山田杏奈、5年ぶり共演の水上恒司は「エンターテイナー」ドラマ『シナントロープ』インタビュー
2025.10.6(月)

ドラマプレミア23「シナントロープ」が、10月6日(月)より、テレ東で放送がスタートする。
アニメ「オッドタクシー」で知られる此元和津也が原作・脚本を務める本作。街の小さなバーガーショップ「シナントロープ」で働く大学生・都成剣之介(水上恒司)は、バイトの同僚・水町ことみ(山田杏奈)に密かに想いを寄せていた。そんななか、強盗が店にやって来て...。
今回、ドラマの魅力を探るべく、水上恒司と山田杏奈に話を聞いた。ふたりの共通点は"したたか"!?
――これまで数々の名作を生み出してきた此元さん原作・脚本の本作。「シナントロープ」ならではの魅力を感じたのはどんなところでしょうか?
水上「台本の構成・からくりの話で言うと、たとえば、AさんとBさんが出ているシーン1の終わりと、CさんとDさんが出るシーン2の頭の台詞が(同じ言葉で)かかっていたり、意味がかかっていたりする。そこから物語は広がるんだけど、そうしたシャレを成立させるためだけに物語が構成されていない。それぞれのキャラクターがしっかり立つ要素があるのが魅力だと思います」
山田「『オッドタクシー』にハマって楽しく見ていたので、今回の脚本も勢いで読み進めてしまいました。『オッドタクシー』はアニメで『シナントロープ』はドラマですが、此元さんの作品って、それぞれにきっちり世界観があって、どの媒体でやるかによらないというか。私たちの役も言い方によってはひとつの駒であり、物語のために動いていく...というのが魅力的だなと思いました」
水上「杏奈ちゃんが言うように『我々は駒の一部だ』と、心の底から思える作品って、ちゃんとパワーを持っているし、そんな作品に携われて嬉しいです」
――演じる側の目線として、キャラクターを演じていて面白かったところを教えてください
水上「(監督の)山岸さんとも話しているんですけど、都成には主人公感がないんですよ。その主人公像を、新しくカテゴライズして、世の中に提示できたらいいなと思っています。都成は、とにかく無視されるし、なにか一人でブツブツ言ってる。でも、(現実世界でも)そうだと思うんです。皆さん自身が主役の舞台に対して、僕らは脇役として存在しているじゃないですか。僕は、それぞれが主人公の舞台が混ざり合っている魑魅魍魎...みたいなイメージでこの『シナントロープ』を捉えていて。それをちゃんと成立させて、リアリティある人生を演じられることがすごく楽しいですね。こんなに相手に台詞を投げかけなくていいのは初めてですよ。それを山岸さんが笑いながら『いいっすね!』と言ってくれるのは新鮮ですし、やったことがないからこそ不安な部分もあります。でもそれでも『OK』をもらえる現場なので、それを僕は楽しんでいます」
山田「みんなでやりとりするシーンが多く、各々キャラクターが立ってくる感じがシンプルに面白いです。ストーリーの都合として、説明台詞を言わなきゃいけないとか、大人数いるときによくある"この人とこの人の台詞って交換しても一緒だよね"みたいなことがない。それぞれに役割があって、その人はその人の台詞を話していて...というのは、役者としてとても楽しいです」
――今回演じられた役で、ご自身と似ている点、真逆だった点がありましたら教えてください

