浜辺美波のリアリティーを纏った演技が重要な役割を担う!偉人を演じた赤楚衛二、GACKTらの名演にも注目の「もしも徳川家康が総理大臣になったら」
2025.7.27(日)

主演から助演まで、さまざまな作品で多彩な顔を見せてくれる俳優・浜辺美波。昨年は、「第66回ブルーリボン賞 助演女優賞」「第47回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞」「第47回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞」「第32回橋田賞 新人賞」と数多くの賞を受賞するなど、役者として脂が乗ってきており、来年は大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合ほか)の出演も決まっていて目が離せない俳優の1人だ。そんな浜辺が持ち前の演技力で作品の重要な部分を担った作品が、2024年の映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」。
同作品は、眞邊明人のビジネス小説を武内英樹監督が映画化したもので、コロナ禍という未曽有の危機下で過去の偉人たちが復活し、日本の政治を動かしていくというSFコメディ。
コロナ禍の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死。かつてない危機に直面した政府は最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活させて最強の内閣をつくることに。江戸幕府を作った伝説の男・徳川家康(野村萬斎)を総理大臣に据え、織田信長(GACKT)や豊臣秀吉(竹中直人)といった偉人たちが集結した夢のような内閣が誕生する。その圧倒的なカリスマ性と実行力に日本中が熱狂する中、アナウンサー志望の新人テレビ局員・西村理沙(浜辺)はスクープを狙い、政府のスポークスマンを務める坂本龍馬(赤楚衛二)に接近する。
■浜辺美波の演技が作品の中で果たす重要な役割

(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
歴史上の偉人たちが現代の政治を行うという突飛な設定だけ見れば、フィクション色強めの"色物"作品かと思うかもしれない。しかし、龍馬の信念のもとに突き進む真っ直ぐさや信長の卓越したリーダシップ、家康の国の安寧を祈る心など、偉人たちの姿勢や生きざま、人となり、金言などが詰め込まれており、エンターテインメント性と強いメッセージ性のある見応えのある良作となっている。
中でも、野村、竹中、赤楚、GACKT、高嶋政宏(※「高」は正しくは「はしご高」)、江口のりこ、小手伸也、池田鉄洋、長井短、観月ありさ、音尾琢真、山本耕史といった偉人たちを演じる豪華過ぎる実力派キャスト陣の演技が秀逸。コミカルさがありながらも、我々が持っているそれぞれの偉人たちの性格や特徴のイメージを加味しつつ、(物語上は3Dホログラムという設定だが)しっかりと"幻"ではなく"人"として役を作り上げており、発せられる言動に血が通っている。人気アニメの実写化などでは「2Dのキャラクターを、どう3D化するのか」というのは役者にとって一番の課題であるし、腕の見せどころでもあるが、同作ではより情報が少ない「偉人の3D化」を見事に成し遂げているのはさすがだ。
そんなキャラクターの濃い偉人たちに対し、主演の浜辺は現代人の役で、いわば視聴者の代表という役どころ。初めは偉人たちの乱暴な振る舞いや暴論に振り回されるも、実は真理を突いていることに気付いて傾向したり、偉人故の危うさに気付いていったりと、作品におけるストーリーテラーの役割を担っている。
そんな中で素晴らしいのは、浜辺のリアリティーを纏った演技がコミカルとシリアスの橋渡しをしているところだ。実力派俳優たちがいかに血の通ったセリフで言葉に説得力を持たせても、「コメディ映画を見ている」という意識下の視聴者にはなかなか真剣に受け取ってもらいづらいところがある。しかし、視聴者の代表である理沙を演じる浜辺のリアリティー溢れる"受け"の芝居によって「メッセージのシリアス化」が成されており、理沙が偉人たちの行動や言葉に心を掴まれていくからこそ、視聴者にも刺さっていくという効果をもたらしている。
ユニークな発想の世界観と濃いキャラクターを演じ上げる実力派俳優たちの演技力に目を奪われがちだが、作品として最も重要な部分を支える浜辺の演技にも注目してみてほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
もしも徳川家康が総理大臣になったら
放送日時:2025年8月16日(土)10:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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