神尾楓珠の復讐に燃える目が印象的!ドラマ「はぐれ鴉」
2025.7.31(木)

憂いを感じさせる表情も魅力の神尾楓珠が時代劇ドラマに初挑戦、主演を務めたのが、TOSテレビ大分開局55周年記念として制作され、8月9日(土)に時代劇専門チャンネルで放送されるドラマ「はぐれ鴉」だ。近年神尾は、山田裕貴主演・バカリズム脚本の映画『ベートーヴェン捏造』への出演など、話題作への参加が続いている。

江戸時代の豊後国、現在の大分県竹田市を舞台に綴られた原作は、第25回大藪春彦賞を受賞した赤神諒の同名小説。監督を「鬼平犯科帳」、「大奥」シリーズなどの山下智彦が務めた。神尾が演じるのは江戸で剣の腕を磨き、復讐を果たすため14年ぶりに竹田藩に戻ってきた山川才次郎。才次郎の仇敵である叔父の現城代・玉田巧佐衛門を演じているのが椎名桔平。巧佐衛門の娘で"竹田小町"と呼ばれるヒロイン・英里を山本千尋が演じている。そして約2年半ぶりの時代劇出演となった高橋英樹が老公・仲川清勝を、庄屋の女主人・由美を財前直見が演じるなど、豪華キャストが出演している。
謎解きも醍醐味の本作は、山々が連なる雄大な自然や竹田市に伝わる伝説など、大分の歴史ロマンが詰め込まれた作品だ。神尾が演じているのは、竹田藩の城代一族郎党を含めた26人惨殺事件でひとりだけ生き残った少年、次郎丸のその後。叔父に親を目の前で殺された重い過去を背負って生きてきた陰のある主人公はハマり役だ。その複雑な心理を目線や台詞のトーンで表現した神尾の演技に焦点を当ててみたい。
■神尾の目力が孤独な剣士の胸の内を物語る

次郎丸は正体を隠すため山川才次郎と名前を変え、剣術指南役として竹田の地に足を踏み入れる。もちろん目的は仇討ち。そこで才次郎は叔父の巧佐衛門が周囲から"はぐれ鴉"というあだ名で呼ばれていることを耳にする。城主でありながら、みすぼらしい屋敷に住んで、山に入って泥にまみれる作業も自らしているという。才次郎に藩内を案内する若き藩士・小津主水(森田甘路)、才次郎の過去を知り、手を組まないかと持ちかける商人・篤丸(マギー)、竹田藩の徒目付・前浜太治郎(和田聰宏)。様々な人間が才次郎の周囲に出現し、14年前の事件の謎が深まる中、復讐のためだけに生きてきた青年を神尾は相手を射るような視線や意志だけを伝える短い台詞でクールに表現している。印象的なのは巧佐衛門を紹介された直後、初対面のように話す叔父への怒りや悲しみを制御できず、豪快に水しぶきを上げる滝に向かってひとり剣を振るうシーンだ。雄叫びを上げる神尾の気迫に満ちた顔は役者としての新たな一面を感じさせる。
■英里との禁断のロマンスと事件に隠されたミステリー

才次郎は英里と怪我を負った状態で手合わせをし、看病をされることになる。英里の気取りのない性格に、才次郎は初めて笑顔を見せるが、英里の父親は憎き相手、巧佐衛門。おそらく生まれて初めて恋をしたであろう才次郎の心は千々に乱れていく。燃え盛る復讐の念を持ちながら、幼い頃に巧佐衛門に遊んでもらった思い出にも引き裂かれる葛藤の剣士を演じた神尾。随所に散りばめられた伏線が最後に回収されていく歴史ミステリーは見応えたっぷりであり、椎名と神尾が対峙する緊迫感あふれる演技も本作の見せ場となっている。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
はぐれ鴉
放送日時:2025年8月9日(土)19:00~ほか
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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