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江口洋介が料理オタクの天才シェフを魅力的に好演!倉科カナ演じるヒロインの成長も見どころの「dinner」

2025.6.28(土)

7月から放送が始まる斎藤工主演ドラマ「誘拐の日」で、ベテラン刑事・須之内司を演じる江口洋介。江口と言えば、「ひとつ屋根の下」シリーズや「救命病棟24時」シリーズでブレイクし、これまでにも幅広い役柄を演じてきた俳優だ。

そんな江口が主演を務め、倉科カナがヒロインを演じたのが2013年のドラマ「dinner」だ。

江口洋介が料理オタクの天才シェフを演じる「dinner」
江口洋介が料理オタクの天才シェフを演じる「dinner」

本作で江口が演じているのは、老舗のイタリアンレストラン「ロッカビアンカ」に新たに料理長として迎えられた料理オタクの天才シェフ・江崎究。倉科は若き支配人・辰巳沙織を演じた。給仕長・瀬川壮一役にユースケ・サンタマリア、厨房のセカンドシェフ・今井耕助役に松重豊など、魅力的な顔ぶれがキャストに揃っている。

舞台のほとんどがレストランで、セットも本格的。チームワークの乱れがミスに繋がる厨房での戦場のような緊迫感など、美味しい料理を提供し、もてなす者たちの姿が丁寧に描かれている。そして、あえてひとことで言うと、本作はとても優しい物語だ。さまざまなハプニングやすれ違いもありつつ、常連客も含め、その温かい人間模様にはクラシカルな趣がある。

ストーリーは沙織の父でオーナーシェフの辰巳日出男(風間杜夫)が突然倒れ、沙織と瀬川が、日出男の復帰まで店を開け続けると決意するところから展開していく。完璧主義者で料理のことしか頭にない江崎を生き生きと演じた江口と、責任の重さに悩みながら成長していく若くチャーミングな支配人を演じた倉科の魅力を振り返ってみたい。

■厳しさと少年っぽさを併せ持つ料理長・江崎を江口洋介が好演

北イタリアの郷土料理を主軸にする「ロッカビアンカ」。そこにやって来るのが、精鋭しか雇ってもらえない名店で働いた経験を持つ江崎だ。

江崎は客として「ロッカビアンカ」を訪れ、いきなり料理にダメ出しをする。「愛情を込めて作った」という感情論を全否定し、「料理はたった1つの方程式で成り立っている」と言い放つ。

そして、料理長就任初日から早速新たなメニューを提案。伝統を変えることへの反発も意に介さず、失敗を繰り返し、楽しそうに調理する江崎の姿を見て、職人気質で真面目な今井は、その徹底したこだわりに少なからずショックを受ける。パスタの茹で時間に秒単位でこだわり、容赦なく作り直しをさせる一方で、新鮮な旬の魚介類を見つけると少年のようにくしゃくしゃの笑顔を見せる江崎。そんな彼を江口が人間味溢れる芝居で表現した。料理に夢中になるあまり周りを振り回す"自分勝手モード"に突入した時の自由奔放な江崎の振る舞いは、特に魅力的だ。

そんな江崎だが、「プロだろ?」が口癖で、実はチームの大切さを人一倍知っている。彼のプロフェッショナルな一面は、従業員たちに向ける視線でも表現されている。

■頼りない支配人・沙織が頼もしくなっていく過程を倉科カナが演じる

父の意識が戻るまで店を守ると誓ったものの、客足が遠のく現実に戸惑ったり、
予約の手違いがあって厨房に頭を下げたりと、沙織にとっては初めてのことの連続。不測の事態に困惑する中で、給仕長の瀬川やシェフ・今井の懐の深さに助けられたり、江崎に怒られたりしながら成長していく。

最高の笑顔で客をもてなし、「ロッカビアンカ」で働く人たちを大切にしながら、店のために日々奮闘する沙織。次第に江崎にも真正面から意見を言い、店の危機にも立ち向かっていくようになる。そんな沙織の成長を、倉科がヒロインにふさわしい華のある演技で魅せる。

後半で描かれる、今井と江崎の料理対決の場面も見どころ。ロマンティシズムと美意識のある名画を見たような余韻に浸れる最終話まで、江口、倉科、そして一致団結していく従業員たちの演技を、ワインと美味しい料理を楽しむようにじっくりと味わってほしい。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

dinner
放送日時:2025年7 月21日(月)12:20~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます