牧島輝、佐藤隆太と初共演の舞台「明日を落としても」で、阪神・淡路大震災から30年の記憶と向き合う――「生きること」を考えるきっかけに
2025.10.6(月)

阪神・淡路大震災から30年――その記憶と"生きること"を見つめる舞台「明日を落としても」に挑むのは、俳優・牧島輝。
「愛していた場所。私たちはそこにいる―」「明日があるから喧嘩できる」をキャッチコピーに掲げた本作は、神戸の老舗旅館を舞台に、震災を背景とした人々の葛藤と希望を描く。演出は日本を代表する演出家・栗山民也、脚本は劇作家・ピンク地底人3号が手掛け、佐藤隆太をはじめ、川島海荷、尾上寛之、富田靖子ら実力派が集結した。
1995年生まれで"ひかる"を演じる牧島が、初めて震災を題材にした作品と向き合い、胸に去来した思いを語る。
――阪神・淡路大震災は牧島さんが生まれる前の出来事ですが、このテーマに向き合うにあたって、どんな思いを大事にされていますか?
「震災からまだ30年しか経っていないし、当時を乗り越えてきた方々が多くいらっしゃるので、この作品を通して、色んなことがフラッシュバックすることもあると思うんです。僕が生まれる前の出来事なので、想像で補っていく部分も多いですが、実際に経験された方の思いを汲めるよう努力をして、失礼がないように演じていきたいと思っています。調べれば調べるほど身近な出来事だと感じる部分もありますが、どこか遠いことのような気がしてしまうところもあったりしたので...。今回、『明日を落としても』に出演することで、初めて知ったことがたくさんあります。向き合う時間が出来て良かったです」
――役名がご自身と同じ"ひかる"というのも印象的です。同じ名前の役を演じることについて、特別な縁や面白さを感じることはありますか?
「同じ名前になったのは偶然らしいのですが、親近感はありますし、これもご縁だなって。描かれている年代も1995年で、僕が生まれた年だし、名前も"ひかる"。なんとなく自分に近い存在として感じる瞬間はあります」
――佐藤隆太さん演じる桐野雄介からボクシングを教わる"ひかる"という関係性になりますが、初共演となる佐藤さんとご一緒できることに、どのような期待や楽しみがありますか?
「(取材は8月下旬で、稽古前なので)以前、ご挨拶させていただいた時に、とてもフランクに話しかけてくださって、すごくあったかい人なんだろうなと思いました。『明日を落としても』でひかるが雄介に出会った時の感覚も、自分が佐藤さんにお会いした時の感覚に近いというか、同じようなことを思ったんじゃないかと思います。雄介とひかるも、最初は距離があっただろうけど、心の中で近いものを感じて、一緒にいてとても楽しかったんじゃないかな。佐藤さんからもそんな雰囲気を感じました」
――旅館を共に切り盛りする姪・遥を演じる川島海荷さんをはじめ、他の出演者の方々も舞台経験豊富な方ばかりです。特に共演を楽しみにしている方や、過去にご一緒されたことのある方はいらっしゃいますか?また、ベテランの俳優陣から学びたいと思っていることはありますか?
「川島さん、尾上さんは以前共演したことがあって、プライベートでも仲の良いお二人です。川島さんは、舞台「キングダム」でご一緒してから二年以上経ちますが、出演者の仲が良くて、割と頻繁に連絡を取り合ったり、飲みに行ったりしています。安心感があって、今回共演できて嬉しいです。尾上さんは、8月にやられていた舞台も見にいって、その後飲みに行きました。普段から仲良くしてくださっているので、心強いです。僕が演じるひかるは、富田さんが演じるひかるの母・真美に対して、甘えん坊なところがあって、佐藤さんの次に、富田さんと関わることが多いんです。(インタビューの段階では)まだお会いしていないので、ちょっと緊張しますね」

――演出の栗山民也さんとは初めてのタッグになると思います。どのようなイメージをお持ちですか?そしてご一緒できることを、どんなふうに楽しみにされていますか?
「ご一緒できるのがすごく楽しみです。栗山さんの演出の舞台に出られた俳優さんからは、稽古が短いという話を聞いているので、置いていかれないように頑張りたいです。最初は絶対緊張してしまうと思いますが、いまから楽しみです」
――作中には"ボクシング"の要素も登場します。役作りを進めるうえで挑戦してみたいことや、新しく取り入れてみたいことはありますか?
「稽古前からボクシングを習い始めました。劇中で、佐藤さんが演じる雄介と一緒にミット打ちをするシーンが出てくるのですが、ミットを持つ方も、気持ちよく打たせるためにちょっと迎えに行ったり、リズム感を作ったりするのが、難しいんですよね。難易度の高い技術だと思うので、一緒にやりたいですし、佐藤さんは指導する側だから、相当難しいですよね。僕も初心者なんで一緒に頑張れたらと思っています」
――舞台や映像など幅広く活動されていますが、本作のように"記憶"や"生きること"をテーマにした作品に出演することで、新たに感じることや、ご自身の原点を見つめ直すような部分もありそうですか?
「今回は特にそうかもしれないですね。台本を読んでいると、ひかるを通して自分のことを見ているような瞬間があるんです。17歳の自分はどうだっただろう、彼はどういう人生だったんだろうと想像もします。僕とひかるを重ねた時に、自分は本当に恵まれていると実感しますし、もっと頑張らないと、と思わされます。今回はそういう部分と向き合う時間が、多いような気がしますね」
――作品を通じて、観てくださる方にどのようなことが伝わったらうれしいですか?
「自分でも想像できない部分がたくさんありますが、『生きていくこと』を改めて考える作品だと思います。それは、ネガティブではなく、ポジティブな意味で。これからどうしていくか、自分がどう生きていくかを、僕はいま深く考えることができているような気がします。観に来てくださる方も、ポジティブな気持ちで、明日を迎えられたら、とてもこの作品をやる意味があるんじゃないかなって思います」
――今回の作品に込めた思いや、観客の皆さんに楽しみにしてほしいポイントを教えてください
「人生はいろんな選択の連続で、『あの時もっとこうしていれば、あんなことにはならなかった』と思うことや、選択によっては後悔することもある。人生はその連続で、僕も考えることがあります。でも、自分が選んだことを、良いことだと信じて乗り越えていかなきゃいけない瞬間もたくさんある。『明日を落としても』は、その手助けになるような作品だと僕は思います。そして、明日からの生きる活力になる作品になれば嬉しいです」
文=HOMINIS編集部
公演情報
明日を落としても
<兵庫公演>
公演日程:2025年10月11日(土)~10月16日(木)
劇場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<東京公演>
公演日程:2025年10月22日(水)~10月27日(月)
劇場:EX THEATER ROPPONGI
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