永山瑛太の"胸の中に残り続ける"演技に惚れる...映画『宝島』で感じる圧倒的存在感
2025.9.19(金)

永山瑛太の演技に惚れたのは何度目だろう。
加害者の妹・双葉(満島ひかり)と出会う被害者の兄・洋貴を演じた「それでも、生きてゆく」(フジテレビ系/2011年)、堅物で強烈すぎる航空自衛隊の隊員・緒原紘一を演じた「リコカツ」(TBS/2021年)、掴みどころのない犬堂我路を演じた「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系/2022年)など、さまざまな出演作を観てきたが、またも永山に惚れる作品に出会った。
本日9月19日(金)に全国ロードショーされた映画『宝島』である。試写に参加し、また永山のトリコになってしまった。
本作の舞台は、1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から物資を奪い、住民に分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちのなかに、英雄的存在としてみんなを引っ張る存在がいた。永山演じるオンだ。

(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
ある日の襲撃の夜、予定外の戦果を手にしたオンは忽然と姿を消す。彼を慕う幼なじみで主人公のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、弟のレイ(窪田正孝)は、それぞれの想いを胸にオンを探しはじめる。襲撃の夜から数年後、グスクは刑事に、ヤマコは教師に、レイはヤクザになった。だが、3人の心にはいつもオンがいて、生きる目標となっていた。彼がどこで何をしているのか。そもそも生きているのか?
この作品を通して、わずかながら沖縄の歴史に触れることができた。私たちは、知らないことがあまりにも多すぎる。エンドロールが流れたときには、たくさん"考えること"が重要なのだと感じた。それと同時に、掴めそうでつかめない蜃気楼のようなオンをずっと感じていた191分だったと思った。
オンは、圧倒的なリーダーシップで仲間たちを牽引する青年である。その背中はあまりにも大きく、みんなが彼に憧れを抱いていた。どんなシーンが流れても、ふとしたときにオンの笑顔が、オンの後ろ姿が頭をよぎるーー。
同じ時代を共に生きてきた仲間たちや周囲の人たちのために、暗闇を走り続けるオン。そんな彼を感じていると、いつの間にか、闇を切り裂いて光に向かう彼に釘付けとなっていたのだ。永山でなければ、ここまでの存在感は感じられなかったのではないか。
彼が何を想い、なぜ失踪したのか、それは誰にも分からない。掴みそうでつかみきれず、風のように過ぎ去っていくオンの行方を、グスクたちはもちろん、観客たちも探し求めるだろう。そんな物語にはどんな結末が待っているのか。ぜひ、その目で確かめてほしい。

(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
文=浜瀬将樹
公開情報
映画『宝島』
大ヒット上映中
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
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