阿部寛が圧倒的な存在感で演じたハマリ役!シニカルさの中にも熱を感じる演技が魅力の「ドラゴン桜(2021)」
2025.6.30(月)
6月に最終回を迎えたTBS日曜劇場「キャスター」で、主人公の進藤壮一を好演した阿部寛。報道番組「ニュースゲート」のメインキャスター・進藤は、「世の中を動かすのは真実」という強い信念を持っており、真実を伝えるため、ルールにとらわれない破天荒なスタイルの取材で報道のネタを取ってくる型破りなキャスターだ。進藤の手段を選ばぬ行動は、時に周囲の人間をも巻き込む。事前の打ち合わせとは違う言動を本番でとって同僚をヒヤヒヤさせたかと思えば、今度は「ニュースゲート」のスタッフたちを駒のように使い、時には欺くような方法もとる。しかし、ストーリーが進むにつれて、そんな進藤が"真実"にこだわる理由や、彼の中の正義も垣間見えてくる展開が痛快だった。まさに阿部が得意とするところの、一見横暴でクセは強いが、信念を持って実直に生きる役どころだ。
"クセは強いが、信念があり、実直"。そう聞いて思い浮かぶのが、「ドラゴン桜」シリーズで阿部が演じた桜木健二だ。
(C)三田紀房/コルク
原作は三田紀房の同名漫画で、2005年に山下智久、長澤まさみ、新垣結衣らを生徒役に迎えてドラマ化されると一躍人気に。2021年には、続編の「ドラゴン桜2」もドラマ化された。
かつて偏差値36の龍山高校から東京大学合格者を出し、奇跡の学校再建を成し遂げた弁護士・桜木健二(阿部)。その後は法律事務所を設立し、学校再建のエキスパートとして順風満帆な弁護士人生を歩んでいた。しかし、2年前に当時の教え子との間で起こった事件をきっかけに、すさんだ生活を送っていた。
そんな桜木のもとに、学校再建の依頼が舞い込んでくる。今度の依頼主は、経営破綻寸前の龍海学園で教頭を務める高原浩之(及川光博)。かつての教え子・水野直美(長澤まさみ)に説得され、偏差値32の龍海学園を訪れた桜木。そこで出会ったのは、姉と2人で両親が残したラーメン店を営みながらも将来に不安を抱える瀬戸輝(髙橋海人※「高」は正しくは「はしご高」)、何をやっても長続きしない今時な女子高生・早瀬菜緒(南沙良)、バドミントンのトップ選手だったが怪我を負ってしまった岩崎楓(平手友梨奈)など、それぞれに悩みや問題を抱えた生徒たち。自由な校風を理想に掲げる理事長・龍野久美子(江口のりこ)を始め、進学校化に反対派の教師陣との対立などがありながらも、桜木と水野が率いる「東大専科」に入った生徒たちは、東大を目指して奮闘する...。
■シニカルで偏屈...だが、その奥に光る桜木なりの熱意や優しさ
(C)三田紀房/コルク
本作で阿部が演じる桜木も、実に型破りなキャラクターだ。桜木の口から出る言葉は語気が強く、時に過激で、多くの生徒の反感を買ってしまう。しかしその一方で、物事の本質を突くような真っすぐな桜木の言葉に心を揺さぶられる生徒もいる。東大専科に集まった瀬戸や早瀬、岩崎、そしてかつての水野がそうだったように。
そんな桜木を演じる阿部の、演技におけるバランス力はさすがというほかない。桜木の無骨で偏屈な性格と厳しい指導の中にも、教育への情熱や、綺麗事ではなく本当の意味で生徒に寄り添う一面が垣間見えて、桜木なりの正義感を感じられる。シニカルで何事もばっさりと切り捨てるように見えて、実は生徒のことをよく見ているし、必要な時には手を差し伸べる。そんな偏屈なだけではない桜木の良さが伝わってくるからこそ、生徒たちを叱咤激励する姿に胸を打たれ、感動を誘われるのだ。阿部から放たれる力強いセリフの数々には、生徒たちだけではなく視聴者のことまで鼓舞するようなパワーがある。
(C)三田紀房/コルク
また、前作で桜木の生徒だった水野が本作では弁護士となり、東大専科で桜木の右腕として活躍。そんな水野の成長ぶりを長澤が好演している。桜木と水野の軽妙な掛け合いも、本作の魅力の1つとなっている。
圧倒的な存在感を放つ阿部はもちろん、長澤や、生徒役を演じた若手俳優陣の演技も見どころの本作。学年トップの成績を誇る藤井遼を演じた鈴鹿央士は、人を見下す癖のある藤井を嫌味たっぷりに演じながらも、彼の中に潜む臆病さや焦りといった感情も繊細に表現。細田佳央太は、発達障がいを抱えながらも、東大専科でその才能を開花させる原健太を体当たりで演じている。
シニカルで偏屈な桜木と、彼に心を動かされて一歩踏み出した生徒たちの東大受験への挑戦を、ぜひ最後まで見届けてほしい作品だ。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
ドラゴン桜(2021)
放送日時:2025年7月12日(土)11:00~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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