奈緒&ウエンツ瑛士が、お互いに「ベストオブナチュラル」を贈り合う!? 舞台「WAR BRIDE」インタビュー
2025.7.17(木)

奈緒とウエンツ瑛士が出演する舞台「WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」が、8月5日(火)〜27日(水)によみうり大手町ホールで、9月6日(土)、7日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで、9月13日(土)、14日(日)に久留米シティプラザ ザ・グランドホールで上演される。
2022年にTBSで放映されたドキュメンタリー番組を原案とした本作。1951年、20歳のときに米軍の兵士・フランクと結婚して海を渡った桂子は「戦争花嫁」(第二次世界大戦後、日本に駐留していた兵士と結婚し、海を渡った日本人女性のこと)と呼ばれたーー。
アメリカ兵と歩いているだけで娼婦と誤解されていた時代に、なぜ桂子は敵軍だった軍人と結婚したのか。アメリカで人種差別を受けた彼女はどう乗り越えたのか。日米の架け橋となった桂子の人生と真実の愛を描く。
今回、舞台稽古に入る前の奈緒(桂子役)と、ウエンツ瑛士(フランク役)に話を聞くことができた。
――おふたりは「戦争花嫁(WAR BRIDE)」という言葉をご存じでしたか?この言葉からどんな印象を受けたか教えてください
奈緒「私は今回初めて知りました。最初に『戦争花嫁』という言葉を聞いたとき、すごく衝撃を受けましたし、この言葉が生まれた背景に、どんな思いがあったのか、すごく気になりました。
言葉は人が作るものなので、そこには必ずしもポジティブな思いだけじゃなく、ネガティブな思いもある。当時は差別的な意味合いを持って、その言葉を投げかけられた方もいらっしゃったと思うんですよね。ただ、そうしたネガティブな時代背景がありながらも、桂子さんを含め、この言葉の意味を変えた人たちがいらっしゃる。皆さんが変えてきたその言葉の意味を、私たちがそのまま伝えられるように...。舞台で『希望ある言葉』としてお届けしたいと思っています」
ウエンツ「僕も知らなかったです。今はそういった呼び方はしていないかもしれませんが、いわゆる『戦争花嫁』と呼ばれる方は、現在も世界中にいらっしゃると思うんです。戦争と結びつけてしまうと、どうしても"悲しいこと"に感じてしまうし、『なくすべき言葉』として使わないようにしていたと思うので、『なくなっていくべき言葉』として扱う方向性もありだと思います。ただ、この言葉が放たれたときに、笑顔で語れたり、幸せな言葉として使ったりすることも、いずれできるかもしれないな、とも思っています」
――今年1月、奈緒さんは渡米し、桂子さんご本人と対面されたそうですね。その経験を経て感じた桂子さんの魅力を教えてください
奈緒「桂子さんは、とても愛が深い方です。桂子さんと街を歩いていたとき、たまたま知り合いの方とお会いしたのですが、お互い"数年ぶりに会ったのかしら"と思うくらいすごく喜んでいらっしゃって...。そこで、桂子さんがその方とのことを話してくださったり、お会いした方が桂子さんへの思いを語ってくださったり、相思相愛だったんです。いろんな方の愛が桂子さんの周りに溢れていて、改めて"海を渡って、自分の居場所を自分で築かれたんだ"って気づかされましたし、"愛ってひとりで育てていくものではない"とも感じました。その愛の深さで自分の居場所を作ったところが、桂子さんの魅力的なところだと思います」

――ウエンツさんはフランクさんについて、どんな印象を持ち、どのように演じたいと思われましたか?
ウエンツ「奈緒さんから桂子さんのお話をたくさん伺ったのですが、桂子さんの前向きなところ、表現豊かなところは、フランクさんよりもアメリカ人っぽさがあるのかなと思いました。『フランクは内気だった』という話もあったのですが、そんな桂子さんと一緒にいて、(フランクさんも)いろんなことが開花していったんじゃないかな、という気もしています。
フランクさんを映像で見ていると、桂子さんに委ねていることが多かったのですが、それでも、完全に委ねるわけではなく、フランクさんが引っ張ってきた部分もあると思うので、そのあたりも意識してやっていきたいです。また、アメリカで、様々なことを乗り越えていく桂子さんの姿を見て、フランクさん自身もたくさん勇気をもらったと思いますし、夫婦としてもより強い絆で結ばれていく瞬間もたくさんあったと思うので、稽古中にそれを見つけていきたいです」

