畑芽育と大橋和也(なにわ男子)が"トクベツ"を感じた瞬間とは? 映画『君がトクベツ』での初共演を語る
2025.6.16(月)

幸田もも子による人気少女漫画『君がトクベツ』が、畑芽育と大橋和也(なにわ男子)をW主演に迎えて実写映画化される。『ヒロイン失格』『センセイ君主』など、数々のヒット作を手がけてきた幸田の最新作で、2025年1月に『別冊マーガレット』で堂々完結したばかりの話題作だ。
イケメンが大嫌いな陰キャ女子・若梅さほ子と、国民的アイドルグループ「LiKE LEGEND」のキラキラすぎるリーダー・桐ヶ谷皇太。最悪の第一印象から始まったふたりの距離が、やがて"トクベツ"なものへと変わっていく。
主人公・さほ子を演じるのは、ドラマや映画で着実にキャリアを重ねてきた畑芽育。これまでの等身大の役柄とは一味違う"振り切った陰キャ"ぶりに新たな一面が垣間見える。一方、アイドルとしても絶大な人気を誇る大橋和也が演じるのは、天然で憎めない"ザ・アイドル"な皇太。普段の自身の活動とも重なる役柄を、初の映画主演としてどう演じきったのか。本作に込めた思いから現場でのエピソードまで、W主演の二人にじっくりと話を聞いた。
──まずは、本作の出演が決まったときの心境からお聞かせください
大橋「初めての主演ということで、率直にうれしかったです。原作の『君がトクベツ』はもともと好きで、過去にラジオで「皇太を演じてみたい」と話したこともあったので、今回この作品で主演ができるという喜びも大きくて。言っていたことが実現したというか、言霊ってあるんやな、と改めて思いましたね」
畑「私はこれまでにも少女漫画原作の作品に出演させていただくことがあって、今回も別冊マーガレット原作の作品を続けて任せていただけたことに、すごくご縁を感じました。中高生のときに映画館で見ていたような、"ザ・少女漫画"のキラキラした青春映画に、自分がヒロインとして立てる日が来るなんて思っていなかったので、本当に感慨深かったです」
──お二人は今作で初共演とのことですが、お互いの第一印象は覚えていますか?
大橋「畑さんとは今回が初対面ではあったのですが、なにわ男子の他のメンバーと共演されていたこともあって、どこか初めまして感がなかったんです。映像などで見ていたので、『本物や!』という感じでした(笑)。それに実際に会ってみたら、イメージしていた以上に明るくて、現場の雰囲気もすごく良くしてくれる方でしたね」
畑「私は "スーパーアイドル"という印象でした(笑)。音楽番組などで拝見していて、常に笑顔で元気いっぱい。テレビで見ない日はないというくらいの存在だったので、最初はちょっと緊張もあったのですが、いざ共演してみると本当に気さくで、裏表のない方だなって。現場でもギャラリーの方と自然に接していたり、気配りも忘れないところを見て、改めてすごいアイドルだなと思いました」

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
──共演を通して、印象が変わった部分や、新たに知った一面はありましたか?
大橋「演技の面では本当に頼りっぱなしでした。畑さんは切り替えがすごいんです。リハのときはすごく元気でテンション高いのに、本番に入るとスッと切り替えて芝居モードに入る。そういう切り替えの仕方を間近で見て、プロやなって思いました。セリフの覚え方とか、シーンの切り方なども教えてもらって、助けてもらってばっかりでした」
畑「私は、大橋さんのムードメーカーぶりにすごく助けられました。撮影って、集中するシーンもあれば、すごく体力使う場面もあるのですが、そんなときに場を和ませてくれたり、引っ張ってくれたり。特にライクレのシーンでは、年下のキャストも多かったので、最年長として自然にリーダーシップを発揮されていて、まさにお兄ちゃんという感じでした」
──劇中では、大橋さん演じる桐ヶ谷皇太が所属するアイドルグループ「LiKE LEGEND」(ライクレ)のメンバーが登場します。全員が現役でグループ活動中ということで、豪華な共演となりましたが、どんなチームだったのでしょうか
大橋「男子校みたいなノリでしたね(笑)。みんなグループは違うけど、それぞれの個性がめちゃくちゃ濃くて。自分がリーダー的な立ち位置ではありましたが、逆にほかの4人に引っ張ってもらった部分も多かったです」

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
──畑さんは、そんなライクレのチームの様子を外から見ていて、どんな印象を持ちましたか?
畑「正直、『このまま実際にグループ活動すればいいのに』と思うくらい、チームワークが素晴らしかったです。この5人が集まれたなというくらい、奇跡的な組み合わせだったと思いますし、そこに私も関われたのが嬉しかったです。あと、お芝居に加えてアーティスト活動もされている皆さんだったので、現場での立ち振る舞いやパフォーマンスに対する姿勢も本当に刺激を受けました。楽曲も素敵ですし、できることならもっと多くの方にライクレのパフォーマンスを見ていただきたいなと思いました」
──それぞれの役柄について、特に意識して表現したかった部分や、役作りで工夫したことはありますか?
大橋「原作を読んだときから、皇太の考え方とか姿勢にすごく共感する部分が多かったんです。過去に色々抱えているキャラクターなのですが、その背景もすごく丁寧に描かれていて、自分でも頭の中で妄想しながら『こうしたらこう動くかな』とか、『このときはこう思ってるんかな』とか。まるで自分の実体験みたいに想像を膨らませていました。特にアイドルという職業に関しては、自分自身が実際にアイドルをやっているからこそ、わかると思える瞬間もあれば、『ここまでやるんか!』と驚く部分もあって。ファンへの対応ひとつとっても、僕はさすがに外でハグしたりとか、デコチューしたりはしないので(笑)、そこは自分と違うなと感じつつも、演じる上ではしっかり割り切って臨みました。グループに対しての思いや仲間への接し方、センターとしての立ち振る舞いは、自分の中の理想とも重なるところが多くて。皇太の姿から、逆に学ばせてもらうこともありましたね」

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
──"自分と似ているからこそ悩んだ部分"もあったのでしょうか?
大橋「たくさんありました。グループの中での在り方やファンとの向き合い方、現実の自分と重なる部分が多すぎて、『これは自分の話ちゃうか?』って思うぐらい(笑)。でもそれが役作りの助けにもなりましたし、こういう気持ちで立っているんだなとあらためて自分を客観視する機会にもなりました」
畑「私が演じたさほ子も、感情表現が豊かで、コロコロと表情が変わるタイプ。恋愛経験が少なくて、どこか不器用なところもあるけど、一途でまっすぐなところにはすごく共感しました。恋に落ちてからの心の揺れ動きや、思いを伝えるまでの葛藤は、誰もが一度は経験したことがある感情だと思いますし、演じながらも『わかるな』と思うことばかりでした。監督とも相談しながら、わかりやすい感情表現を意識する一方で、ただコミカルにするのではなく、どこかにリアリティを残すように心がけました。撮影の順番も前後していたので、時系列を整理して感情を合わせるのは大変でしたが、演じていてすごく楽しいキャラクターでした」

