染谷将太と綾野剛の狂気をはらんだ演技合戦が壮絶!社会の底辺に生きる若者の反撃を描くロックムービー「ソレダケ/that's it」
2025.8.9(土)
NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で天才絵師・喜多川歌麿を演じている染谷将太。これまでにもさまざまな役どころを好演してきた染谷が2015年に主演を務め、社会の底辺に生きる若者たちを描いた刺激的なロックムービーが「ソレダケ/that's it」だ。
綾野剛が共演し、悪の権化のような役を演じたことでも話題になった同作のメガホンをとったのは石井岳龍。福岡県出身の石井は、かつて石井聰亙名義で「狂い咲きサンダーロード」、「爆裂都市 BURST CITY」など、九州のロックムーヴメントを背景にした映画を送り出し、音楽界にも衝撃を与えた監督だ。そんな石井が14年ぶりにロック映画に取り組んだ同作では、オルタナティブでノイジーなバンド「bloodthirsty butchers」の楽曲をバックに、社会の底辺に生きる若者の反撃が描かれている。
ひりひりとした緊迫感のある演技が素晴らしい染谷が演じているのは、父親から虐待され、戸籍まで奪われた青年・大黒砂真男。監禁されたことをきっかけに砂真男が知り合う風俗嬢・南無阿弥を水野絵梨奈が、闇組織のラスボス的存在・千手完を綾野が演じ、脇を固める悪役も渋川清彦、村上淳と演技派揃いだ。オープニングからドキドキさせられる同作で、金も家も何も持たず、父親への復讐を胸にワイルドサイドを生きる主人公を染谷が熱演している。
■染谷が演じるのは絶望の淵から這い上がってきたような青年
(C)2015 soredake film partners. All Rights Reserved.
モノクロームの映像で始まる本作は、冒頭から迫力たっぷり。コインロッカーから財布を取り出し、商店街を全速力で逃走する砂真男。セリフがなくとも、スピード感溢れる映像とカット割り、ラウドロックのビートが見事にシンクロしており、観る者の心も加速させていく。
追手である恵比寿大吉(渋川)を巻き、財布を開けると、中には札束の他に謎のハードディスクが。このハードディスクを手にしたことにより、砂真男は命を狙われることになるのだが、次第に増えていく不気味な追手の方を振り返る染谷の怪訝な表情と鋭い視線の長映しは「痺れる」の一言だ。大吉の要求に応じない砂真男は監禁され、ボコボコにされ、縛り付けられるが、同じ場所に居合わせた阿弥と脱走することに。砂真男の隠れ家である廃屋に逃げ込み、阿弥もハードディスクの存在と砂真男の生い立ちを知ることになる。危ない橋を渡ってでも戸籍を買って、新しい自分に生まれ変わりたいという砂真男を、無謀だと止める阿弥。どん底にいる2人が激しく言い争う場面での、染谷と水野の生命力がほとばしる芝居が圧巻だ。
■染谷と綾野の狂気をはらんだ演技が火花を散らす
追手から逃げきれず、再び監禁された2人の前についに姿を現すのが、闇組織の頂点に君臨する完だ。残忍な拷問を受けても口を割らない砂真男と、2人が悶え苦しむ姿を、薄笑いを浮かべながら見ている完。憎悪を燃やし千手を睨む砂真男を演じる染谷と、目の奥にゾッとするような快楽を浮かべる完に扮する綾野との演技バトルも壮絶なものとなっている。
そして、映像がモノクロームからカラーに変わる後半からは想像を超えるカオスな展開で、痛快なアクションが炸裂。本作がカルト映画として熱狂的に支持され、毎年のように復活上映されてきたことに思わず納得の、半端ない熱量のロックムービーとなっている。染谷の俳優としてのポテンシャルの高さが余すことなく引き出されている作品だ。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
ソレダケ/that's it
放送日時:2025年8月21日(木)3:40~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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