俳優歴50年を迎えたスーパースター、ジャッキー・チェンが見せる圧巻の演技、映画「ライド・オン」
2025.9.2(火)
俳優の中でもとびきりに売れたり、特別な名声を獲得した人物を人々はスターと呼ぶ。そんなスターたちの道スターダムに憧れて同じ世界を志す若者は少なくない。ただ、もう1つスターという言葉では足りずメガスターやスーパースターと評される俳優たちが存在する。彼らは映画という媒体に新たなムーブメントを巻き起こしたパイオニアだ。そして、その1人がジャッキー・チェンである。
(C)2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO.,LTD. BEIJING HAIRUN Pictures CO.,LTD.
彼の名前は彼のパフォーマンスと共に有名だ。危険を顧みずにスタントに挑む姿勢は数多の名作を生み出してきた。そんなジャッキーの初主演作から50年、彼の70歳を迎える節目の年に(日本で)公開された作品が「ライド・オン」だ。
ジャッキー演じるルオ・ジーロンはある事をきっかけに第一線を退いたスタントマン。歳をとった彼は愛馬のチートゥと共に借金返済の目途も立たない中、必死に暮らしていた。そんな折に、スタントマンとして馬と共に出演するオファーが舞い込む。二つ返事をしたルオだったが、同時期にチートゥが近い将来に借金とは別の債務問題で差し押さえられるという報が舞い込んだ。困ったルオはほぼ絶縁に近かった娘のシャオバオに助けを求め
る...。
■俳優ジャッキーチェンの真骨頂とその溢れる魅力
この話は父と娘、父と愛馬、そしてアクション。日本版ポスターに「アクションのち、涙」とあるがまさにだ。しかし、事をそう単純にしたくもないのが本作。というのもこの作品はジャッキーだからこそ光っている作品だからだ。
2025年8月9日にスイスで開催されたロカルノ国際映画祭でキャリア・レオパード賞を受賞したジャッキーはこう述べた。
「アクションもできる俳優として評価されたかった。今になってやっとジャッキーはいい俳優だと言われるようになった」
本作はその俳優の面を色濃く出している。情動が揺れ動くシーンが多い中、「父」としての顔「スタントマン」としての顔「師」としての顔、様々な関係性の中の顔を魅せるジャッキーの芝居は観ていて惹かれる。
(C)2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO.,LTD. BEIJING HAIRUN Pictures CO.,LTD.
特に個人的に印象的なのは小さなテレビで実際にジャッキーが若い頃、行ってきたスタントのビハインド映像をルオとシャオバオが観る場面。あのシーンは全く虚構さ(フィクション)を感じなかった。本物の映像を使っている、またジャッキーが体験してきたことということもあるが積み上げてきたものがジャッキーをジャッキーにさせているという事実がまざまざと象徴されているシーンでもあり、この作品は本当にジャッキーしか出来なかったなと感じるシーンでもあった。
また、中国・香港映画は比較的テンポが早い。邦画は比較的心理描写を丁寧に描くことが多いが中国・香港映画はその過程を時に飛ばすことがある。それはアクションのためにテンポ感を落とさないということもあり一概にどちらにも良し悪しをつけることは出来ない。ただ、本作では涙を流すシーンが多く、感情の助走がないように感じる場面もあるだろう。だがそんな中でも、ジャッキーのスタントマンとしてのプライドと家族への愛情を表現する芝居は芯に迫るものがあるのだ。自身に近いからということもあるかもしれないが、老獪な役者としてのジャッキーがよく観える一見する価値がある面白い作品だ。
最後に、アクションについても言わねばならない。勿論若い頃のような奇想天外な動きはしていないが70歳手前の俳優がこの動きをしているとは思えない、と感じるシーンばかりだ。何個かCGだなと思うシーンがあったのだが、EDにビハインド映像が出て来るのでチェックして見てほしい。是非、ご覧あれ。
文=田中諒
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