伊藤沙莉、山田裕貴×佐藤二朗の取調室シーンに衝撃「この役者さんたちすごい」映画『爆弾』インタビュー
2025.10.28(火)
山田裕貴が主演を務める映画「爆弾」が10月31日(金)に公開される。
酒に酔って暴行をはたらき、警察官に連行された謎の中年・スズキタゴサク(佐藤二朗)。彼は取調室で霊感があると言い、爆破事件を予知する。さらに、警視庁の交渉人・類家(山田裕貴)らにあるクイズを出題して...。
今回は、タゴサクが問題を起こした酒屋に臨場した沼袋交番勤務の巡査・倖田沙良を演じた伊藤沙莉にインタビューを実施。すでに話題となっている本作について、たっぷりと語ってもらった。
――まずは、呉勝浩さんの原作小説や本作の脚本をご覧になって、どんな印象を持ちましたか?
「会話劇が面白い作品だなと思いました。最初は"うわ。なにこの台詞並び!"と楽しく読んでいたんですけど、それと共に、こちらに問いかけてくるものがあるというか...。爆弾のハラハラもそうですが、危ない感情や『まっすぐ悪だ』と思っていたことが、自分のなかにあるのかないのか、みたいなことを問いかけられている気がしました。
作品のなかで起きている出来事なのに、"この作品で何回ドキッとさせられるんだろう"と思いましたし、好奇心みたいなもので、読みたくないけど読み進めちゃう感覚もありましたね。すごく楽しかったです」
――倖田を演じるなかで、伊藤さんはどんな感情が湧きましたか?
「前半と後半で別のフェーズになっていることがすごく大きいと思います。前半は、バディを組んでいる巡査長の矢吹(坂東龍汰)の行動を止めるコントローラーとしているんですけど、後半であることが起こって状況が一変する。正義感とか、警察官として...という思いがあった沙良ですら冷静さを失う点に、いつ人がひっくり返るか分からない危うさを感じました。ただ、演じる側としては、冷静さに欠けた瞬間、人間味を感じて面白かったです」

――現場へ臨場する矢吹と倖田のバディも素敵だなと思いました。伊藤さんは2人の関係性について、どんなことを感じましたか?
「すごく好きでしたね。やりあうというよりも、お互いを知り尽くしている感じがあって、かけあいがコミカル。心地良いテンポ感で話しているから、すごくいい関係性だなと思いました」
――そんな矢吹についてはどんな印象を持ちましたか?
「まっすぐで熱い男なので、応援したくなっちゃう人だと思いました。昇進して刑事になることに命をかけている分、暑苦しいけど、それがある種キュートに見えるし、目もキラキラしてる。だからそばにいて応援したくなるんでしょうね。2人には、映画では描かれていない関係性がバックボーンとしてあるので、沙良としてはしっかりサポートしつつ、寄り添っていたのかなと思います」

――撮影現場はどんな雰囲気だったのでしょうか
「私は坂東くんと一緒のシーンが多かったのですが、坂東くんは、とても明るいハッピーボーイなので、『用意、スタート』となるまでは、みんなで楽しくニコニコ喋っていましたね」
――オン・オフがはっきりされていたんですね
「そうですね。私は、『用意スタート』から『カット』までしか集中力が持たないし、『ずっと喋らない』なんてできないので、現場の在り方としても、とてもありがたかったです。そういう現場で救われたなとも思いますね」
――坂東さんとは演技プランについて、なにかお話されたんですか?
「『どうやったらやりやすいか』、『これはこうしたらいいんじゃないか』と、一緒になって考えていました。沙良のことも親身になって考えてくれて、疑問だったところが坂東くんによって解消された部分もありましたね。(バディ役が)坂東くんで良かったなと思いますし、すごく救われました。ただ、2人で考えたアドリブは、ことごとくカットされているので、"ふざけすぎたな"と反省しています(笑)」

――キーマンであるタゴサクについては、どんな印象を持ちましたか?
「タゴサクの一つひとつの動き、言葉を発する音、目線が凶悪犯の"それ"じゃないというか。いろいろなものが入り混じったところを二朗さんが的確にやられていて...。酒屋で捕まえたときと取調室にいるタゴサクは、まとっている空気が全然違うんです。取調室の空間で究極のところにいるタゴサクは、凶気を感じて恐ろしかったですね」
――類家とタゴサクの取調室のシーンは本作の見どころのひとつです。ご覧になっていかがでしたか?
「圧巻でしたね。本当に面白かったし、時間を忘れて見入っちゃいました。いつ爆発するか分からないし、自分も謎解きに参加してみたくなるほど没入したんですけど、ある種の職業病みたいなところもあって...。"この役者さんたちすごいな"と思いながら観ていました。畳み掛けるように喋るから、単純に"いつ息継ぎしているんだろう"と気になりましたし、それは自分の役者人生のなかでも、まだチャレンジしていない表現法な気がして。冷めた目線で言うと勉強になったし、映画を観るお客さんとしては、かなり引き込まれました」
――同じ俳優さんでも、あの2人の取調室のシーンは特別なんですね
「そうですね。類家のあっけらかんとした言い回しや、タゴサクに詰められてもまったく動じないあの強さなど、そもそもキャラクターを十分に落とし込んでいないといけないし、『この台詞をこう言いたい』とかだけだとやっていけない。『そこにいる』という軸が定まっていないと絶対に"音"としてブレると思うんですよね。
一方で、タゴサクを演じる二朗さんは、どちらかというと劇的な演技をしていますが、それを人間味あるところに落とし込めるのが素敵だなと思います。キャラクターだけで一人歩きしていないのがかっこいいなと思いました」

――『爆弾』の完成作をご覧になって、伊藤さんはどんなことを感じましたか?
「もちろん、本で読んでいるときもハラハラしつつ、没入したんですが、音として耳に届いたり、表情を見たりすることによって、より客観性が強くなり、他人事のように感じていたことが、いきなり自分に返ってくる。『ドキッ!』が強くなる感じがしました。
タゴサクがセンセーショナルな台詞を言うときも、作品として観ているから、聞き入ったり、見入っちゃったりするけど、いざそこに自分が当てはまったとき、いきなり"あ、他人事じゃない!"って思うんです。この"返り"が絶妙だなって思ったんですよね。
例えば『そこのあなたです!』みたいな爆発的な恐怖での落とし込みではなく、"あれ?待てよ...これって..."とジワジワこちらをエグってる感じ。じわりと首を絞めにくる感じがして...。そうなってくると、ある意味でエンターテインメントとしてワクワク観ていた私は、"意外と悪の部分を持っているんじゃないか?"と、グラデーションで感じていく。この"振り回される感じ"が映像になるとより強くなるなと思いました」
文・写真=浜瀬将樹
公開情報
映画「爆弾」
公開日:2025年10月31日(金)
原作:呉勝浩
監督:永井聡
出演者:山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗ほか
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