芹香斗亜、桜木みなと、春乃さくららがその歴史と先人たちへのオマージュを捧げたレビュー「Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-」('24年宙組・東京特別公演・千秋楽)
2025.9.28(日)
昨年宙組にて上演された『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』がタカラヅカ・スカイ・ステージで放映中だ。たっぷり1時間半を使って全編ショー形式の舞台を見せる。懐かしの名曲が次から次へと登場して、めくるめく感動で心が忙しい。「タカラヅカ・レビューの見どころ全部盛り」のような作品である。以下、その視聴レポートをお届けしよう。
幕が上がるとそこには三色旗で覆われた大階段。センターにひとり、宙組前トップスター芹香斗亜が立っている。布がサッと引かれると、そこにはトリコロールカラー(青、白、赤)の衣装の男役たちが控えている。レビューといえばパリ、フランス。そのフランスをイメージした、斬新な幕開けである。
華やかなプロローグが終わると一転して黒燕尾の紳士たちによるシックな場面に。瑠風輝が銀橋で聴かせる「まことの愛」に続いて、桜木みなとが「夜霧のモンマルトル」を歌う。
第4章「Jungle」は、旅人(芹香)が歌う「夢人」に誘われるように始まる。そこに現れる妖しい蛇(鷹翔千空)。さらに、妖鳥(春乃さくら)が旅人を誘惑する。伝統的なタカラヅカ・レビューらしい場面が続く中で唯一、作・演出を担当する齋藤吉正自身の世界観を色濃く感じさせる場面が新鮮だ。
第5章「Carnaval」は思わず「待ってました!」と叫びたくなるリオのカーニバルの場面だ。芹香が聴かせる「シナーマン」のロングトーンで私のテンションは1度目のMAXへ。ラテンショーでお馴染みの名曲の熱いメドレーが続く。
そして第7章はこれまたタカラヅカのショーには欠かせないスパニッシュの場面。風色日向が銀橋で歌う「エル・アモール」から、マタドール(桜木)が猛牛と闘う緊迫のシーンとなる。若翔りつが「グラナダ」を歌う、その朗々とした声が耳に心地良い。
場面変わって芹香扮するダウンタウン・ボーイがコミカルな雰囲気でせり上がってくる。第8章「Metropolitan Fantasy」は摩天楼の街ニューヨークが舞台だ。夢を追う青年たちの場面から、彼らの「夢」であるブロードウェイの豪華なショータイムへ。「ゴールデン・デイズ」のアカペラの合唱で私のテンションは2度目のMAXに達した。
そして第9章「This is TAKARAZUKA!」。「ザ・レビュー」「アイ・ラブ・レビュー」と名曲が続き、背景に宝塚歌劇のこれまでの歩みが映し出される。様々な思い出がフラッシュバックして胸がいっぱいになる。
舞台上に再び大階段が登場し、芹香が一人、思いを込めて「愛の旅立ち」を歌い上げる。ここで私のテンションは3度目のMAXに。清々しい白燕尾の男役たちを率いた桜木による「セ・マニフィーク」、春乃と娘役たちによる「夢を売る妖精」と続いた後、再び芹香が登場し、「未来へ」で総踊りとなる。
芹香・春乃のトップコンビによる「世界に求む-王家に捧げる歌-」によるデュエットは、夢々しさの中にも厳粛な祈りを感じさせるものだった。
パレードでは「宙組といえば」の一曲「シトラスの風」に始まり、冷めやらぬ興奮の中「全編中詰め」のようなショーは幕が降りた。色々な意味で、ほんとうに特別な作品だった。タカラヅカには財産というべき名曲、名場面が何と豊かにあるのだろう。この財産がこれからも末長く受け継がれていきますように。そんなことも、ふと思ったのだった。
文=中本千晶
放送情報【スカパー!】
Le Grand Escalier-ル・グラン・エスカリエ-(’24年宙組・東京特別公演・千秋楽)
放送日時:9月29日(月)9:30~
放送チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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