与田祐希、乃木坂46卒業後初主演作『死ぬまでバズってろ!!』で挑んだ大胆な役作り「恥を捨てることを意識しました」
2025.10.15(水)

乃木坂46としてキャリアをスタートさせた後、女優としての新たな一歩を踏み出した与田祐希。乃木坂46卒業後初主演となるドラマ『死ぬまでバズってろ!!』(MBS系)では、"バズるためなら何だってする"主人公タパ子役に挑む。準備期間わずかで臨んだ現場で意識したのは「恥を捨てること」。これまでにない大胆な役柄には、自らの殻を破る覚悟がにじんでいる。SNS時代を象徴するキャラクターを通して見えてきた、自身の承認欲求との向き合い方とは。撮影現場で得た手応えと、女優としての次なる展望を語ってくれた。
――乃木坂46卒業後初の主演作となりました。今回のオファーはどのように受け止めましたか?
「すごく楽しみでした! 私は新しいことに挑戦するのが好きなので、いろんなことを試したい派なんです。お仕事で髪を染めてビジュアルに変化をつけられるなんて、とてもワクワクしましたね。こういう髪色を1ヶ月ほど維持できるのは、この仕事があってこそなので。だからこそ今やるしかないと思って挑みました」
――今回はビジュアルからかなりインパクトがありますね
「でも、ここまで明るい髪色は初めてでした(笑)。プライベートでピンクにしたことや、映画出演のときに少し茶髪にしたことはありましたが、今回ほど大胆なのは初めてです。最初はびっくりしましたけど、意外とすぐに慣れましたし、友達からも好評で戻すのがもったいないなと思うくらいでした」
――そんなタパ子についてはどんな印象でしたか?
「自分に正直で、行動力があって、大胆。自分にはないものをたくさん持っているので羨ましい部分もありますし、こうはなりたくないと思う部分もありました。でも、可愛らしさと狂気を併せ持った奥深い女の子だと感じましたね」
――今回のビジュアルも印象的ですが、改めて役作りの面で意識されたことはありますか?
「準備する期間がほとんどなく、急に決まってすぐ撮影に入ったんです。だからこそ意識したのは恥を捨てること。タパ子は人間の恥ずかしい部分をそのままさらけ出すキャラクターで、普通なら理性で抑えるようなことも、思い立った瞬間に口にして行動に移してしまうんです。私は普段、想像するだけで終わることが多いので、いかに自分の中のストッパーを外せるかが役作りのポイントでした。大胆なセリフや行動もありましたが、恥ずかしいとは思わないようにして臨みました。タパ子にはバズるしかないという切実な理由があって、その状況に追い込まれているからこそ過激な行動に出る。そこはかわいそうにも思えるし、ときに彼女の生きる意味にもなっているんです。だから私は否定せず、彼女の気持ちに寄り添いながら演じました」
――与田さんは一旦考えてから行動するタイプ?
「そうですね。考えてないように見られることも多いんですけど、意外とちゃんと考えています(笑)。ここまでっていうラインは自分の中でしっかり決めていますし、そのうえでギリギリを攻めたいと思うタイプ。たまにアウトしてしまうこともありますけど、無鉄砲というよりは、考えた上で攻めているんです」
――与田さんは、これまで『量産型リコ』や『ぐらんぶる』『OUT』など個性的な役柄も演じてきましたが、その都度挑戦をしてきましたよね
「そうなんですよ。今回も今までやったことのないタイプで、ここまで大胆な衣装や髪型、言動の役は初めてです。これはきっとグループを卒業したからこそできた役だと思います。アイドル時代にはできなかったことも多いので、卒業後すぐにこの役に巡り合えたのはラッキーでした。印象をガラッと変えられるタイミングで演じられたのは、本当に良かったなと思っています」
――原作コミックがある作品は、ファンの期待や既に確立されたキャラクター像がある一方で、オリジナル作品とはまた違う難しさや責任が伴うと思います。その点についてはどう感じましたか?
