奈緒、"受刑者で美容師役"を担うなかでの想い「刑務所のイメージをアップデートするためにも...」
2025.8.15(金)

奈緒が主演を務めるWOWOW連続ドラマW-30「塀の中の美容室」が、8月22日(金)よりスタートする。
女子刑務所の中にある「あおぞら美容室」を舞台にした桜井美奈の同名小説を連続ドラマ化した本作。受刑者で美容師の小松原葉留(奈緒)が、さまざまな人との出会いを通して、自ら犯した罪やこれからの人生と向き合っていく。
今回、奈緒にインタビューを実施。奈緒は、「女子刑務所に実在する美容室」をモデルに描かれた本作とどう向き合ったのか。たっぷりと語ってくれた。
――原作をお読みになって、どんなところにこの物語の面白さを感じましたか?
「刑務所の中のお話ではあるのですが、そこに携わる塀の外の人たちのお話でもあった、というところが、原作を読んでとても惹かれたところでした。実際にこれを映像化するにあたって、きっとたくさんの方に、自分のお話としても見ていただけるんじゃないかと思っています。
最初はどうしても『この人は何をして刑務所に入ったんだろう』と、いろんな想像をするし、怖い想像もすると思います。でも私は、葉留の過去がだんだんと明かされていくに連れて『普通の女の子だったんだな』と感じました。
まだ私たちが罪を犯していないだけで、誰にでも葉留になる可能性がある。だからこそ、『自分たちに何ができるだろう』と考えたり、葉留やその家族の人生を考えたり、『もし自分がその美容室に行ったら、どんな話をするだろう』と考えたり、本当にいろんな人の立場から想像が広がる作品だと思います。原作を読んだ方や、このドラマをご覧いただいた視聴者の皆さんにも、誰の立場で何を想像したのか聞いてみたいと思う作品でした」
――撮影中に印象に残ったエピソードを教えてください。
「この作品に参加するまで知らなかったのですが、受刑者は誰かとすれ違うとき、壁の方を向いて待っていないといけないんです。作中では何の説明もしていないので少し違和感があると思いますが、受刑者の皆さんにとっては、それが日常。そうした一つひとつのルールに驚くことがたくさんありました。
鳥の鳴き声を聞いた葉留が、どんな鳥だったのか気にする描写があるのですが、実際に刑務所の中を歩いていると、いつでも自由に空を見上げるということもなかなか難しいと感じました。常に"怪しい行動をしていないです"ということも含めて、規律を守った行動を自分の体に染み込ませなきゃいけない。撮影を重ねて生活していくうちに『だから、葉留は空を見上げたかったんだ』と、台本を読んだときには分からなかったことが理解できる瞬間がありました」

