吉沢亮が『ばけばけ』で英語教師役を奮闘中「芝居で感情を乗せて英語を話すのが本当に難しい」
2025.10.25(土)
連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合)で、吉沢亮が松江一の秀才、「大盤石」(絶対に大丈夫な人)と呼ばれる中学校の英語教師・錦織友一(にしこおり・ゆういち)を演じる。
同作は、松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で明治時代にヨーロッパから日本に来て帰化し、『怪談』などの本を書いた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルにした物語で、ヒロイン役の高石あかり(※「高」は正しくは「はしごだか」)とレフカダ・ヘブン役のイギリス人俳優トミー・バストウが組み、西洋と東洋の違いを超えて心を通わせる夫婦の日常を描く。
錦織は、実在した英語教師・西田千太郎氏をモデルにしている。明治時代、アメリカから松江へやって来たレフカダ・ヘブンに通訳兼お目付役として付き添う錦織を、吉沢がコミカルな演技も交えて演じる。今回、英語のセリフに挑んだ錦織役について、そして高石あかり、トミー・バストウとの共演を振り返って語ってもらった。
――『ばけばけ』に錦織友一役で参加した決め手は何でしたか?
「『ばけばけ』の制作統括・橋爪國臣さんとチーフ演出の村橋直樹さんは、4年前、大河ドラマ『青天を衝け』で一緒だったチーム。今回も、ぜひと声をかけていただいたので、すごくありがたいなと思いました。ふじきみつ彦さんの台本も面白かったですし、モデルである西田千太郎さんの生涯にも引かれました。そして、錦織が英語を話す役だというのも大きな要因でした。以前から英語を学んでみたいなという思いが、ぼんやり僕の中にあったので、いい機会かもしれないと思いましたが、いざ撮影が始まってみると、思った以上に英語のセリフが多いし、難しくて絶望しました(笑)」
――『青天を衝け』に実業家の渋沢栄一役で主演した経験が、同じ明治初期を舞台にした『ばけばけ』の役作りに生かされている部分はありますか?
「やっぱりその時代を生きた人たちの空気感でしょうか。渋沢栄一はおそらく、幕末から明治への変化を心から楽しめる人だったと思いますが、そういう人ばっかりではなかった。トキの父親のように時代に取り残される人もいれば、もう乗っかっていくしかない人もいる中で、じゃあ錦織はどうだろう?とは考えました。『青天を衝け』で感じた時代の空気というのは、今回の役にも活きている感じはあります」

――英語のセリフについて、苦労している点や心がけていることはありますか?
「錦織は勉強ができて『大盤石』と呼ばれるぐらいの男なので、なるべく見ている人に違和感を与えないように、英語のセリフは『練習している感』が出ないぐらいには練習しました。5カ月前から週に3回、英語の先生のレッスンを受け、今もペースを落としながらも継続しています。ただ、芝居で英語をしゃべるっていうのが本当に難しくて。英語のセリフを覚えること自体はやればできるけれど、そこに感情が乗っかってきて、自分の言葉として話さなければならない。錦織が自分の気持ちを伝える英語と、通訳としての英語があったりするので、そこのテンションの違いを意識しながら言っています」
――第5週でヘブンが松江にやってきて、松江の人々から歓迎され、錦織も彼と初めて出会って歓迎会に連れて行こうとするわけですが、その一連のシーンの英語はトミーさんから「完璧だった」と言われたそうですね。英語の上達ぶりはどうですか? 英語圏の人とも気軽に話せるようになりしましたか?
「これがびっくりするぐらい、ぜんぜんしゃべれないです(笑)。もっと普段から話せるようになるものなのかなと思っていました」
――松江一の秀才と呼ばれる役どころについてはどう思いましたか
「試験を受けるために上京し、そこでトキと出会う...という展開の第4週ではその点を意識していました。錦織や松江から上京してきた学生たちには『これから自分たちで日本を動かしていく、変えていく』という心意気があるので、その志(こころざし)は見せたいと思いました。でも第5週からは、ずっとヘブン先生に振り回される役回りなので(笑)、そこではドタバタ感を意識しながらやっています」

