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「あんぱん」主題歌も話題! RADWIMPS・野田洋次郎が「舟を編む」で体現する言葉を伝えることへの思い

2025.7.22(火)

「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」

連続テレビ小説「あんぱん」の主題歌として書き下ろされ、斬新なOP映像も話題となった1年9ヶ月ぶりの新曲「賜物」をはじめ、10月のアルバムリリースや20周年記念ツアーと精力的な活動が続くRADWIMPS。

"挑戦と冒険をすること"を主眼に「賜物」を手掛けたボーカルの野田洋次郎は、自身も多岐にわたるチャレンジを続けており、俳優活動もその一つ。NHKで放送中の「舟を編む 〜私、辞書つくります」では4年ぶりの俳優業に挑んだ。

池田エライザ、野田洋次郎の共演で三浦しをんの小説をドラマ化した「舟を編む 〜私、辞書つくります」
池田エライザ、野田洋次郎の共演で三浦しをんの小説をドラマ化した「舟を編む 〜私、辞書つくります」

本作は、松田龍平主演で映画化、さらにアニメ化もされた、三浦しをんの小説「舟を編む」を出版から13年越しにドラマ化。2024年2月から4月にかけてNHK BSプレミアムドラマとして放送されると、"言葉の力"を真摯に描いた作品としてギャラクシー賞で選奨を受賞。今年6月からNHKドラマ10枠で放送され、改めて注目を集めている。

辞書編集部を舞台に、新たな辞書「大渡海」の編纂に携わる人々を題材とした「舟を編む」。原作や映画版では鋭い言語センスを買われて、玄武書房の辞書編集部に配属された生真面目な社員・馬締光也を軸に、知られざる仕事ぶりやヒロインとの恋が描かれた。

「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」

今回のドラマではその馬締を辞書編集部の主任へとシフトし、人気ファッション誌の廃刊に伴い、辞書編集部へと異動となった岸辺みどりに主人公をチェンジ。

辞書に乗せる言葉を集める用例採集や校正、校閲といった気の遠くなる辞書作りの仕事ぶりや、クセのある人々による人間ドラマに加え、辞書の魅力にのめり込んでいく新入り社員の視点通じ、言葉と向き合うことの大切さが真摯に綴られている。

「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」

この主人公の岸辺みどりを演じるのは池田エライザ。読者モデル出身の畑違いだった女性が「なんて」という言葉をきっかけに沼深き世界にハマり、言葉を通じて自分の感情と向き合う様子を、笑顔から涙まで表情豊かに表現する。

また、典型的例を掲載する辞書に対し、岸辺は素直で柔軟、そして思いやりに満ちた感性で疑問を投げかける。例えば「恋愛」という言葉の語釈は"異性同士"と限定してよいのか、誰も傷つけない辞書作りのため、新たな語釈を絞り出そうとするなど、2017年に設定された物語に、令和ならではの視点、魅力を与えている。

「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」

そんな岸辺と向き合う生真面目な上司・馬締を野田が演じ、新たに配属してきた岸辺に対して早口で辞書愛を語ったり、ぼーっとした表情を浮かべて言葉の世界に耽溺したりと、言語オタクな一面を口調やさりげない表情でキャッチーかつコミカルに表現。

「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」

言葉を真に受けてしまうため人間付き合いは不得意だが、悩める岸辺に「うまくなくていいです。それでも言葉にしてください」と声をかける誠実な人間像を、野田はまっすぐな眼差しで体現。ミュージシャンとして言葉と向き合う野田の姿勢が馬締というキャラクターにも自ずと投影されているように感じられる。

物語も後半戦へと突入していく中、辞書を軽視する革新派な新社長やデジタル化という紙の時代に対する逆風、辞書編集部のアドバイザーである松本先生(柴田恭兵)の病など、辞書編集部は様々な試練に見舞われることになる。

「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」
「舟を編む 〜私、辞書つくります」

過激な言葉が多く飛び交い、その価値が軽視されがちな現代だからこそ、時代の波にも負けずに言葉の海原を渡る「大渡海」という舟を編む人々の挑戦を見届けたい。

文=HOMINIS編集部

放送情報

ドラマ10「舟を編む 〜私、辞書つくります」
毎週(火)22時〜NHK総合にて放送中