小栗旬が揺れ動く心情を繊細に表現!アイドルの死の真相を追うコミカルサスペンス「キサラギ」
2025.6.28(土)

2020年2月、豪華客船"ダイヤモンド・プリンセス"で起こった、日本初の新型コロナウイルスの集団感染。そんな未曾有の事態に立ち向かった災害派遣医療チーム「DMAT」の奮闘を描いた映画が、6月に公開されたばかりの「フロントライン」だ。主演を務める小栗旬は、DMATの指揮官で、たたき上げの救急医・結城英晴を演じている。
小栗と言えば、映画やドラマ、舞台などの役者業だけでなく監督業もこなす多彩な俳優。その役柄の振り幅も実に広く、ラブストーリーからシリアスな人間ドラマ、そしてコメディにいたるまで、さまざまなジャンルの作品で存在感を放ってきた。
そんな小栗が2007年に主演を務めたのが、映画「キサラギ」だ。

(C)2007「キサラギ」フィルムパートナーズ
マイナーアイドル・如月ミキ(さかいかな)が焼身自殺をしてから1年が経った。彼女の1周忌に追悼オフ会が開催されることになり、サイト管理人の家元(小栗)を筆頭に、サイトの常連、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)の5人の男たちが集まった。ミキの思い出話に花を咲かせる5人だったが、あるメンバーの「彼女の死は他殺だった」という主張をきっかけに、彼女の死の真相を解明していくことになる...。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや、TVドラマ「リーガル・ハイ」シリーズなど数々のヒット作を世に送り出した古沢良太が脚本を手掛けた本作。舞台は、とあるビルの一室というワンシチュエーションのみで展開する作品でありながら、入念に作りこまれたストーリーとテンポの良さで最後まで観客を引き付けるコミカルサスペンスに仕上がっている。
■死の真相を追う中で揺れ動く家元の心情を小栗旬が繊細に表現

(C)2007「キサラギ」フィルムパートナーズ
本作で小栗が演じたのは、ミキのファンサイトの管理人・家元。追悼オフ会という名目で始まった集まりは、彼女の死の真相を追求する展開となっていき、各々が自身とミキの関係について語っていく。そんな中で揺れ動く家元の心情を、小栗が細やかに表現。笑顔の裏にも嫉妬や焦りなど複雑な感情が潜む家元の心境を、言葉遣いやふとした瞬間に見せる表情、声のトーンなどの繊細な演技で巧みに映し出した。
"死の真相を紐解く"というシリアスなテーマでありながら、役者陣の軽妙な掛け合いによってコミカルな要素もある本作。相反する空気が入り混じる中で、小栗が家元として醸し出す雰囲気は、作品に奥行きを与えている。
この繊細な心情表現によって生み出される演技の深みは、若手時代から今日に至るまで、小栗旬という役者の大きな持ち味の1つだ。小栗の演じた役は内面までしっかりと作りこまれており、彼の表現力によってキャラクターの魅力は何倍にも増す。ブレイク初期は「花より男子」の花沢類を筆頭に華やかな役が多かったが、近年では社会性の強い作品や重厚な役柄も増えている。
「フロントライン」もその1つ。未曾有の事態に立ち向かった人々の緊迫感、迷いや感情の揺れまで迫真の演技で描き出しており、息を呑む展開で、"あの時、何が起こっていたのか"を提示している。
年齢を重ね、役者としてさらに磨きがかかってゆく小栗。そんな彼が2007年、25歳の頃に見せた演技を今改めて見返してほしい。
文=HOMINIS編集部
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