王位戦七番勝負6連覇を達成!王座戦も白熱中の藤井聡太の9月の対局を振り返る!
2025.10.21(火)

挑戦者の粘りに手を焼いた王位戦七番勝負は第6局を勝って4勝2敗に。早くも渡辺明九段に並ぶ31期目のタイトル獲得となった。ライバル対決となった王座戦五番勝負は挑戦者に押され、1勝2敗と追い込まれている。逆転防衛はなるか。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。
9月4日に第73期王座戦五番勝負第1局で伊藤匠叡王と対戦。後手の藤井は雁木を選び、伊藤は急戦。藤井が研究でペースをつかむが、終盤は微妙に形勢が揺れ動く。だが、最後は藤井が短手数で制することとなった。
9月9、10日に伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負第6局で永瀬拓矢九段と対戦。角換わり腰掛け銀から藤井が意表の自陣角から攻めていく。後手の永瀬ペースの時間が長かったが、藤井も緩急織り交ぜて離されない。最後は訪れた寄せのチャンスを的確につかみ、永瀬を投了に追い込んだ。これで七番勝負を4勝2敗とし、6連覇を達成。タイトル通算31期は渡辺明九段と並ぶ歴代4位タイだ。
9月18日に王座戦第2局で伊藤叡王と対戦。角換わりから後手の伊藤は早繰り銀を選択。類型の少ない戦いだったが、互いに研究十分で激しい流れになる。先に抜け出したのは藤井。だが、伊藤の粘り強い指し回しの前に、局面は混沌としていく。最後は一分将棋の競り合いになるが、伊藤がうまい寄せを見せて藤井玉を仕留めた。これで五番勝負は1勝1敗に。

9月30日に王座戦第3局で伊藤叡王と対戦。相掛かりから先手の伊藤が端を破り、難解な応酬が続いていく。際どい終盤戦に入るが、抜け出したのは伊藤。藤井も粘るが、伊藤は落ち着いた指し回しで押し切った。これで五番勝負は1勝2敗に。第4局は10月7日(火)に行われる。
第38期竜王戦七番勝負の挑戦者は佐々木勇気八段(10勝4敗)に決定。第1局は10月3、4日に行われた。防衛すれば5連覇で永世竜王の資格を得るシリーズだ。
第75回NHK杯将棋トーナメントで、シードの藤井は2回戦で羽生善治九段(14勝3敗)と対戦する。
第46回将棋日本シリーズJTプロ公式戦は準決勝に勝ち進んでいる。準決勝では渡辺明九段と対戦する予定だったが、渡辺九段の休場により不戦勝が決定。11月23日(日)に行われる決勝戦では永瀬拓矢九段─佐藤天彦九段戦の勝者と対戦する。
第33期銀河戦は本戦Gブロックの最終戦で、中村太地八段─糸谷哲郎八段戦の勝者と対戦する。
文=渡部壮大
放送情報【スカパー!】
[生]第73期 王座戦 五番勝負 第5局 午前[藤井聡太登場] 藤井聡太王座 vs 伊藤匠叡王
放送日時:10月28日(火)8:45~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります