舞台女優・天海祐希、降臨!劇場を制するスターオーラに息を呑む...「鎌塚氏シリーズ」の期待を裏切らない面白さ
2025.6.27(金)

映画、ドラマ、舞台と縦横無尽に行き来し、どんなジャンルでも"いい味"を出す俳優・三宅弘城。彼が主演を務め、2011年から定期的に上演される人気作となっているのが舞台「鎌塚氏」シリーズだ。
7月27日(日)に衛星劇場にてTV初放送される第7弾「鎌塚氏、震えあがる」は、2022年に上演された前作「鎌塚氏、羽を伸ばす」から約2年半ぶりにお披露目された最新作であり、シリーズの大ファンだという天海祐希が初参戦を果たしたことでも大きな話題を呼んだ。
■天海祐希、二階堂ふみら人気女優も出演!第7弾まで続く「鎌塚氏シリーズ」の魅力

(C)宮川舞子

撮影:渡部孝弘
倉持裕が作・演出を手掛ける「鎌塚氏」シリーズは、三宅演じる"完璧なる執事"こと鎌塚アカシが、周囲の人々に振り回されながらも職務を全うすべく奮闘する姿をつづる人気の舞台。第4弾「腹におさめる」と第6弾「羽を伸ばす」に探偵小説かぶれの女性に扮した二階堂ふみら、実力派の女優たちがユニークなヒロインを演じて、アカシと絶妙なやり取りを繰り広げてきた。

(C)宮川舞子
第7弾となる「鎌塚氏、震えあがる」は、シリーズ初のホラーコメディ。2025年3月に幕を開けた東京公演(世田谷パブリックシアター)だけでなく、島根や大阪、新潟や愛知でも上演され、各地でリピーターも生み出すなど大きな反響を呼んだ。
本作の舞台となるのは、"幽霊屋敷"と呼ばれる怪しい屋敷。女主人であるカグラ(天海祐希)は子どもの頃から霊感が強く、カグラの能力ゆえか屋敷では怪奇現象が絶えない。たった一人の使用人であるアカシは、そこで日々怯えながら働いていた。ある日、カグラの姉の夫であるナオツグ男爵(藤井隆)と、その娘のアガサ(羽瀬川なぎ)が屋敷を訪問。さらに親子に同伴していた女中のケシキ(ともさかりえ)、近くに住む伯爵夫人のユラコ(池谷のぶえ)と従者のスミキチ(玉置孝匡)ら個性あふれる面々が入り乱れ、怪奇現象がエスカレートしていく中、怪異の正体が明らかとなる。
■最新作「鎌塚氏、震えあがる」の圧倒的な"没入感"!天海祐希の圧巻の登場シーンも...

(C)宮川舞子

(C)宮川舞子
ケシキが山奥に佇む屋敷を目指す幕開けから、ゾクゾクするような雰囲気たっぷり。暗闇にケシキが手にしたランタンの光がチラチラと揺れ、一気にゴシックホラーのような世界観に引きずり込まれる。しかしその空気は、森の中でアカシとケシキが遭遇すると一変する。アカシは長年想いを寄せるケシキとの再会に複雑な心境が混ざり合い、ケシキは彼に激しいツッコミを入れまくる...。三宅とシリーズ第1弾から参加しているともさかによる息ぴったりの掛け合いはテンポ感も鮮やかで、冒頭から大いに笑わせられる。

(C)宮川舞子
そしてなんといってもワクワクとするのが、天海演じるカグラの登場場面。カグラは、幽霊屋敷に住む、魔女と恐れられる女主人。自身の部屋から「待たせたわね」とカグラが姿を現すと、その圧巻のオーラ、美しさ、迫力には観客全員が息を呑んだのではないか。ひと睨みするだけでその視線に釘付けとなり、カグラが一瞬にして劇場全体を制してしまう。「待ってました!」と声をかけたくなるような天海の存在感は、まさにスターそのもの。"カグラ様=天海"の放つ、雷のごとくシビれるくらいカッコいい魅力を堪能できる瞬間となっている。
■"おかっぱ男爵"の藤井隆や、シリーズ"鉄板"のアカシ&ケシキ&スミキチの掛け合いは爆笑必至

(C)宮川舞子
作・演出の倉持がすべてのキャラクターに愛情を注ぎ、物語の中で生き生きと輝いているのも本作の醍醐味だ。ナオツグを演じる藤井は、リズミカルな動きとセリフ回しで、カグラに翻弄される男爵の困惑やイライラをコミカルに表現。おかっぱ頭もお似合いだ。羽瀬川は、フレッシュな魅力で純粋無垢なアガサの心までを体現した。

(C)宮川舞子
天海と同じくシリーズの大ファンで今回待望の初参加となった池谷は、とんでもないコメディエンヌぶりを炸裂させ、ポジティブマインドの伯爵夫人として大暴れ。天海演じるカグラと渡り合えるような説得力を、しっかりとにじませている。

(C)宮川舞子
またシリーズファンにとってお馴染みなのが、アカシ&ケシキ&スミキチという戦友のようなメンバーによる賑やかなコミュニケーションだ。3人は1作目からお目見えしているキャラクターで、シリーズを重ねるごとにそれぞれの関係性も一層豊かなものへと進化している。7月27日(日)には衛星劇場にて<朝から晩まで鎌塚氏、シリーズ一挙放送>も予定されているので、彼らの"これまで"と"これから"に想いを馳せる絶好のチャンスといえそうだ。

(C)宮川舞子

(C)宮川舞子
舞台らしい仕掛けにもあふれ、開いたり閉まったりするクローゼットの扉、動く人形、霊の憑依など、臨場感もふんだんに不気味な屋敷で巻き起こる怪現象を描いている。観客から「ヒヤッ」と恐怖の声が上がる一幕もあったが、そういった恐怖もすぐさま笑いに変えてしまうなど、「なにが起きるかわからない...!」という空間を芸達者たちが見事に作り上げている。

(C)宮川舞子
次第に浮かび上がるのは、それぞれに抱えていた哀しみや、愛情。アカシもズキュンと胸に刺さるセリフをお見舞いするなど、どのようなドタバタ劇があってもしっかりとまとめ上げてしまう三宅の舞台役者としての力量はさすがの一言。ゾクッとするホーンテッドマンションのようでもあり、笑いと驚きに満ちたびっくり箱のようでもあり、最後には多幸感と人生の滋味まで染み渡る、なんとも贅沢な舞台だ。
文=成田おり枝
放送情報【スカパー!】
M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、震えあがる」
放送日時:2025年7月27日(日)19:30~
<朝から晩まで鎌塚氏、シリーズ一挙放送>
M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、放り投げる」
放送日時:2025年7月27日(日)8:30~
M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、振り下ろす」
放送日時:2025年7月27日(日)11:00~
M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、腹におさめる」
放送日時:2025年7月27日(日)13:00~
M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、舞い散る」
放送日時:2025年7月27日(日)15:15~
M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、羽を伸ばす」
放送日時:2025年7月27日(日)17:30~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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