映画「生きがい IKIGAI」主演・鹿賀丈史と監督・宮本亞門が撮影現場で触れた能登の人々の温かさ
2025.7.10(木)

宮本亞門30年ぶりの監督作、ショートフィルム「生きがい IKIGAI」が、石川先行公開中、7月11日から全国公開される。
能登半島での災害を題材に描く本作は、宮本の『被災地の現状を伝えたい』という思いに賛同したスタッフ・キャストが集結して作られた。被災し心を閉ざした男、山本信三が、再び生きる希望を持つまでを描く。
今回は監督の宮本亞門と、主人公の山本信三を演じる鹿賀丈史にインタビューを実施。実際に被災地で撮影するにあたってのエピソードや、映画に込めた思いを語ってもらった。
――監督から、本作を制作するに至った経緯を改めてお聞かせください
宮本「石川県には何回か行ったことがあって、元旦の震災があった後どうしてもボランティアに行きたくなり、8月ごろに行きました。その時に『ボランティアをやらなくていいから、ここの現状を伝えてほしい』と言われたのですが、『すみません、報道の者ではないのでできません』と言ったことから、ずっと心残りで。この現状を伝えることができないかと思って、思い切って関係者の方に電話をしたら、やろうと力強くオファーを受けていただいたので、台本を書きました」
――制作が決まった時のお気持ちはいかがでしたか
宮本「正直に言うと、被災地で撮影することが地元の方に失礼になって、批判を浴びるのではないかという恐怖感を持っている方が多くて、僕も心配でした。だから制作が決まって嬉しいというよりは、絶対失礼がないように、とにかく心して取り組もう、と思っていました。地元の方からは『むしろ広めてくれて嬉しい』という声しか聞かなかったので、今回石川から先行公開されることがすごく楽しみです」

――鹿賀さんにお聞きします。本作に出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください
鹿賀「震災があってから、郷土石川のために何かできないかと思っていた時に、宮本さんから電話でこの映画のお話をいただきました。内容を聞くのもそこそこに、すぐにやりますとお返事をしました」
――撮影中、どんなことを意識されていましたか?特にこだわったシーンがあれば教えてください
宮本「全編こだわるといいますか、鹿賀さん演じる山本信三がどうやって生きて、どうやって再生していくのかのプロセスを大事にしています。それと、小林虎之介さんが演じたボランティアの青年と山本信三との、孤独なもの同士の心の通い合いは、信三の生きがいになったのではないかと思います」
鹿賀「『みんなが良い人だったね』というような綺麗なまとめ方はしたくないと気を遣いました。例えば、根岸季衣さん演じるボランティアセンターの上田が一生懸命に声をかけても、信三は自分の目的にいっぱいいっぱいになっているから、ケンカになるというのも、生々しいですよね。最初はみんながいい人風に、優しそうに演じていたのですが全然違うんです。震災では、違う立場・状況の人が入り交じると話をして進めていったのが印象的ですね」

――今回は監督の意思に共感した方が集まった現場で、信三の妻・美智子を演じる常盤貴子さんからも『すごく温かくて愛に溢れた撮影現場だった』というコメントをいただいています。改めて、撮影現場がどのような雰囲気だったのか、印象的なエピソードがあれば教えてください
宮本「僕たちが温かいというよりも、地元の方々がこの映画を支持してくれて、頑張ってと言ってくれたので、僕たちが救われていました。ちゃんと作って彼らに届けなければという思いが、いつの間にか生まれていました」
鹿賀「地元の方々の温かい気持ちが、この映画を作る基盤になっています。余計な芝居はせず、災害に遭って死にたがっていた男が、生きがいを感じていくところに重点を置いて演じました。地元の方やボランティアの方の協力は、やっぱり一番うれしかったです」

――改めてこの作品を通して伝えたいメッセージや、この作品を見る方に何か一言いただければと思います
鹿賀「実際に被害に遭った現場の前で撮影をしていて、被災地の惨状はニュースで見てはいたのですが、画面で見るのと、現実にその家の前に立つのとは全く違っていて。『すごいことが起きていたんだな』という思いを強くしました。それと、能登の天気は晴れたり曇ったり、刻々と変わるんです。我々はオールロケだったのですが、幸いにも雨に降られることは1回もなく、協力してくれた方々の心の表れかなと思って、感謝しています」
宮本「命ある限り諦めないでほしいというのが、僕の切なる思いです。年齢を重ねた方も、もちろん若い方も、震災があろうと、何があろうと、どんなに小さくてもいいので希望を持っていただきたいなと思います」

文=HOMINIS編集部
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