卒業間近!星組トップスター・礼真琴のこれまでを振り返る
2025.8.9(土)

星組トップスター・礼真琴がいよいよタカラヅカを卒業する。歌良し、ダンス良し、芝居良しの揺るぎない実力で「礼真琴であれば安心して人を誘える」、そんなふうに言われてきたスターである。
その存在を多くの人に知らしめたのは、入団2年目にして大抜擢された「ロミオとジュリエット」初演(2010年) の「愛」だろう。可憐でしなやかなダンスは観る者に鮮烈な印象を残した。
その後、娘役としての活躍も意外とある。「風と共に去りぬ」(2014年) のスカーレット、「ガイズ&ドールズ」(2015年) の アデレイドといった大役も演じている。男役としては小柄であり、少年役も多かった。将来を嘱望された男役スターとしては悩みも多かったかもしれないと思う。
「歌・ダンス・芝居の三拍子そろったスター」と言われ続けてきた礼にとっては「優等生からの脱却」も一つのテーマだった。二番手時代は、そんな礼が試行錯誤しながら一皮むけていく役どころが多かった。
「ANOTHER WORLD」(2018年) の徳三郎は粋な江戸っ子だが、肝心なところがちょっとヌケている可笑しさを見せた。「霧深きエルベのほとり」(2019年)のフロリアンは「現実にはいそうもない理想的な男性」だが、上流社会の価値観に彼なりの誠実さで向き合う、血の通った人物を創り上げてみせた。また、「GOD OF STARS -食聖-」 (2019年)では「中華料理学院を首席で卒業した」リー・ロンロンが、優等生ならではのコンプレックスを克服していく姿をさわやかに演じてみせた。
2019年、入団11年目にして星組トップスターに就任。難易度の高い楽曲でも安心して任せられるためか、「ロックオペラ モーツァルト」(2019年)や「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」(2023年)などの海外ミュージカル作品の主演が多かった。3度目の出演となった「ロミオとジュリエット」(2021年)では満を持してロミオ役に挑む。宝塚歌劇として2度目の上演となる「1789」(2023年)では、革命に向かう民衆たちを牽引するロナン役を力強く演じてみせた。
大ヒットしたインド映画を舞台化した「RRR×TAKA"R"AZUKA〜√Bheem〜」(2024年)ではビーム役としてナートゥを踊り、「コムラム・ビームよ(Komuram Bheemudo)」の歌声で客席を圧倒した。三谷幸喜の映画を舞台化した「記憶にございません!」(2024年)では、記憶をなくした「支持率最低」の総理・黒田啓介を飄々と演じ、円熟の男役ならではの抜け感を示した。
また、「柳生忍法帖」(2021年)や「ディミトリ〜曙光に散る、紫の花〜」(2022年)で演じた両作品の主人公たちは孤独を胸に秘めながら与えられた使命を全うしようとする、そのストイックな生き様がトップスター・礼真琴の姿に重なって見えた。
また、トップ時代のショーは「モアー・ダンディズム!」(2021年)のようなクラシカルなものから「JAGUAR BEAT-ジャガービート-」(2022年)、「VIOLETOPIA」(2024年)といった先鋭的なものまで振れ幅が広く、歌とダンスの実力を自在に発揮してみせた。その頂点といえるのが、宝塚歌劇としては3人目となる日本武道館でのコンサート「ANTHEM-アンセム-」(2025年)だろう。
そして退団公演は、劇団☆新感線と宝塚歌劇との初のコラボとなる「阿修羅城の瞳」である。男の色気を感じさせ、激しい殺陣も難なくこなす。男役・礼真琴の集大成とも言えそうな病葉出門(わくらばいづも)を見ていると、これまで歩んできた17年の道のりの重みを感じずにはいられない。
そんな礼のこれまでの軌跡をロングインタビューと舞台映像で振り返り。卒業を間近に控えた今の心境に迫るサヨナラ特別番組は必見だ。
文=中本千晶
放送情報【スカパー!】
礼真琴サヨナラ特別番組「All About REI Makoto ~きらめきの記憶~」
放送日時:2025年8月11日(月)00:00~
放送チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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