「原作はしっかり読み込みました。セリフがそのまま使われている場面も多いので、できる限り寄せたいと思ったんです。もちろん漫画なので、その通りにはいかない部分もありますが、想像がしやすいのはありがたかったですね。『このシチュエーションのとき、この表情だったな』と絵で思い出せるのは大きな助けになりました。原作ファンの方もたくさんいらっしゃるので、やれることは全部やらなきゃという気持ちで臨みました」

――撮影はいかがでしたか?
「本当にスピード感があって大変でした。私の役は相手にグイグイ詰め寄るタイプなので、距離感やテンポ感は特に意識しました。自分にはない部分なので難しかったですが、監督と『もっとグイグイ行っていい』と細かく相談しながら作っていきました。私としてはかなり攻めているつもりでも『もっといい』と言われることが多くて(笑)、場当たりの段階から細かくすり合わせていましたね」
――普段の与田さんはというと、きっと真逆のタイプですよね
「そうなんです(笑)。普段、人に積極的に行くことは全くないので、本当に新鮮でした。ボディタッチなんてほとんどしないので、どうやったら自然に見えるか、あるいは自然じゃなくても説得力があるように見せられるか、勉強になりましたね。ただそれはあざとさとは違って、女の武器を使ってやるぞ、という強さに近い感覚。いい意味で見ている人が"胃もたれ"しない表現になっていればいいなと思います」
――渡辺を演じる櫻井海音さんの印象はいかがでしたか?
「最初はお互い人見知りで『全然話せない!』と思っていたんですけど、一緒の撮影が多いので自然と話せるようになりました。たわいもない会話をしたり、アニメの話をしたり。日に日に距離が縮まって、タパ子と渡辺の関係性にも自然と慣れていった感じです。櫻井さんは年下なんですが、日に日に可愛いなと思える存在になっていきました」
――主演として現場に立つプレッシャーは感じましたか?
「もちろんあります。昔はすごく人見知りで、自分から声をかけることも苦手でした。でもここ数年でいろんな経験を重ねて、やっと自然体で人と接することができるようになりました。みんながやりやすいようにコミュニケーションをとったり、場が盛り上がるような発言をしたり、自然とそういうことを考えるようになって。ただ『やってやるぞ!』と力むのではなく、自然体で現場にいられたのは、周りのキャストやスタッフのおかげです。本当にいい現場に恵まれたなと思います」
――本作は"バズる"ことがテーマの作品ですが、与田さんは承認欲求は強いほうですか?
「タパ子のように承認欲求が強いわけではないです。仕事に関しては結果を出したいし、やるからにはちゃんと見てもらいたいという気持ちはあります。でも、仕事を離れたら承認欲求はゼロです(笑)。プライベートでは全然ないですね。仕事はたくさんの人の思いや力で作り上げていくものだから、多くの人に届いて『面白かった』『感動した』と思ってもらえるのが一番嬉しいです」
――乃木坂46を卒業して半年ほど経ちましたが、個人での活動はもう慣れましたか?
「それが気持ち的にはあまり変わってないんです。グループにいるときも背負うものがあったし、それは卒業してもなくなるわけではないじゃないですか。ただ、ファンの方と直接会える機会が減ったり、メンバーにも約束しないと会えなくなったのは寂しいですね。でも、いろんな場所に行って新しい人と出会い、コミュニケーションを取るのはとても楽しいですし、充実しています」
――今後、挑戦してみたいことはありますか?
「挑戦したいことはいっぱいあります! 今しかできない役や感情を経験することに価値があると思っているので、そのときそのときに出会える作品を大切にしたいです。俳優業だけでなく、いろんな形で楽しんでもらえる活動ができたら嬉しいですね。最近も今回の役とは真逆の役をやったばかりで、差を感じられるのが面白いです。知らなかった自分の感情を日々知ることができて、すごく充実しています」
取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
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