――放送前の記者会見でもトミーさんとは仲良さそうな様子でしたが、どんなふうに交流していますか?
「トミーさんはめちゃくちゃ日本語がしゃべれるので、むしろ英語のセリフの場面で、僕の方がトミーに『今、大丈夫だった?』とか聞きながら、気を遣わせてしまっているかなっていう感じです。ただ先日、トミーさんに『何時(なんじ)起き』という言葉を教えました。ロケで朝が早い日に『今日トミー、何時起き?』って聞いたら、『それは何?』って(笑)。意味を教えたら、トミーさんが毎日『何時(なんじ)起き』と聞いてくるようになって、彼の日本語学習欲は凄まじくて、吸収力も半端じゃないです」
――逆にトミーさんから教わった英語はありますか?
「教わったことだと、撮影現場でそのときの流れで臨機応変に演じましょうということになったとき、『臨機応変』って英語でなんていうの?みたいな話になって。そしたらトミーさんに『play it by ear(プレイ・イット・バイ・イアー)』と言うのだと教えてもらいました」
――錦織はトキとヘブン先生と関わっていきますが、2人は錦織にとってどのような存在だと思われますか?
「おトキさんとは、第4週で、東京の下宿先での短い時間の交流ではありましたが、彼女は夫の銀二郎(寛一郎)を追いかけて一人で東京まで来たわけですから、たくましさみたいなものは感じているんだろうな、と思います。ヘブン先生に関しては、県知事が彼を松江に招いて教育を変えていく、その主役になる人ですから。『彼と一緒にいれば、自分自身の人生も変わるのではないか』という期待を持って接していると思います」
――ヘブン先生に振り回される錦織ですが、2人の関係は今後どのように変化していきますか?
「少なくとも錦織にとっては、ヘブン先生はかけがえのない存在と言っても過言ではないくらい、2人の間柄は近くなっていくはず。第5週の時点でも、もうだいぶ錦織はヘブン先生に入れ込んでいるので、もっともっといい関係になっていくと思います」

――明治時代でありながら現代劇な会話もあり、ユーモアのある台本ですが、お芝居する上で心がけていることはありますか?
「面白いシーンだと思って、やりすぎると冷めちゃうところがあるので、あんまりやりすぎないようにはしつつ、現場のみんなで台本の流れを丁寧に作っていく感じ。特に高石さんのお芝居は、セリフなのか素で笑っているのか、分からないぐらい。自然になじんでいる感じがあって、すごい刺激をもらえますし、会話も本当にやりやすい。そもそも髙石さん自身が面白い人だし、めちゃくちゃコメディがお好きなのでしょうね」
――吉沢さんは6年前『なつぞら』でもヒロインの同級生・山田天陽を演じましたが、今回も朝ドラならではの現場の雰囲気はありますか?
「やっぱり1年近く撮影期間があるわけで、スタッフさんやキャストの皆さんの空気感は、まるで家族のように温かい。それは『なつぞら』の時も感じました。今回も久々に朝ドラに出演することになって、NHKの大阪局に集まっての撮影ということもあり、より強い絆を感じます。僕も、最初は月に2、3回の撮影の時もあると聞いていましたが、気がついたら月の半分は大阪にいます...(笑)。あれ?と思いながらも、そんな居心地の良い現場での撮影を楽しんでいます」
撮影=大川晋児 取材・文=小田慶子 スタイリスト=荒木大輔 ヘアメーク=秋月庸佑
放送情報
連続テレビ小説「ばけばけ」
毎週(月)~(土) 8:00ほか~ ※(土)は一週間の振り返り
チャンネル: NHK総合ほか
出演=高石あかり、トミー・バストウ/吉沢亮ほか
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