水上「人に対する踏み込み方・興味度、それぞれへの距離感みたいなものは似ているのかなと思います。そのときに選ぶカードは違うんですが、都成はバイト仲間とベタベタしないんです。でもちゃんと会話はするし、挨拶もするし、世間話もする。冗談も言う。"でも...友達?"というような関係性で、そこは似ていますね。似ていない点は"もっとはっきり喋れよ!"って」
山田「(笑)。私、似ている点あるかな?」
水上「俺、あると思う」
山田「本当ですか?」
水上「したたか」
山田「(笑)」
――自覚はありますか?
山田「したたかって決して悪いことではないと思うんですよ」
水上「全然悪くない。絶対必要」
山田「水町は、キャラクター紹介で"したたか"という意味を含めた『気が強い』という趣旨のことが書かれてあるのですが、そこは嫌いじゃないし、"むしろそういう人でいたいな"とも思うキャラクターです。彼女もいろいろな面がある人なので、"すべて私と同じです!"というわけではないんですが、集団の中にいるときの立ち位置は似ているなと思います。ただ、都成が不憫だなと思うくらい、都成へのあたりが強いです(笑)」
水上「バーガーショップのシーンでは話数関係なく撮影するので、水町に暴言を吐かれ、尻に敷かれ、ひたすら謝るシーンを立て続けに撮ることがありました」
山田「ありましたね(笑)」
――水上さんは山田さんのどんなときにしたたかさを感じるんですか?
水上「それで言うと、僕もしたたかです。したたかさは絶対に必要だと思うし、そのうえで大事な『健気さ』や『まっすぐさ』が杏奈ちゃんにはある。だからこそ『したたか』だと言えるんですよ。本当の意味での『したたかさ』しかなかったら、こんなこと言えないですから」

――(笑)。山田さんは水上さんと都成が似ていると思う点はございますか?
山田「都成って一途ですよね。勝手なイメージですが、水上さんも尊敬できる人や好きな人には、ちゃんと『好き』を伝えそうな印象があります」
水上「そうですね。ただ、冷めるときも一瞬です。一生一途、冷めるの一瞬」
山田「そんな感じする。好き好き...もう嫌い!みたいな(笑)。あと、地に足がついているし、都成と同じくエンターテイナーだなと思います。水上さんとは5年ぶりの共演ですが、エンタメをちゃんと展開できる人で、すごいなと思います」
水上「本当のエンターテイナーは、求められていることをやる人。俺はやりたいことをやっているだけだから、ただの子供だね」
――(笑)。会話劇ということですが、事前に読み合わせやリハーサルはあったのでしょうか?
水上「(バーガーショップで働く)8人が初めて一緒になって会話するシーンや、バーガーショップ内で撮影する3話目くらいまでのシーンではありましたね」
――そのときは、探りさぐり役を作っていくかたちなのでしょうか?
水上「僕とか坂東(龍汰/木場幹太役)さんは、最初からぶっ飛ばしていましたね。そこって、一番自由にできる場だとも思いますし」
山田「水町として、都成と木場が喋っている様子を見ていて、"これは大丈夫だ!"と思いました。私、ああいった場(リハーサルなどの場)で一言目とか、前日に眠れなくなっちゃうタイプです」
水上「そうなんだ!全然そう見えないな」
山田「緊張しないですか?」
水上「毎日緊張してる」
――(笑)。その時点で自分のなかでキャラクターはできていたんですか?
水上「他のメンバーは分からないですが、僕はできていましたね。僕の場合、"自分はこういう考えですよ"を提示しつつ、"これかな"というものを周りを見ながらチューニングしていく感じなんです」
――水上さんから見て、初日から山田さんが「水町になっているな!」という印象はありましたか?
水上「水町が二人の会話を聞いているシーンって、その場の"いかた"がすごく大事で、何も考えずいればいいってことでもないんです。そういう意味でいうと、杏奈ちゃんらしいというか...僕が初日で余裕がなかったのもあるんですけど...あの...あまり覚えてないです!」
山田「(笑)」
文・写真=浜瀬将樹
放送情報
ドラマプレミア23「シナントロープ」
放送日時:2025年10月6日(月)23:06~
チャンネル:テレ東系 ※Prime Videoにて見放題独占配信、TVerにてリアルタイム配信・見逃し配信
原作・脚本:此元和津也
監督:山岸聖太
出演:水上恒司、山田杏奈、坂東龍汰、影山優佳、望月歩、鳴海唯、萩原護、高橋侃ほか
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