シャドウワーク』に出てくるような、傷を抱えながら生きる女性もその一つの形ですし。お芝居を通していろんな経験できるのは楽しいことだし、自分の経験値とともに、幅広いキャラクターを演じていけたらいいなと思います」
――育児と仕事の両立は簡単なことではないと思います。多部さんなりの乗り越え方はありますか?
「子育ては家族でやるものなので。私が頑張るときもあればパパが頑張るときもある。うちは『絶対にお母さんじゃなきゃ』みたいなこともなく、うまく役割分担できているんじゃないかと思います。なので『チームで乗り越える』ということですかね」
――最後に、ドラマを楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします
「シリアスな描写も多いですが、決して暗い作品ではないです。自分の人生をあきらめずに生きようとする女性たちの姿に見てくださる方は勇気づけられるんじゃないかと思うし、彼女たちの想いや決断というものを、ドラマを通して見守っていただけたらうれしいです」
撮影=大川晋児 取材・文=川倉由起子 スタイリスト=岡村春輝(FJYM inc.) ヘアメーク=中西樹里
放送情報
連続ドラマW シャドウワーク
放送日時: 2025年11月23日(日)22:00~
※毎週(日)22:00放送 ※全5話
チャンネル: WOWOWプライムほか(スカパー!)
出演=多部未華子、桜井ユキ、川西拓実(JO1)、トリンドル玲奈、上原実矩、須藤理彩、街田しおん、森岡龍、竹財輝之助、石田ひかり、寺島しのぶ
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