馬場ふみか、映画「愛されなくても別に」で共演した南沙良との思い出「後ろに沙良ちゃんを乗せて山道を下って...」
2025.7.1(火)

馬場ふみかが出演する映画「愛されなくても別に」が7月4日(金)より公開される。
同作品は、2021年に第42回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の同名小説を映画化したもの。親の過干渉、虐待、性暴力など家族間で生じる問題から社会のひずみに斬り込みつつ、その世界をサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸であることで、ある種の優越感を抱いていた状態」からの脱却までを描いた新時代の青春ストーリー。
宮田陽彩(南沙良)は、大学に通いながら、それ以外のほとんどの時間を浪費家の母(河井青葉)に代わって家事とアルバイトに費やし、学費を稼ぎながら家計を支える日々を送っていた。遊ぶ時間も金もなく、何かに期待して生きてきたことがない。そんなある日、同級生・江永雅(馬場)の父親が殺人犯だといううわさを耳にする...。

今回は公開に先駆けて雅を演じる馬場にインタビューを行い、役作りや撮影の思い出、南の印象、苦労したことなどを語ってもらった。
――脚本を読んだ時の感想を教えてください
「登場人物それぞれが抱えている問題はものすごく重く苦しいのですが、ただ苦しくて悲しくてつらいというだけじゃないところがすごく素敵だなと思いました。友達や恋人、家族とも違った(宮田と江永の)寄り添い方がすごく素敵で、『人生においてこういう相手に出会えることってすごく幸せなことだな』と感じました。そんな中で、江永の『自分でもそうすることしかできない』というセリフには、自分も過去にそう思った瞬間があったことを思い出して、彼女の心情に共感しました」
――江永という人物をどのように捉え、どんなアプローチで役作りされましたか?

「江永は、表面的にはドライに他人との距離を測るけど、意外と優しくておせっかいなところがすごくかわいいなって思っています。陽彩が江永と一緒にいることですごく救われているのと同様に、江永も陽彩といることですごく救われている部分があるのだろうな、と。井樫監督曰く、江永は私と似ているらしいのですが、個人的には『似てるかなあ?全然違う』と思っているんですけどね(笑)。役作りに関しては、育ってきた環境が違い過ぎるのでなかなか完璧には理解し難いので、資料として"毒親"に関する本をいくつか読んで理解を深めました」
――演じる上で意識したところは?
「それぞれの演じ方というよりも、2人の距離感がすごく大切な作品だなと思ったので、陽彩との距離感は大切に演じました。そんな中で、割と(ストーリー展開の)順番通りに撮れたことがすごく助けになりました。私と沙良ちゃんは互いに人見知りなのですが、毎日一緒にいて、一緒にいることに慣れていく中で、ちょっとずつ自然と距離が縮まっていって。"めちゃくちゃ話すというわけではないけど、隣にいる"みたいな距離感でいられて。その感じがすごく(陽彩と江永の)2人の関係性に反映されているんじゃないかなと思います」

――今回共演した南さんの印象を教えてください
「この作品が初共演なのですが、初めて会った時と今では全然印象が変わりました。最初は互いに緊張していたし人見知りということもあって、『これ、どうやって話そうかな?』って思っていたのですが、気心が知れると『思っていたよりも等身大で、すごくフラットでかわいい子だな』と。実年齢は7つくらい離れているのですが、沙良ちゃんの"20代前半のかわいらしさ"がどんどん見えるようになってきたのがすごくうれしいです(笑)」
――撮影の時に印象に残っている思い出はありますか?
「髪色のチェンジがめちゃくちゃ大変でした。最初はピンクで登場して、途中は青、最後は金髪の3色で、ピンクはウィッグだったのでそうでもなかったのですが、青は毎日金髪にスプレーして色付けていたので、それがすごく時間がかかるんですよ~(泣)。原作ではこんなに何回も髪色は変わらないのですが、私が作品と作品の合間によく髪色を変えていて、ピンクも青もやったことがあって、その時の写真を井樫監督が見ていて、それが採用されたみたいなんです。
あと、自転車の2人乗りのシーンは大変でした。後ろに沙良ちゃんを乗せて結構な山道を下るのですが、道はグネグネと曲がっているし、前に走る軽トラの荷台に乗せられたカメラとの距離を意識しつつ、沙良ちゃんを乗せてコケるわけにはいかないから安全に気をつけながら、セリフも言わなきゃいけないという...。やることがとにかくいっぱいあって本当に大変でした。2人乗り自体もやったことがなかったですし(苦笑)。全部で10回以上は走ったので段々と慣れていったのですが、怖さはずっとありましたね」
――馬場さんがこの作品を通して感じたことはありますか?

「(社会問題に斬り込んだ内容で)なかなか難しい話ではあると思うのですが、こうやってさまざまな環境に置かれている人が世の中にはいるということをちゃんと認識して生きることがすごく大事だなって。自分の環境が全ての人に当てはまるわけではないし、自分の幸せが他の人の幸せとも限らない。そういうことをちゃんと分かった上で、人と関わることが必要だなと感じました」
――タイトルに掛けて、馬場さんの「〇〇しなくても別に」を教えてください
「『傘を差さなくても別に』ですかね(笑)。仕事中は衣装が濡れたり、ヘアメイクもあるので差さないといけないですけど、私服に戻ったら全然(差さない)。昔から傘を差すこと自体あまり好きじゃないんですよね。雨脚が強い時は差しますけど、少々だったら『濡れたら濡れたで別にいいか』って思っちゃうんです」

――作品を鑑賞される皆さんにメッセージをお願いします
「フライヤーやティザーを見ると、"毒親呪縛"みたいな重たい印象を持たれるかもしれないのですが、それだけじゃなくて、"人と寄り添って生きていくこと"だったり、見た後に光が感じられるような心に残るものもあると思います。自分を大事にすることを覚えていく2人を見ながら、ご自身を大切にするきっかけにしていただけたらうれしいです」
撮影=皆藤健治 取材・文=原田健
公開情報
映画「愛されなくても別に」
2025年7月4日(金)公開
配給: カルチュア・パブリッシャーズ
(C)武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
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