映画『宝島』で感じた広瀬すずの包容力"太陽の煌めき"で観客の心を照らす
2025.9.5(金)
映画「海街diary」(2015年)、映画「ちはやふる」(2016年)、映画「怒り」(2016年)、ドラマ「anone」(日本テレビ系/2018年)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019年)、ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系/2025年)...。
広瀬すずはいつだって「この作品に出会えて良かった」と感動をくれる。役を通して、心が燃えるような熱い気持ち、自分の人生にすら光が見える希望、胸をえぐるような痛みが伝わってくる。9月19日(金)に公開される妻夫木聡主演の映画『宝島』もそうだった。試写会で広瀬を見ていると、彼女の演技に引き込まれたのだ。
第160回直木三十五賞を受賞した真藤順丈の同名小説を実写化した本作は、1952年、沖縄が米軍統治下にあった時代を描く。
ある日、米軍基地から物資を奪い、住民らに分け与える「戦果アギヤー」のリーダー・オン(永山瑛太)が姿を消した。幼なじみのグスク(妻夫木)は刑事に、恋人のヤマコ(広瀬すず)は教師に、弟のレイ(窪田正孝)はヤクザへと、それぞれの道を歩みながらも、オンを探し続けていた3人。そんな中、アメリカに支配され、本土からも見放された状況下で、沖縄の人々はやり場のない怒りを募らせていく。
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
沖縄の知られざる歴史を含め、多くの学びがあった『宝島』。特に、沖縄で生きる登場人物たちの生きざまに感情が揺さぶられた。ただ幸せに暮らしたいだけなのに、それが許されない現実。怒りや苦しみが映像を通してひしひしと伝わってくる。
本作でヤマコを演じる広瀬は、大友啓史監督から「この作品では太陽でいてほしい」と伝えられたという。まさに彼女は『宝島』における"太陽"のような存在だった。もちろん、ヤマコも苦しみを抱き、感情を爆発させるシーンもあるのだが、グスクやレイが暗闇でもがく中でも、彼女の笑顔やまなざし、そしてブレない心に救われる瞬間が何度もあった。ただ笑っているだけではない。その笑顔に隠された想いが台詞や表情を通して伝わってくる。毎シーンがクライマックスのような本作において、ヤマコの存在が光り輝いていたのだ。
『宝島』を観て、広瀬すずの演技はつくづく人の心を動かすと再確認した。彼女が表現する喜怒哀楽を浴びると、ときには涙がこぼれ、ときには笑顔となり、ときには胸が締めつけられるーー。
10代で演技の世界に飛び込み、名作と呼ばれる物語のなかで人々の心を掴んできた広瀬。今回も、多くの人が、映画史に残るであろう『宝島』で、俳優・広瀬すずの"太陽のような煌めき"に心を奪われるに違いない。
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
文=浜瀬将樹
公開情報
映画『宝島』
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
公開表記:2025年9月19日(金)より全国公開
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
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