池松壮亮と浜辺美波が戦いの中の熱と悲哀を秀逸な演技で魅せる!映画「シン・仮面ライダー」
2025.9.25(木)
1971年に第1作が放送されて以降、次々に新作が生み出され、時代を問わず多くの人々を夢中にさせてきた「仮面ライダー」シリーズ。令和になっても人気が衰えることはなく、子供はもちろん、かつて子供だった大人も一緒に楽しめるコンテンツとして愛され続け、2021年にはめでたく50周年を迎えた。
そんな国民的特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの生誕50周年企画作品の1つとして製作されたのが、2023年公開の「シン・仮面ライダー」だ。メガホンを取ったのは「シン・ゴジラ」(2016年公開)や「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(2021年公開)などを手掛けた庵野秀明で、初代・仮面ライダーをベースに、原作へのリスペクトを込めて作られている。
キャスティングも豪華で、主人公の本郷猛を池松壮亮、本郷のパートナー的存在・緑川ルリ子を浜辺美波が演じた。また、政府関係の人間として竹野内豊と斎藤工、秘密結社〈SHOCKER〉の構成員・ハチオーグ役として西野七瀬が出演するなど、著名な俳優陣が集結した。
■口数は少ないが繊細で熱のある演技で心の動きを伝える池松壮亮
物語は、猛とルリ子の逃走シーンから始まる。ルリ子が手引きし、囚われていた猛と共に研究施設を脱出したのだが、追手を巻こうとするも崖下に転落、ショッカーの手先・クモオーグにルリ子が捕まってしまう。しかし、仮面ライダーの姿の猛が現れ、戦闘員を蹴散らしルリ子を救い出す。
しかしその後猛は、普通ではない力を持ち、人を殺しても平気な自分に、震えるほどに戦慄する。やがてルリ子と、猛を改造したルリ子の父・緑川弘が現れ、猛は組織が開発したプロジェクトの最高傑作であることや、身体の仕組みを説明し、さらに組織を倒す計画に協力してほしいと語る。
基本的に猛は口数が多くなく、どこか朴訥(ぼくとつ)とした印象を受ける。ルリ子によれば、猛は頭脳明晰でスポーツ万能だが、コミュ障のため無職とのこと。序盤の猛は、恐らくはコミュニケーションが苦手という部分が色濃く出ているのだろう。
しかし、言葉は少なくとも、池松は繊細な演技で猛の心情を伝えてくれる。弘がマスクを取った時の、自分の身体の変化に怯えたような表情。ルリ子がマフラーを着けるために身体を寄せた時の戸惑うような視線などは、セリフがなくとも猛の感情が動いているのがよく分かるシーンだ。
■クールなルリ子が笑顔になるまでの変化を納得の演技で見せた浜辺美波
浜辺が演じるルリ子は、〈SHOCKER〉に属していたこともあって情報通で、世界観のガイド役となり、同時に猛を導く役目となる。クールで強気な性格で、「私は常に用意周到なの」が口癖だ。
猛に向かって「私は他人を信じない」と言った時の冷めた眼差(まなざ)しや、猛に「誰かを守って戦うとはそういうことでしょ」と言った時の真っすぐできつい視線などには、クールさと芯の強さがしっかり滲(にじ)み出ている。
そんなルリ子も戦いの中で変わっていき、やがて感情を表に出すようになる。かつて友人だったハチオーグが倒された時にすすり泣く姿、猛により掛かる姿。新しいアジトで猛と過ごしている時の、安心しきった柔らかな笑顔。ルリ子が心を開いていく様子が伝わってくるし、その変化を印象的に表現した浜辺の演技も秀逸だ。
本作で池松は他作品と合わせて第74回芸術選奨・映画部門の新人賞を、浜辺も第47回日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を受賞している。心のこもった池松と浜辺の演技によって、猛とルリ子の内面が感じ取れるし、だからこそ戦いの中の熱や悲哀が強く伝わってくる。それゆえに、本作は「仮面ライダー」シリーズの魅力が実感できる秀作となったといえるだろう。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
シン・仮面ライダー
放送日時:2025年10月12日(日)22:25~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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