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
──本作では、お二人の掛け合いが物語の軸になっている印象を受けました。演技の中で意識していたことや、印象に残っているシーンなどがあれば教えてください
畑「やっぱり、さほ子が思いを伝えるシーンはすごく大切だったので、現場全体でも自然と集中モードに入っていった記憶があります。皆さんも空気が張り詰めるというか、役に入り込めるように、静かで繊細な時間を作ってくれて。メリハリをしっかりつけながら演じられたことが、とてもありがたかったです。とはいえ、現場ではいつもお互い気を遣い合いすぎることなく、でもちゃんと『やりづらいことがあったら言ってね』みたいな確認はし合っていて。大橋さんも自然体で現場にいてくれたからこそ、私も素直に役として向き合えた気がします」
大橋「僕は楽しいことが好きなので、明るくしたりもしてたのですが、そういう大事なシーンになると、畑さん含めて現場の空気が自然に変わるのがすごかったです。こっちが無理に切り替えようとしなくても、ちゃんとスイッチが入るというか。畑さんはその切り替えが特にすごくて、リハではワイワイ喋っていても、本番になった瞬間にさほ子になるんです。その姿を見てついていこうって思えたし、自分も自然と気持ちが乗っていく感じがありましたね」
──今回、ライクレが歌う主題歌「YOU ARE SPECiAL」も注目ポイントのひとつです。歌やダンスのパフォーマンスについて、こだわった点や見てほしいポイントがあれば教えてください
大橋「まず、楽曲自体がめちゃくちゃいいです。歌詞は原作者の幸田もも子先生が書いてくださっていて、まっすぐで温かくて...聴いているだけで元気をもらえるような内容なんですよ。それに自分で歌いながら『わかるわ〜』ってなるぐらい、気持ちがリンクする歌詞が多くて。演じている皇太としても、大橋和也としても、気持ちに重なる曲です。振り付けは僕が普段踊っているジャンルとは違っていて、新鮮なチャレンジでした。サビ以外の間奏部分なんかではガツガツ踊る場面もあるので、ダンス面でもぜひ注目してほしいです。しかも最後に"振り向き"という印象的なシーンがあるのですが、そこはメンバーそれぞれの個性が出ていて...僕的には、そこがいちばん『アイドルしてる』という感じがして、気に入ってます(笑)」
──畑さんは、パフォーマンスを間近で見てどんな印象を受けましたか?
畑「まだ完成したパフォーマンス映像は見れていないのですが、撮影中にちょっとだけ映像を見たときに、皇太くんのソロパートでカメラ目線で歌っているシーンがあって...あれはグッときましたね。さほ子としても、自分に向けて歌ってくれてると思えるような距離感で、きっと観てくださる皆さんも、誰かに"想いを届ける"ような感覚で楽しんでもらえると思います」

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会

(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
──本作のタイトルにもある「トクベツ」。映画の終盤では、その言葉が恋愛だけでなく、支えてくれるすべての人に向けられているという意味で使われていたのがとても印象的でした。お二人にとって、最近"特別"だと感じた出来事や存在はありますか?
大橋「やっぱりライクレのメンバーとの時間ですね。撮影期間は2ヶ月半くらいだったのですが、みんなで焼肉行ったり、サウナ行ったり、カフェでゆっくりしたり...普段あんまり共演者の方とプライベートでそこまで深く交流するタイプではないのですが、今回は自然に仲良くなって。意外となにわ男子のメンバーとは、あんまりご飯に行ったりはしないんです。だから、一緒に過ごす時間そのものが楽しいと思えたことが、すごく新鮮でしたし、特別な感覚でした」
畑「私は最近一人暮らしを始めたのですが、その中であらためて家族の存在が"特別"だなって感じることが多くて。母と二人で暮らしていた時間が長かったので、離れて暮らしてみて初めて、『あれもこれも、全部やってくれていたんだな』って思うことが増えて...。5人きょうだいの末っ子ってこともあって、私、てっきり母のほうが子離れできないタイプだと思っていたのですが、意外と自分のほうが親離れできてなかったみたいで(笑)。寂しくなって実家に帰っちゃったり、母に家に来てもらったりすることも多くて、『私ってこんなに甘えん坊だったんだな』って新しい発見がありました」
取材・文=川崎龍也
映画情報
『君がトクベツ』
6月20日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
出演:畑芽育、大橋和也
木村慧人(FANTASTICS)、矢吹奈子、山中柔太朗
大久保波留(DXTEEN)、NAOYA(MAZZEL)
星乃夢奈/遠藤憲一/佐藤大樹(FANTASTICS)
(C)幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
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