「できない自分を鏡で見続けている感覚が悔しかった」俳優・小関裕太が30代を前に思うこと
2025.6.8(日)

俳優・小関裕太は、ドラマや舞台などで幅広く活躍し続けており、小学生の頃に芸能界入りを果たした彼のキャリアは20年を超える。
HOMINISでは、6月に30歳を迎える小関にインタビューを敢行。2回に分けて小関の魅力をお届けする。
今回は、小関にこれまで歩んできた人生についてインタビュー。芸能界を辞めたいと思ったターニングポイントの話や、来る30代に向けての抱負などを語ってもらった。
――小さい頃はどんな子でしたか?
「いろいろな時期があったのですが、幼少期は怪我することがすごく多いやんちゃ坊主でした。すぐ木に登るし、親が「裕太ー!」と声を掛けても全然気付かず、ファーッと走っていっちゃうようなタイプだったらしいです。1歳の頃から中学2年生くらいまで、1年に1回は大怪我していたんです。いろいろなところを縫いましたし、骨も折りました...」

――かすり傷とかのレベルではないんですね
「そうなんです。今となっては痛みにすごく強いと感じています」
――当時、夢中になっていたことはありますか?
「特定で夢中になっていたことはあまりなく、とにかく広く好奇心があるタイプでした。匂い、色、動くこと...おもしろそうだと思った方へ気づいたら動いている、衝動人間でした」
――学校ではどういう立ち位置でしたか?
「時期によって立ち位置が変わったりしてましたが、撮影現場にいる時間の方が長かったので、学校にいるときは勉強ばっかりしていました。 "学校=勉強する場所"と自分の中で決めていたんです」
――それに対して撮影現場は、どんな場所でしたか?
「とにかく楽しい場所、楽しいから幼少期から続けてこれたという感じです」

――そもそも芸能界入りのきっかけは?
「幼稚園の頃、『メリーポピンズ』に出会ってタップダンスを踊っているのを見て、カッコ良いなと思って、小学生に上がったタイミングでタップダンスを習い始めたんです。そのスクール生のときに、オーディションにチャレンジしてみたら、バババって決まっていって。やれるんだったらやってみようか、と。空手、水泳、タップダンス、芸能界...自分としては習い事の一環という感覚が強かったですね。空手と水泳は痛いし寒いから半年くらいで辞めちゃいました(笑)」
――芸能界のお仕事が楽しかったんですね。何がそんなに楽しかったんでしょう?
「いろいろな価値観に出会えることが楽しかった気がします。それから同じ作品を作る中で、様々なジャンルのプロフェッショナルの方々が同じゴールを目指してやっているっていう環境にもしびれるものがたくさんありました」
――素敵です!芸能界の仕事を嫌になった時期はないんでしょうか?
「あります。18歳くらいの時に、"なんて向いてないんだ"と思って」

――なにがあったんですか?
「岸谷五郎さんが演出の初主演舞台『FROGS』のとき、自分のできなさを痛感してしまい、指摘していただいたことが全部響いちゃって、できない自分を鏡で見続けている感覚に近いというか、それがすごい苦しかったです。もともと苦手を好きに、不得意を得意に変換するという行為が1つの趣味としてもあったので、悔しくて。得意にしたいって思ったんです」
――そこで「辞めたい」ではなく「俳優としてやっていこう」にシフトしたんですね
「自分に対してムカついて、それがエネルギー源でした」
――ちなみに今のお仕事の原動力は?
「今はもともと作品が持っているおもしろさを、より倍増させられたら嬉しいなという思いで、関わっていることに充実感を覚えています。作品が届く瞬間っていうのが、一番嬉しいです。伝えるべきメッセージを持っている作品に携わっている充実感が原動力かな、と」

――素敵です!そんな今現在、役者としてのご自身の強みはどこにあると感じていますか?
「なんだろう。1つは昔から変わらず、なんでもおもしろい、と思えるところですかね。それから、小さい頃は広く浅くだった写真や歌、ミュージカル、お芝居などの知識を"広く深いものにしてやる"と思って過ごしてきた部分があります。それゆえに生まれた自信かなと思います。それぞれの分野において、まだまだ伸びしろはたくさんあるのです、今それぞれに充実感を持って深く掘れていることは誇って良いものなんじゃないかなって思っています。これからもこのスタンスを大事に、且つ、プロに負けない自信を持っていきたいですね」
――ラストに1問お伺いしたいのですが、30歳を目前に控えた今、どんな30代にしたいですか?
「20代は、いろいろな機会に恵まれながらも、もがいた実感が強くあります。自分の興味がたくさんあって、散漫になっちゃうという言い方もできます。でも、そんな中でトライアンドエラーをして、精査されていった結果、自分にとって好きなものが見つかってきたなっていう感覚もあるんです。きっと40歳になったタイミングで、その人の生き方を問われるというか、どういう風にその人が生きてきたのか、何を大切に過ごしてきたのかを見られるんじゃないかと思っているので、40代を見据えて、自分の好きなものや、本当に大事にしたいものを大切にしながら過ごしていけたらいいなと思っています」
取材・文=於ありさ 撮影=MISUMI
放送情報
フジテレビ「波うららかに、めおと日和」
毎週木曜日 22時より放送中
NHK「ひとりでしにたい」
2025年6月21日(土)スタート <全6回>
総合テレビ 毎週土曜 夜10:00〜10:45
[再放送] 総合テレビ 毎週水曜 午前0:35〜1:20 ※火曜深夜
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