高橋海人、"やりたいこと"を仕事にする幸せ噛み締める「すべてを120%の炎でやってる感覚」――映画『おーい、応為』
2025.10.7(火)

長澤まさみが主演を務める映画「おーい、応為」が、10月17日(金)に公開される。
浮世絵師・葛飾北斎(永瀬正敏)の娘・お栄(長澤まさみ)が嫁ぎ先から出戻りしたところから物語は始まる。絵師として生きることを決めたお栄は、やがて父親譲りの才能を発揮。北斎から「葛飾応為」(かつしかおうい/いつもおーい!と呼ばれることから)という名を授かる。その才能を武器に男社会を駆け抜けるが...。
今回は、美人画を得意とし、応為と友情を交わす北斎の弟子・渓斎英泉(善次郎)を演じたKing & Princeの高橋海人(※「高」は正しくは「はしご高」)にインタビューを行った
――今回、善次郎を演じるにあたって、事前に調べたこともあったのでしょうか?
「少しでもヒントになればと、ネットで調べたり、NHKのドラマ『眩(くらら)〜北斎の娘〜』という作品を見たり、(北斎、お栄、善次郎のことが描かれている)マンガ『百日紅(さるすべり)』を読んだりしました」
――そうして調べるなかで、善次郎についてどんな人物だと解釈しましたか
「軽薄そうにみえるけど、意外としっかりしている人なのかなと思いました。生きていくうえで"家族を養うこと"が軸にあって、生活のためにたくさん職を変えているんですよ。どちらかというと、北斎と応為は絵に取り憑かれて、絵を描くことが生き甲斐になっているけど、善次郎は"生きるため"に絵を描いていた印象です。
この作品でも描かれていますが、女性にやんちゃな部分があるし、美人画が得意なこともあって、"女性に対していろいろな感情があるんだろうな"とも思いました」
――演じる際にどのようなことを意識したのでしょうか
「人と会ったときに、"この人、一見気が付かないけど、喋ってみたら、すごく分厚くて、奥行きがあって、素敵な人だな"と気づくときってあると思うんですよ。そういう人物像を映画のなかでも出せたらいいなと思っていました。妹を養っていたり、生活をするうえでの分岐点がいっぱいあったり...。いろいろな経験をしてきているからこその余裕感。そのうえで出るひょうひょうとした様子が伝わったら嬉しいなと。ご覧になる方には、"ちゃらんぽらんそうだけど、のめり込んじゃう。魅力的だな"と感じてもらうよう意識していました」
――絵を描くシーンが急きょ追加されたそうですね。実際にやってみていかがでしたか?
「さらにこの作品に没入するきっかけになりました。いざ浮世絵に触れて、練習をし、筆を使って絵を描いてみると、当時の人たちが描いていた浮世絵が、どれだけ素晴らしいものだったのか、どれだけ職人技だったのかを感じて、リスペクトの気持ちがさらに大きくなりました」

――高橋さんにとって時代劇初挑戦でした。時代劇ならではの大変だったところ、個人的に挑戦だったことなどがあれば教えてください
「言葉遣いもそうですし、髪型だったり、着物を着たり、下駄を履いたり...町の雰囲気も含めて、現代とはすべてが違うじゃないですか。だからこそ、その空気感にちゃんと馴染めるのか、という不安はありました。ただでさえ顔が濃くて『ハーフでしょ?』とよく間違われるのに、溶け込めるのかなって(笑)。
普段の生活から下駄を履いてみたり、言葉を発するときの抑揚だったりを意識しつつ、時代劇や大河ドラマなどを見て勉強しました」
――応為と善次郎のやりとりも必見です。2人の関係性について、どんなことを感じましたか?
「どんなときでも一緒にいるというより、善次郎をなんとなく見守っているという付かず離れずの関係性が、すごくいいなって思いますね」
――そんな応為を演じる長澤さんとの共演シーンも多かったかと思います。長澤さんとのシーンはいかがでしたか?
「長澤さんとは『ドラゴン桜』というドラマで共演させていただいたんですけど、俳優としてすごく堂々としていて、地に足がついているな、というイメージがありました。『ドラゴン桜』で一番覚えているのが、自分が何回か失敗したときに『みんな間違えるから、あまりプレッシャーとか感じなくていいよ。私も全然間違えるし、監督も間違えるし、とにかくやってみれば絶対に終わるから』と声をかけてくれたことです(笑)。すごくさっぱりしていて、素敵な人だなと思いました。
この作品に入ったときも、『とにかくやってみなきゃ分からないから!』って。そうした力強さと人間としての魅力が、応為とリンクしていましたね。長澤さんと応為の人間性が相乗効果で爆発したシーンもたくさんあると感じました」
――現場では、皆さんとどんなお話をされていたんですか?
「和気あいあいとしていましたね。京都での撮影だったので、お芝居の話というよりは、『美味しいごはんやさんを教えて』とか、割と生活の話をしていることが多かったです。自分はオフの日にバイクを借りてお寺巡りをしました」

――北斎や応為はやりたいことを仕事にして生きています。高橋さんは「一番好きなこと」、「一番やりたいこと」を仕事にすることについて、どんな想いがありますか?
「今の活動のすべてが『自分がやりたいこと』なのが、すごくありがたいことだなと思っていて。ダンスも、音楽も、絵を描くことも、お芝居もそうですけど、すべてを含めて『アイドル』という括りでやらせてもらっています。
すべてを120%の炎でやっている感覚です。自分の引き出しも、少しインプットしたらどんどん出ていくスピード感なんです。仕事のことをずっと考えているから"身を削っているし、すり減らしながら頑張っているな"とは思いますけど、やはり創作することが大好きだから、それが楽しくて!だからこそ、この作品でも、(絵に没頭する)北斎と応為の生き様が魅力的だなと思うし、こうありたいなって思います」
――2人の姿を通して、背中を押される人もいそうですね
「そうですね。1つのことに対してずっと向き合ってる人のなかには、"この道で行くべきなのか"と、くじけそうになる瞬間があるかもしれません。ですが、この2人の生き様を見たら、自分のやっていることがどれだけすごいことなのか実感できると思います。まさに背中を押してくれる作品ですね」
――最後に本作の魅力や見どころを教えてください
「作品が残り続けているし、海外でも評価されているから、北斎がすごい人物だというのはなんとなく分かるけど、どんな人だったのかは想像しづらい。でも、この映画では、北斎の人間関係や生活にフォーカスが当てられている分、親近感が湧くんですよ。それが北斎の娘の視点で描かれているから、めちゃくちゃ面白くて!2人の生活を、隣のお家から覗き見している感覚を味わえるのが、この作品の面白いところだと思っています。
歴史の作品って"ちょっと難しいのかな"という印象があるかもしれませんが、キャッチーな場面もたくさんあって、ときにはコミカルに、ときには語りかけるように、作品のメッセージ性を受け取ていただけると思います。北斎のことをよく知らない人でも楽しめると思うし、絵に興味を持つきっかけになる作品でもあるのかなと思います」
取材・文=浜瀬将樹
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