――実際に原作のモデルとなった笠松刑務所へと足を運ばれたそうですね。その地に立ってみて、ご自身の演技や想いにどんな影響があったのでしょうか。
「原作を読んだときにも思ったのですが、刑務官の皆さんや所長のお人柄も含め、いろんなお話を聞き、目にするなかで、今の"リアル"をより広く知ってほしいと思いましたし、伝えなければならない意識が芽生えました。刑務所のイメージをアップデートするためにも、この作品は必要だと感じる1日でした」
――足を踏み入れるのといないのとでは、意識的なものも違いますか?
「全然違ったと思います。刑務官の皆さんにお話を聞いたら『自分たちが働いている刑務所の中と、外で皆さんが持つイメージに、少しギャップがあるように思う』とおっしゃっていて。本来であれば、取材もたくさんお受けしたいけど、受刑者の皆さんのプライバシーも大事だから、一人ひとりに確認を取るとなると、大変な作業になる...。そんなこともあって、大々的に刑務所の中を見てもらうことが、なかなか叶わない事情があるそうなんです。
だからこそ、(美容室にも)ひとりでも多くの人に足を運んでいただき、中を見ていただくことで、怖いイメージがなくなっていくといいな、と願いのようなお話も聞いたので、このドラマが、刑務官の皆さんの思いも叶えられるきっかけになれたらうれしいです」
――実在する刑務所の中でも撮影されたそうですね。どういった気持ちで撮影していたのでしょうか?
「撮影を待っている時間も空間に慣れようと、葉留の居室で待っていたのですが、葉留でいる時間と自分でいる時間とでは、居心地が違いました。葉留でいるときは、リラックスというよりも孤独を感じていたのですが、その部屋で(奈緒として出番を)待っていると、居心地の良さを感じて...。自分の持っている背景で、その場所の捉え方すら変わるんだな、と感じましたし、とても不思議な体験でした。あと、刑務官の皆さんがとても明るくて優しい方たちばかりだったので、お話をしているとすごく元気が出て、パワーをいただきました」
――美容師としても1か月間のトレーニング期間があったそうですが、いかがでしたか?
「美容師さんになる技術を取得するには、あまりにも短すぎる時間ではあるのですが、作品で言うと1ヶ月の練習期間をもらえるのは、とってもありがたいことなんです。そうしたことがなかなか叶わないことも多い中、『練習の回数を増やしていただきたいです』とお願いしたところ、その願いも叶えてくださいました。マネキンではなく、エキストラさんに募集をかけて、お客様の髪をカットする体験もさせていただけました。あの時間がなかったらできなかったシーンもあったと思います」
――ヘアアレンジの練習もされた、とお聞きしました。
「ヘアアレンジは、今後、お友達にやってあげられるものだったので、現実味のある練習でした。綺麗なロングヘアのエキストラの方に、編み込みの練習をさせていただく機会があって、その後にあったお子さんの学校行事に『このまま行きます』と言ってくださったんです。私にとっては大切なお客様だったので、"私のお客様がこのまま街を歩くんだ"と思うと、やはり、ピン1つつけるのにも少し力が入るというか(笑)。この経験がなかったら、その後のことまで想像できなかったし、そういう気持ちも味わえなかったと思います。美容師さんは、お客様が美容室を出たあとの生活のことまで考えているんだという気づきと学びをいただけたので、本当に感謝しています」

――美容室担当の刑務官・菅生冬子を演じる小林聡美さんとは共演シーンが多かったかと思います。俳優として対峙してみて、いかがでしたか?
「聡美さんの好きなところはたくさんあります。すごくチャーミングな方なので、どんな役を演じられても、聡美さんからにじみ出ているチャーミングさを感じるんです。聡美さんの包容力と優しさにもすごく憧れますし、お芝居の中で菅生さんと対峙している時に感じる安心感に、"聡美さんってやっぱりすごいな"と思う時が何度もありました。他の共演者の皆さんも、お話を聞いていると、実生活の中で小さな幸せや喜びを感じながら生活をされていることに気づきました。そうしたことを大切にしているからこそ、役にも生きるのだと学ばせていただきました」
■連続ドラマW-30「塀の中の美容室」連続ドラマ化記念ドキュメント(WOWOW公式YouTubeにて配信)
また、WOWOWオンデマンドでも無料配信(ログイン・登録も不要)!
https://wod.wowow.co.jp/content/195723
文・写真:浜瀬将樹
ヘアメイク=竹下あゆみ
スタイリスト= 岡本純子
放送情報
連続ドラマW-30「塀の中の美容室」
放送局:WOWOW
放送日:8月22日(金)スタート 毎週金曜午後11:00〜
出演:奈緒、夏帆、成海璃子、光石研、小林聡美ほか
-
奈緒、"受刑者で美容師役"を担うなかでの想い「刑務所のイメージをアップデートするためにも...」
提供元:HOMINIS8/15(金) -
王位防衛まであと1勝!王座戦の対戦相手も伊藤匠叡王に決定した藤井聡太の7月の対局を振り返る
提供元:HOMINIS8/13(水) -
日韓で活躍するシム・ウンギョン、日本アカデミー賞主要3冠(「新聞記者」)の快挙から5年...韓国の国民的MCも賛辞を惜しまない、そのバイタリティとは?
提供元:HOMINIS8/12(火) -
ジニョンが「僕ソナ」で見せた等身大の青春。TWICE・ダヒョンとの共演に「本当に格好良かった」
提供元:HOMINIS8/12(火) -
当時22歳の木村拓哉が唐沢寿明、反町隆史らと共に若きゼロ戦乗りを熱演!「君を忘れない」
提供元:HOMINIS8/11(月)