染谷俊之×小西詠斗「ドラマの続きは舞台で」――『UNREAL-不条理雑貨店-』が描く"願いの行方"
2025.11.7(金)
ドラマと舞台が連動する新しいエンターテインメント『UNREAL-不条理雑貨店-』。
願いが叶う不思議な骨董品を扱う雑貨店を舞台に、少しダークで幻想的な物語が描かれる。
その中心に立つのが、店主・ヤギオを演じる染谷俊之と、近くのカフェで働く高校生・ムネチカを演じる小西詠斗。
5年ぶりの共演となる2人が、このユニークな作品にどう向き合い、何を感じているのか――。
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
――ドラマと舞台の出演が決まった時、心境をお聞かせください
染谷「お話をいただいて、原作を読ませていただいた時に、"すごく素敵な世界観だな"と思いました。ファンタジーではあるんですが、実写化するにあたって無理のないファンタジーで、演じさせていただくのがとても楽しみでした。それに舞台連動企画で、舞台で結末を演じられるというのがすごく贅沢だと思っていて。生でお客様に結末を見ていただけるのは、本当に楽しみです」
小西「お話をいただいて、すごく嬉しかったです。原作も読ませていただいたのですが、すごく面白い世界観で、ひとつひとつの要素に魅力があってどんどん止まらなくなっていくというか。読んでいて"これを演じられるのが嬉しいな"と思いました。染谷さんとW主演というのは、僕からすると本当にびっくりで。染谷さんは僕のデビューしたての時にご一緒させていただいて、すごくお世話になった先輩なんです。だから2人でやらせていただけるというのは信じられないくらい嬉しかったです」
――共演するにあたり、役柄のイメージも含めた印象や撮影を通じての関係値など教えてください
染谷「原作を読ませていただいた時に、"僕はヤギオ役として、ムネチカは誰がやるんだろう?"って想像したんです。そのとき頭に浮かんだのが詠斗でした。何人か思い浮かんだ中でも一番最初に出てきて、実際に"ムネチカ役は小西詠斗"と聞いた時は"ナイスキャスティング!"って思いましたね(笑)。5年前にも共演していて、その時は彼がデビュー作だったことを知らなかったんですが、本当にいい子でかわいらしい子で。詠斗とだったら、ヤギオとムネチカの関係も素敵に築けるなと思って、すごく嬉しかったです」
小西「台本を読んだ時に"染谷さんの髪をガシッと掴む"って書いてあって、"うわ、できるかな..."って思いました(笑)」
染谷「やってたけどね(笑)」
小西「でも、昔からすごくお世話になって、よく知っている先輩だったので、逆にやりやすかったですね」
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
――改めてこの作品でお互いに発見したことはありましたか?
小西「学生役で、2人で同級生を演じたのですが...もう同い年にしか見えなかったです(笑)」
染谷「やめて!もうそれはイジりだよ!本当に限界ですって(笑)」
小西「年齢はちょっと離れているんですけど、実際に一緒にやってみると全然いけますね!」
染谷「いや、無理です(笑)。でもありがとうございます。嬉しかった。詠斗はデビューの頃から感覚がすごく鋭くて、"どうしよう、どうしよう"と言いながらも何なくこなせる器用なタイプなんです。久しぶりに共演して、舞台も映像も両方やっている彼を見て、"ああ、やっぱり器用な子だな"と思いました。どちらの現場でも通用する人だなって感じましたね」
――舞台と映像、それぞれ意識してやっていらっしゃいますか?
小西「意識はすごくしますね。役になりきってそれを発するという根本は同じなんですけど、技術的な部分はやっぱり全然違うと思うので。すごく難しいなと思いつつ、常に意識して取り組んでいます」
染谷「僕は今、舞台と映像を半々くらいでやらせていただいています。舞台でご一緒した方と映像の現場で再会すると、ちょっと不思議な感覚になるんですよね。言葉では説明しづらいんですが」
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
――舞台へのこだわりはいかがですか?
染谷「お客様の反応がダイレクトに返ってくるのは、やっぱり舞台ならではだなと思います。映像作品だとお客さんの反応を直接見る機会はなかなかないですが、今回は第1話の先行上映会でその反応を見られて、とても貴重でしたし、嬉しかったです」
小西「お芝居の勉強は、舞台の現場で本当にたくさんさせていただきました。僕にとって舞台はすごく特別な場所です。どちらの表現もできるのは幸せだなと思っています」
――印象に残っているエピソードを教えてください
染谷「雑貨店での撮影が中心だったんですが、終盤のクライマックスシーンでは、7分以上の長回しで撮影したんです。あれはかなり痺れましたね。スタッフさんと僕らも"やってやるぞ!"という気持ちで臨んで、まるで舞台のような一体感がありました。演じている時は大変でしたけど、振り返るとすごく楽しくて、いい緊張感でした。現場全体がグッとまとまった瞬間だったと思います。カットを割らなかったことで一連の感情の流れをそのまま出せたので、クライマックスにふさわしい、感情が爆発するシーンになったと思います」
小西「僕もそのシーンは印象に残っているのですが、海でのシーンもすごく印象的でした。制服のまま海に飛び込むんですけど、一発本番みたいな撮影で、すごく緊張しました。僕自身、海に入るのが何年かぶりで、制服も着ていましたし、思った以上に深くて怖かったですね」
