橋本愛が元ホス狂いの激情のように渦巻く愛を表現!仲野太賀と夫婦を演じた「熱のあとに」
2025.11.7(金)
2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主人公・豊臣秀長役を務める俳優・仲野太賀。放送が少しずつ近付き、自身の目標でもあったという大河ドラマでの主演にますます期待が高まる。仲野といえば、これまでも「この恋あたためますか」(2020年)、「コントが始まる」(2021年)、「いちばんすきな花」(2023年)など数々の話題作に出演し、どの作品でも自然体の佇まいながら唯一無二の存在感を放ってきた。2024年7月期には宮藤官九郎脚本によるドラマ「新宿野戦病院」で小池栄子とW主演を務めたことも記憶に新しい。そんな仲野がドラマ主演の直前、2024年2月に出演した映画が「熱のあとに」だ。
本作の主演を務めたのは橋本愛。2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアされた新鋭・山本英監督が、"見る者を翻弄する愛の物語"として本作を創り上げた。橋本は、現在放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で、主人公・蔦屋重三郎(横浜流星)の妻・ていを好演中。本作では仲野と夫婦役を演じている。
愛したホスト・隼人(水上恒司)を刺し殺そうとした沙苗(橋本)は、事件から6年後に出所。その後、母親の勧めでお見合いに行き、林業に携わる健太(仲野)と出会う。沙苗は自身の過去を健太に打ち明けるが、健太はそれを承知し、2人は結婚することに。湖の近くのペンションをリフォームし、平穏で幸せな結婚生活が始まったと思っていた。しかしその矢先、謎めいた隣人の女・足立(木竜麻生)が現れる。有機野菜の栽培をしたくて引っ越してきたという足立の気さくさに沙苗は心を許しかけていたが、そんな時にある"秘密"を聞かされる。それが引き金となって沙苗の心はかき乱され、かつて全てを捧げた隼人の影に翻弄されるように。普通の生活へ引き戻してくれる健太の温もりを受け取りながらも、隼人への燃え上がるような想いを抱き続けるのだった...。
■空虚を纏った橋本愛と飄々とした仲野太賀、対照的な演技が光る
(C)2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisha
建物の床に倒れている隼人のことを、返り血を浴びた沙苗がタバコを吸いながら見下ろす。そんな衝撃的な描写から始まる本作での橋本は、常にどこかに"空虚"を伴った演技を見せている。平穏な新婚生活を送り出したかのように見えて、結婚してもなお健太を"小泉さん"と呼ぶ沙苗は、壁を作っているようにも見える。そんな中、現れた足立の存在が沙苗の心に波紋を呼び、沙苗は再び暗く不穏な空気を纏うように。印象的なのは、定期的に通っているカウンセリングで、沙苗の本音を浮き彫りにするかのような言葉たち。自分自身を"臨時的に生きている感覚"と表現したり、"全てを捧げるからこそ愛は永久不滅で、そのほかは愛に近いものなだけ"と言ったり。健太のことを"好き"とは思うが、それは沙苗にとって"本物の愛"とはまったく違うもの。過去の自分に思いを馳せるがあまり、現在の自分は本当の自分ではないという様子で、何をしでかすかわからないような危うさを持つ沙苗。そんな彼女を体現した橋本の淡々とした演技が見事だ。
太賀が演じる夫・健太はそんな沙苗とは対照的な存在に映る。良い意味で"どこにでもいそうな普通の男"を演じる自然な佇まいは、まさに仲野の持ち味。見合いの席や、沙苗の過去を打ち明けられた時にも飄々とした様子で、沙苗のことを「死んだ目」「殺そうとしたけど、逆に殺されたんだな!」なんてカラッと言い放つ。沈んだ空気の沙苗を浮き上がらせるかのような、バランスのとれた存在だ。そんな健太も、沙苗との生活の歯車が狂い始める中で激情を見せることも。そんな時も仲野の演技はさすがのもので、健太の中で沸々と湧き上がり、ついには爆発するさまをナチュラルに表現している。
「愛とは何か」「過去を受け入れてどのように生きるか」、そんな重いテーマを投げかける本作。橋本と仲野の演技に注目しながら、その問いかけの答えを見つけ出してほしい作品だ。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
熱のあとに
放送日時:2025年11月19日(水)23:50~
チャンネル:WOWOWライブ
放送日時:2025年11月25日(火)5:15~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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