上川隆也「役で悩んだことがなく、どんな役も演じるのが楽しい」というスタンスを貫き、無表情の主人公に挑んだリーガルミステリー「能面検事」
2025.7.7(月)

上川隆也が冷静沈着で無表情という異色の主人公を演じ、巨大権力にも一切忖度せずに事件の真相を暴いていく「能面検事」(テレ東系)が2025年7月11日(金)からスタートする。原作は「どんでん返しの帝王」の異名を持つベストセラー作家・中山七里による骨太で痛快なリーガルミステリーだ。
上川が演じる、大阪地検きってのエース検察官で感情を一切表情に出さない不破俊太郎が、日本の根深い社会問題と密接に絡む事件を扱いながら、警察組織の隠蔽体質や検察組織の官僚体質を暴いていく。
今回は上川隆也にインタビューを敢行。これまでさまざまな個性的なキャラクターを演じてきた彼に、作品に対する向き合い方や「能面検事」の魅力などを語ってもらった。

(C)「能面検事」製作委員会
――中山七里さんの原作ドラマは過去に出演経験がありますが、今作の原作を読んだ感想を教えてください
「本作だけではなく中山先生の作品はとにかくストーリーテリングが魅力的で、最後まで手を止めることなく読んでしまう力強さがあります。今回もその傾向に違わず、手が止められないまま読み進めました。先が読めず、展開ごとにクリフハンガー(続きが気になる終わり方)が用意されていて『どんでん返しの帝王』という異名に納得させられる内容でした。同時にこのように自分が魅せられた作品を演じられる喜びを強く感じました。先生の作品が持っている妙味を、映像の力を加味することでより分かりやすく伝えることができればと思っています」
――今回演じる不破俊太郎はとにかく冷静沈着で、検察官という職務を全うする人物ですが、演じてみてどんな印象でしょうか?
「これまで演じてきた中山先生作品の中でも相当個性的なキャラクターなので、体現する面白味を感じています。あまりネタバレはしたくないのですが、原作を読んで感じた『能面』という言葉をどこまで咀嚼できるのか...。そこが今回演じる上での面白味にもなっています。『能面』で無表情ではありますが、彼自身、感情が何もない人間かと言われれば決してそんなことはありませんから、いろいろ楽しみながら演じています」
――「能面」と聞いてどのようなことを想像しましたか?
「演者が面をつけることによって性別や年齢も超えて、さらに無表情であるからこそ無限の表情を表現できる『能』という舞台芸術の持つ豊かさ。そして、表情に一切の感情を表さない不破に対しても、表現の多様性や制限のなさは同じだと感じました。彼を『表情のない男』という一文に押し込めてしまうのではなく、彼も生身の人間であり、そこには何かしらの思いがあって事件や人々と相対しているということを、演じる上で持ち続けたいと思っています」
――実際にお芝居をして、原作や台本を読んで感じた不破とはまた違った魅力が生まれていますか?
「ご一緒する役者さんたちと一緒に作っている部分は大きいと思います。初めて面と向かうと皆さん面白がって下さり、ワンシーンが終わると『不破ってこういうキャラクターで来るんですね』とこぼされる方も多い。それを感じ取れるのが現場の醍醐味でもあり、僕も影響を受けています」

(C)「能面検事」製作委員会
――吉谷彩子さん演じる新人検察官・惣領美晴とバディになって事件の真相を暴いていきますが、撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?
「新人事務官の惣領を演じる吉谷さんはとても懐が深い役者さんですので、本当にいろんなことを試しています。テストと本番で微妙に違うことをやるなど、試行錯誤を重ねて作品を作っているのですが、それをきちんと受け止め、跳ね返してくださるので実に楽しいです」
――大阪地検総務課課長を観月ありささん、総務課事務官を大西流星さん、大阪地検次席検事を寺脇康文さんが演じられます。主人公を取り巻く大阪地検のメンバーのみなさんの印象はいかがでしょうか?
「大西さんは、今回初めてご一緒させていただくのですが、とにかく周りに目が配れる方です。芝居を楽しんでくださっているのが垣間見られます。現場は闊達で笑いが絶えません。舞台が大阪ということもあり、観月さんが関西弁に挑まれている姿が新鮮だったり、逆に大阪出身の寺脇さんが水を得た魚のように、ちょっとしたニュアンスの関西弁をより自然な言葉に変化・還元しながらキャラクターに上乗せしていたりと、どのシーンにも演じ甲斐と愉悦があります。『能面検事』というタイトルから受け止められがちな印象は現場には全くありません」
――上川さんはこれまで個性的なキャラクターなどさまざまの役を演じられていますが『この役をやりたい』などご自身からのリクエストなどはあったりするのでしょうか?
「これまで『自分がこの役をやりたい』と自ら働きかけたことはありません。常に作品と僕とのベクトルは、作品を企画された方から僕に対してお声がけをいただき、それが作品になっていく、この一方向だけです。それはこれからもきっと変わらないと思うのですが、だからこそ、何を僕にやらせたいのか、どんな役の僕を見たいのかという思いに動かされています。今回のように演じたことのない役柄をいただいても、楽しみながら取り組むことができます。役で悩んだこともほぼありません。どんな役も演じるのは楽しい作業です」
――それでは、演じる上で大切にしていることを教えてください
「いかなる作品でもご覧になる方に楽しんでいただきたいという思いがあります。見て楽しかった、接して面白かったと思っていただけるようなものをお届けしたい。今回で言うと、中山先生が創出されたこの物語をドラマとして楽しんでいただけるか。その一つの要素として、不破俊太郎という今までにないキャラクターをどのように演じていくか。それらを踏まえ、役者としてきちんと作品のパーツになれたらと思います。その上でお芝居の醍醐味である、役者の皆さんとの化学変化を満喫したい。その場でしか生まれない空気感をお届けし、より作品を深いものにできればと思います」

(C)「能面検事」製作委員会
取材・文=玉置晴子
放送情報
ドラマ9「能面検事」
チャンネル: テレ東系
放送日時: 2025年7月11日(金)21:00~
※毎週(金)21:00放送
※Prime Videoで見放題独占配信 ネットもテレ東、TVer、Leminoで見逃し配信又はTVerで見逃し配信
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