染谷「"何かあったら俺が助けるぞ"って気持ちでいました(笑)」
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
――今回の作品に対して役作りで気をつけたことがあったら教えてください
染谷「この役のために髪を伸ばしました。切らずに少しずつ量を減らしながら整えていって。ヤギオは生命力があふれるタイプではないので、なるべく暗めにしていました(笑)。ただ現場の空気まで暗くならないように、いい塩梅を意識しながら、本番ではさらに削ぎ落とすような感覚で臨みました。感情が複雑な役だったので、"マイナスの感情を出す"というよりは、"プラスのものをぐっと抑える"ことで表現していました。僕はその方が演じやすかったですね。抑えたエネルギーが爆発につながるようなイメージで演じました」
小西「ムネチカはすごく芯の通った子なので、まっすぐで落ち着いた喋り方の中にも、圧や説得力のあるトーンを意識しました。ヤギオに対してもそうですが人を動かす力を持つキャラクターなので、そこは大事にしましたね。僕自身はけっこうふにゃっとしているタイプなので、ムネチカのような強い人間は本当にかっこいいなと思いました。"人のために動ける"というところがすごく魅力的でした」
――原作や台本を読んだ時に何か心掴まれたシーンやセリフはあったでしょうか?
染谷「最後まで読んでからもう一度最初に戻ると、セリフの受け取り方がまったく変わるんですよね。ヤギオとムネチカにはある宿命があったということが最後にわかってから、改めてムネチカとの会話を読むと、もう本当に悲しくて......そういう読み方になりました。僕自身、すごく心に残りましたね」
小西「自分ではない誰かのために努力していたというのは、本当にすごいことだなと思いました。感動というよりも、同情に近い気持ちもあって。でもその一方で、そのために多くの人を不幸にしてしまうという展開を読むと、すごく複雑な気持ちになりました」
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
――タイトルにちなんで、"不条理"、ちょっとこれは"理不尽"だなと思った経験はありますか?
染谷「生きていたら、理不尽なことっていっぱいありますよね(笑)。役者の世界も、ある意味すごく理不尽だと思います。努力が必ず実るわけではない世界なので。役者って、名乗ろうと思えば誰でも名乗れる職業だから、定義のない世界でもある。そういう意味でも"理不尽で面白い世界"だなと思います」
小西「僕はバナナが好きでよく買うのですが、スーパーで99円のバナナを買ったつもりが、299円のプレミアムバナナが混ざっていて(笑)。間違えて買っちゃったんですけど、よく見たら99円コーナーに混ざってたんですよ。"なんでここに?"って思いました。3倍の値段で、ちょっと理不尽でした(笑)」
――骨董品にはそれぞれ注意事項があったと思います。ご自身の俳優として守りたいルールや、取り扱う上での注意事項はありますか?
小西「"ちゃんとやる"。お芝居において、事前準備をすごくたくさんしておきたいですし、しないとなんだか落ち着いてできないです。自信が持てるようにたくさんしておきたい」
染谷「"ルールがないことがルール"ですね。"こうしてほしい""ああしてほしい"という決まりは特にないですし、自由な中で"面白いものを作る"という思いが大事です。ルールに縛られないことが、かっこいいと思っています」
©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員
――最後に、視聴者の皆さんに一言ずつメッセージお願いいたします
染谷「物語が進むにつれてどんどん謎が深まっていきます。ドラマはきれいにまとまりつつも、少し謎を残したまま終わるので、ぜひ最後まで見届けていただけたら嬉しいです。"面白いな"と思っていただけたら、ぜひ舞台にも足を運んで、最後どうなるのかを見ていただきたいです」
小西「これから物語が進むにつれて、次々と謎が明らかになっていきます。ドラマも舞台もどちらも見ていただくことで、より深く楽しめると思います。僕自身もすごくワクワクしているので、ぜひ舞台も観に来ていただければ嬉しいなと思います」
文=HOMINIS編集部
放送情報
「UNREAL-不条理雑貨店-」
放送日時:【テレビ大阪】毎週 (火)1:05~
【テレビ愛知】毎週(火) 1:30~
【BSテレ東】毎週 (金)0:30~
【テレビせとうち】毎週(水)0:30~
【TVQ 九州放送】11月20日(木)~ 毎週(木)1:30〜
※広告付き無料配信サービス「TVer」にて見逃し配信
-

PLAVE、「かくれんぼ (Hide and Seek) - Korean Ver.」で見せる新たな表現――"聴き慣れたメロディで伝えるまた一つの物語"を描く制作の裏側
提供元:HOMINIS11/7(金) -

染谷俊之×小西詠斗「ドラマの続きは舞台で」――『UNREAL-不条理雑貨店-』が描く"願いの行方"
提供元:HOMINIS11/7(金) -

阪口珠美、乃木坂46から舞台へ――『醉いどれ天使』で感じた"女性の強さと儚さ"
提供元:HOMINIS11/6(木) -

東方神起・CHANGMIN(チャンミン)がボーカリストとしての真価を発揮!多彩な声色と表現力で熱狂を生んだ初の全国ソロツアー
提供元:HOMINIS11/6(木) -

横山由依、『醉いどれ天使』で見つめた"生きる強さ"――表現者として歩む今、「ぎん」と共に感じた再生の瞬間
提供元:HOMINIS11/6(木)

