西島秀俊が、本能寺の変を起こした明智光秀の人物と心情を子細に体現!北野武監督作品・映画「首」
2025.8.23(土)
1582年、天下統一を目指していた織田信長が、重臣・明智光秀に襲撃され自害した歴史的事件、本能寺の変。なぜ光秀は信長を襲ったのか、黒幕がいたとしたら誰なのか?多くの謎に満ちたこの大事件を、北野武監督が独自の視点で描いた戦国時代劇スペクタクルが、2023年公開の映画「首」だ。
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2019年に自身が書いた同名小説が原作となっており、本作で北野監督は脚本、編集も手掛け、さらにビートたけし名義で羽柴秀吉役として主演も兼任している。脇を固める俳優陣も豪華絢爛、明智光秀役に西島秀俊、織田信長役に加瀬亮、また浅野忠信、岸部一徳、中村獅童、桐谷健太といった名優たちの競演も見どころだ。
ここでは光秀を演じた西島秀俊に注目したい。高い見識を持ち、真面目で堅物との歴史的評価を持つ光秀が、なぜ主君である信長に刃を向けたのか。その心情を北野監督がどう描き、西島はそれをどう表現したのだろうか。
■真面目で堅物な明智光秀を西島秀俊が繊細に表現

物語は天正7年、本能寺の変の3年前から始まる。織田家の重臣・荒木村重(遠藤憲一)が謀反を起こし、戦乱のさなかに逃走する。信長は家臣を集め、村重を捕らえるよう命を下す。
臣下たちが沈黙に沈む中、光秀は最初に口を開き、村重は自分が捕らえると信長に言う。その時の光秀からは、どことなく焦っているような様子が感じられる。さらに光秀が、捕らえた村重の家中の者の処遇を信長に尋ねると、皆殺しに決まっとるがや、と厳しい答えが返ってくる。
実は光秀は村重と親しい間柄にあった。故に光秀は、心の底では村重を心配し、家族も助けたかったのかもしれない。自分が村重を捕らえると言ったこと、またこのシーンで光秀が一番話していることから、そんな想いがじわじわと伝わってくる。
村重を説得しに行った時の回想シーンでは、光秀の想いや人物像がより強く伝わってくる。戦の報奨に不服があったという村重を落ち着いた声で諭し、「貴様に介錯されんなら嬉しいよ」との村重の言葉には、気持ちの整理がつかないのか、視線を泳がせる。堅物だが繊細な光秀という男の内面が、西島の演技によってしっかり伝わってくる。
■信長の跡目を狙う光秀の姿も的確に演じた西島秀俊

本作の物語における大きなポイントは、最初に開かれた重臣らとの会合で、自分の後継者を働き次第で決めると信長が言ったこと。そのため、秀吉や光秀ら重臣たちは跡目を意識し、手柄を挙げようとすると同時に、有力な重臣を陥れようと画策するようになる。
光秀もまた、自らの居城・亀山城に村重をかくまいながら、跡目を狙い行動する。家康を陥れるべく、村重が家康のもとに逃げたと信長に報告するのだ。
信長の型破りな言動に耐えながらも策を進める中で、光秀はさまざまな表情を見せる。信長が蘭丸と戯れている時のいたたまれない様子。村重が家康のいる駿府へ逃げたと伝える時の険しい表情。家康を殺れと信長に言われた時の、心の奥で何かが動いたような空気。そういった場面で光秀の中の想いや決意が伝わってくるのは、やはり西島の演技の力なのだろう。
しかし、ことは簡単には進まない。跡目に関する信長の真意や、秀吉の策謀、守りの固い家康など、さまざまな要素が絡み合い、いつしか光秀の狙いも変わってゆく。
本作のみどころは秀吉、光秀をはじめとする登場人物たちを特徴的に、かつ、時にコミカルに描き出しているところであり、それ故に重厚な群像劇となっている。物語の結末は史実の通りだが、そこにたどり着くまでの壮大かつ繊細なドラマは必見と言えるだろう。西島秀俊をはじめとする名優たちの熱演とともに、北野監督渾身のこの作品をぜひじっくりと楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
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