ニュース王国

内藤剛志演じるベテラン刑事がかつてないほど追い込まれる!佐野史郎とのコンビも大人の味わい「今野敏サスペンス 遠火 警視庁強行犯係 樋口顕」

2025.10.29(水)

「今野敏サスペンス 遠火 警視庁強行犯係 樋口顕」で樋口顕を演じる内藤剛志
「今野敏サスペンス 遠火 警視庁強行犯係 樋口顕」で樋口顕を演じる内藤剛志

近年は刑事ドラマを中心に活躍し、数多くの当たり役を持つ内藤剛志。そんな"ミスター刑事ドラマ"の代表作のひとつが、2003年にスタートした「警視庁強行犯係 樋口顕」シリーズだ。捜査一課の係長・樋口の活躍を描く本作は、現在までに2時間枠の単発ドラマ15本が放映されたほか、2021年には2期にわたって1時枠のシリーズも制作された人気作。「今野敏サスペンス 遠火 警視庁強行犯係 樋口顕」は、2024年に放映された単発ドラマの最新作である。

1980年に映画「ヒポクラテスたち」で本格デビューした内藤は、1990年代よりTVドラマを主戦場に活躍。数多くのドラマに出演し、1995年から7年間(27クール)にわたって途切れることなく連続ドラマに出演という大記録を打ち立てた。デビュー以来ヒューマン、サスペンス、アクション、コメディ、時代劇などジャンルを問わず幅広い役を演じてきた内藤だが、凛としたたたずまいから多くを占めているのは硬派な役。歳を重ねるごとに刑事役が増えていき「警視庁・捜査一課長」や「十津川警部」など人気シリーズに主演。「科捜研の女」など助演作も手伝って、刑事がもっとも似合う俳優として定着した。

叩き上げの剛腕刑事のイメージが強い内藤だが、「女検死官」では元カノの上司を支えるサラリーマン出身の遅咲き刑事、NHK朝ドラ「ブギウギ」では人情派刑事を好演。「旅人検視官 道場修作」は亡き妻への思いを胸に旅をする人間味あふれる元刑事出身の検察官、「検事・朝日奈耀子」では控えめで気遣い上手な検察事務官など多彩なキャラを演じ分けてきた。

■内藤は人情味あふれるベテラン刑事を熱演

内藤にしか出せない人情味あふれるベテラン刑事の安定感に注目
内藤にしか出せない人情味あふれるベテラン刑事の安定感に注目

そんな内藤が「警視庁強行犯係 樋口顕」で演じる樋口は、捜査一課強行犯の係長。真面目で妥協を許さず、頑固者だが部下思いという定番のベテラン刑事だ。ただし性格はあくまでジェントル。誰にでも礼儀正しく物腰も柔軟で、口調や所作にも人の良さがにじんでいる。内藤が演じてきた役柄の集大成といってもよいだろう。作品自体アクションの見せ場もあるが、多くを占めているのは事件を通して浮かび上がる家族や人との情や絆。樋口はそんな作風を体現するキャラなのだ。

■佐野史郎演じる相棒役刑事と織りなす中年コンビも見逃せない

それは相棒の位置づけにある氏家との関係にも現れている。佐野史郎が演じる氏家は生活安全部少年事件課の警部で、事件に未成年者が絡むと応援や協力の形で一課の捜査に参加する。まじめな樋口と口達者だが面倒見がよい氏家の中年コンビが、コツコツと地道に捜査を行う渋さも本作の魅力。性格が真逆なコンビが大暴れする定番のバディものとは一線を画した、まさに大人の味わいなのだ。

単発ドラマ15作目にあたる「遠火」で、樋口は公私ともに窮地に追い込まれてしまう。恋人と暮らすため家を出ると言い出した娘との関係がこじれる中、樋口は女子高校生殺人事件を担当。捜査を進める中で政治がらみのスキャンダルに巻き込まれ、一課から異動を命じられてしまうのだ。

二転三転していく犯人捜しに加え、被害者や加害者のほか、樋口を含む関係者の親子関係を軸にした濃厚な人間模様が味わえるのも本作ならでは。樋口の妻(川上麻衣子)や上司・天童(榎木孝明)らレギュラー陣とのコンビネーションや意外な事件の行方はもちろん、内藤が見せるかつてなく追い込まれた樋口の一面にも注目したい作品だ。

文=神武団四郎

放送情報【スカパー!】

今野敏サスペンス 遠火 警視庁強行犯係 樋口顕
放送日時:2025年11月24日(月)21:00~
放送チャンネル:ファミリー劇場
出演:内藤剛志、佐野史郎、榎木孝明、矢田亜希子、川上麻衣子、斉藤暁、逢沢りな、佐野岳、片山萌美、小松利昌
※放送スケジュールは変更になる場合があります。