ミステリアスな堀北真希&高良健吾が、人間の闇を描き出す東野圭吾ワールドにハマる映画版「白夜行」
2025.6.22(日)

東野圭吾といえば、国内累計発行部数1億部を超えた当代一のベストセラー作家。そんな彼が2000年に刊行し、「秘密」に続いて2度目の直木賞候補にも選ばれて大ブレイクのきっかけとなったのが、長編「白夜行」だ。連続ドラマ版や韓国版も制作された名作は、2011年には堀北真希と高良健吾の共演で映画化された。
深川栄洋監督による映画「白夜行」は原作に忠実に、昭和55年から平成10年までの時代設定で当時の服装や髪型、流行などをリアルに再現した。物語の始まりは、昭和55年に大阪の下町で起こった質屋の主人の殺害事件。その被害者の息子・桐原亮司(高良)と、殺害したとされる愛人の娘・唐沢雪穂(堀北)の運命が、19年にもわたって交錯していく。

(C)2011 映画「白夜行」製作委員会
質屋を営んでいた父が死んだ時に小学生だった亮司は、高校生になって1人暮らしを始め、女性に体を売るようなすさんだ生活になっていく。雪穂のことは、彼女が母親の不審な死の後、裕福な親戚に引き取られてお嬢様学校に通うようになってからも、ずっと遠くから見守っていた。

(C)2011 映画「白夜行」製作委員会
そして、雪穂の周りでは彼女を恐喝した男が殺されたり、義理の妹がレイプされたりと、悲惨な事件が起こっていく。そして、亮司の父の事件をずっと追いかけ続ける刑事・笹垣潤三を船越英一郎が演じる。
■人間の裏の顔や愛憎を、堀北真希と高良健吾がミステリアスな演技で映し出す

(C)2011 映画「白夜行」製作委員会
堀北は劇場公開当時22歳。クールビューティなたたずまいが、ミステリアスな雪穂役にはまっている。女子高の友達に見せる優しげな微笑みは本心から来るものかどうか分からず、誰も見ていないベッドで自分を毛嫌いする義妹に見せる冷酷な表情は恐ろしい。
TVドラマでは「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」などでコミカルな演技も見せてきた堀北だが、本作では、人間の裏の顔や愛憎をじっくりと描き出す東野圭吾ワールドの一員として、ひたすら静かに美しく存在している。その裏にある冷酷さという二面性も、見事に表現している。成人した雪穂が、堀北が「花ざかり~」でも共演した姜暢雄の演じる実業家と結婚するのは、意図してのキャスティングではないだろうが、分かる人には分かり、クスッとさせるポイントだ。

(C)2011 映画「白夜行」製作委員会
一方の高良は当時23歳。父親が殺されただけではない壮絶な過去を抱える亮司を体当たりで演じている。目の奥に影や暗い熱を潜ませ、彼の苦しみはどこから来るのかと思わせる空虚な表情や、人生を捨てたような態度にドキリとさせられる。ショッキングなラストまで、すらりと長い手足で演じる一挙手一投足から目が離せない。

(C)2011 映画「白夜行」製作委員会
物語の鍵となるのは、雪穂と亮司が小学生だった過去。戦争が終わって35年ほどで、まだ大阪の下町にも、日本全体にも貧しい人が多かった。殺人事件や誘拐事件もよく起こっていた。このあたりのリアリティは、昭和33年生まれ、大阪市生野区で育った原作の東野の実体験も活かされているという。そして、本当にあったことがヒントになったかどうかはわからないが、少女への性的虐待も描かれる。これも2004年に刊行された「さまよう刃」まで、東野は度々設定に採り入れ、その悲惨さを描き出している。

(C)2011 映画「白夜行」製作委員会
世の中には白夜のように「一見、明るいけれど実は夜」というような闇が存在する。その闇をのぞいたとき、事件の真相を知った刑事・笹垣のように目の前が真っ暗になった感覚に襲われるに違いない。そんなズシリとくる後味を残す映画だ。
文=小田慶子
放送情報【スカパー!】
白夜行
放送日時:2025年7月3日(木)20:30~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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