松たか子と黒木華が昭和初期を舞台に描き出す、切ないロマンス!山田洋次監督作「小さいおうち」
2025.10.31(金)
11月21日(金)に倍賞千恵子と木村拓哉の共演による最新作「TOKYOタクシー」が公開される山田洋次監督。これまでもそれぞれの時代に生きた日本の人々を人情的に描いてきた山田監督が最新作で映すのは、刻々と変化する大都市「東京」を舞台に、人生の喜びを謳い上げる感動の物語だ。
そんな山田監督が昭和初期を舞台に描き、倍賞も出演したのが、2014年公開の映画「小さいおうち」だ。第143回直木賞に輝いた中島京子のベストセラーを映画化した本作は、第64回ベルリン国際映画祭で黒木華が銀熊賞(女優賞)を獲得したことも話題となった。物語は黒木が演じる、昭和初期にとある家の家政婦をしていた若き日のタキの視点で、倍賞が演じる現代のタキのエピソードを絡めながら展開していく。
大学生の荒井健史(妻夫木聡)は、先日亡くなったばかりの大叔母・タキ(倍賞)が生前に大学ノートに綴っていた"自叙伝"を読み返していた。ノートに書かれていたのは、昭和初期の日本の姿と、当時のタキが過ごした日々の話。若かりし頃、山形出身の純真な少女・タキ(黒木)は小説家の屋敷に1年ほど仕えた後、東京郊外にある赤い三角屋根の小さいながらもモダンな家の平井家に仕えることになった。そこには玩具会社に勤める雅樹(片岡孝太郎)と妻・時子(松たか子)、5歳になるひとり息子の恭一(秋山聡)が暮らしていた。タキは真面目に仕事をし、恭一からも懐かれ、時子から信頼されていた。そんなある日、雅樹の会社の板倉正治(吉岡秀隆)が平井家を訪れる。時子は趣味の話を通じて意気投合した板倉に少しずつ気持ちが傾き始める。そんな彼女の姿を目の当たりにして頭を悩ませていたタキ。この出来事をきっかけに、タキは晩年まで続く"秘密"を抱えることとなる...。
■複雑な三角関係の心情を繊細に描いた松たか子と黒木華
物語の中心となる時子を演じるのは、「隠し剣 鬼の爪」でも山田組に参加した経験のある松。公開当時、"山田監督が初めて手掛けた切ないロマンス"という点も話題となっていた本作では、時子の揺れる心を細やかに演じている。時子は夫と幼い息子に囲まれ穏やかな生活を営む良家の妻であり、女中であるタキに対しても家族のように優しく接する。そんな時子の温かな人柄をしっかりと体現しながらも、板倉と出会ったことで時子の胸の内に波紋のように広がる"許されざる恋心"を、視線の揺れやため息、表情のほんのかすかな陰りによって表現しており、時子の切なさと葛藤が手に取るように伝わってくる。
物語の語り部ともなる女中・タキを演じたのは、黒木。タキは静かで控えめな女性で、その心中を口に出すことはしないが、板倉と時子の関係を察し、常に悩み、葛藤している。そんなタキの表には出さないが胸の内に吹き荒れる嵐のような感情を表現した黒木の演技が見事だ。昭和初期、戦争の気配が暮らしの中に潜む不穏な時代の中で、 "正直でいること"と"女中として忠義に従うこと"の間で常に揺れているタキをしっかりと演じきり、高い評価を得た。
山田監督が昭和の時代を舞台に描き出した切ないラブロマンス。その行く先を、松と黒木の演技に注目しながら確かめてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報
小さいおうち
放送日時:2025年11月18日(火)14:40~、12月7日(日)12:10~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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