――奈緒さん自身はフランクさんにどんな印象を持たれましたか?
奈緒「桂子さんをたくさん笑わせていた方だったんだろうな、と思います。桂子さんご自身が、今でも思い出し笑いをしながら『フランクがふざけて、よく自分を笑わせてくれた』とお話をされるんです...とても素敵だなと思いましたね。
あと、『フランクは本当に寂しがり屋だった』ともおっしゃっていました。桂子さんが日本に短期間帰ったとき、アメリカに残るのが寂しすぎて『次からは絶対についていく』と言っていて大変だった、とおっしゃっていたんです(笑)。フランクさんのお墓参りも一緒に行ったんですけど、『お墓参りに毎日来られないから、1人にしてしまったね。あなた寂しいでしょ。ごめんなさいね』と話しかけていらっしゃって、まるでその場にフランクさんがいて『寂しかったよ』と言っているような気がしました。それだけ、フランクさんにとっては『桂子さんのそばにいること』が大切だったんだな、と思いました」

――本作は、映像とはまた違う舞台での上演です。舞台については、どんな魅力を感じておられますか?
奈緒「今作で7回目の舞台になるのですが、やはり、同じ台詞を言っても、その日に起こることが毎日違うんです。これは、今までやった舞台で出会った素晴らしい演出家の皆さんから学んだことですが、なるべく、今までの作品のなかでも出したことのない声や、みんなが知らない音を届けたいし、それを稽古場で探せるといいな、と思いながら毎回稽古をしています。
その聞いたことのない声、見たことのない人の迷い、戸惑い、揺れを実際に見られるのは舞台しかないので、今回の作品が舞台化できることは、とても幸せなことだと思っています。
当時の時代の揺れも含め、長い時間を描くことになるので、映像で編集をし、道を整理して見ていただくよりも、自由に受け取っていただける道が(舞台だと)広くなるな、と思います。日々違う『WAR BRIDE』を受け取っていただけたら嬉しいです」
ウエンツ「まずは『空気感』ですね。たまにあるじゃないですか。部屋に入ったときに"あれ?この2人、さっきまで喧嘩してた?"とか"あれ?この2人、もしかして付き合ってる?"みたいな...(笑)。あれって誰も喋っていないのに、みんなが感じとれるものですし、そうした空気は、舞台上で作れるものだとも思っています。
あとは『その日のお客様との対話』ですね。物語を演じていながらも、お客様との対話は必ず存在しますし、そこで会話ができるのが舞台の素敵なところだと思っています。嫌な言い方かもしれないですが、お金をいただいて観に来ていただくので、そこにちゃんと自分たちが価値を見出す。"来てよかったな"と思ってもらえるよう務める『責任』の部分も映像とは違うところかなと思います」

――お会いする前のお互いの印象と、お会いしてからの印象を教えてください。
奈緒「誰かとお会いする前は、いつもお会いしてからがスタートだと思っていて。"テレビで見ている印象は、あくまでテレビで見ている印象だ"って自分のなかでは思っているのですが...(ウエンツさんは)一緒なんですよね〜。本当にずっと自然なんですよ。ずっとナチュラルだし、いままで出会ったなかでも『ベストオブナチュラル』だなって(笑)」
ウエンツ「ありがとう。『ベストオブナチュラル』いただいた!」
――(笑)
奈緒「年の差も少しありますし、もちろん大先輩なのに、私にも気を遣わせない佇まいでいてくださるんです。それが1対1じゃなくても、どんな場面でもそういう空気を作ってくださるので、安心して湯に浸かったような気でいます」
ウエンツ「...俺、お湯(笑)?全部を知っているわけではないですけど、僕もイメージは変わらないですね。天真爛漫で明るいけど、仕事に対してはプロフェッショナルな面がある、というのは、画面を通してもすごく伝わってきます。厳しくないとそうはなれないでしょうから『厳しさがしっかりある温かい人』なんだなって思います。お言葉を返すようですけど、僕も『ベストオブナチュラル』を差し上げます」
奈緒「いただきます(笑)」

文・写真=浜瀬将樹
公演情報
舞台『WAR BRIDE-アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』
出演:奈緒、ウエンツ瑛士
高野洸、川島鈴遥、渡邉蒼、福山絢水、牧田哲也、岡本篤、占部房子
山口馬木也
脚本:古川健(劇団チョコレートケーキ)
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
【公演】
よみうり大手町ホール
8月5日(火)〜27日(水)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
9月6日(土)、7日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール
9月13日(土)、14日(日)
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