TVアニメ『謎解きはディナーのあとで』に出演の宮野真守、現場で生まれた"セッション"明かす「パフォーマンスを膨らませてもらった」
2025.5.22(木)

TVアニメ『謎解きはディナーのあとで』は全国フジテレビ系"ノイタミナ"にて毎週金曜日に放送中。
原作小説、そしてテレビドラマとしても人気を博した同作品。新たにアニメ化となり、「宝生グループ」の令嬢・宝生麗子や鋭い推理力と毒舌を持ち合わせた執事の影山ら愛すべきキャラクターはどのように生まれ変わったのか。
今回は、「風祭モータース」の御曹司である風祭警部を演じた宮野真守にインタビューを行い、作品への思いから役への取り組み方まで話を聞いた。
――まず、率直に『謎解きはディナーのあとで』についてどのような思いを持っていましたか?
「ドラマ化もされている人気作で、みんなが知っている名作というイメージでした。それが時を経てアニメ化されたので、面白い企画だなというふうに思いましたね」
――そこからオーディションを受けたんですね
「正直影山狙いでした(笑)。ただ、どうやら満場一致で風祭に決まったらしくて。自分的には影山も狙っていましたが、風祭もフィットしていたのでよかったですね」

――影山を狙っていたんですね
「やりたかったですね。世間一般のイメージはわからないけど、僕としては影山みたいな役もたくさんやっているので。クールに見えるけど実は毒舌という影山も僕としてはフィットしていて、実は不遜なキャラクターもすごく面白いと感じていました」
――その中で風祭という役に決まり、発表のときにはファンも盛り上がっていたかと思います
「アニメーションのPVが発表されたときに、しゃくですけど『解釈一致』と言われていて(笑)。僕はああいう人間ではないけど、まあそうなんだなと(笑)。期待してもらえたのは嬉しいですし、風祭に対してどうアプローチすればいいかというのは湯水のようにアイディアが出ていました。楽しかったですし、作品の中から感じ取ってもらえたら嬉しいです」
――風祭という役についてはどのような意識で臨んでいましたか?
「彼自身が自己主張や自己顕示欲が強いので、言い回しの中に本来なら必要のない英語が入ってくる。自分の知識とか自信を 全面的に出すので、英語の部分を個性的にできればと思っていました」
――現場での指示などで印象深いことはありましたか?
「裏で適当に喋ってくださいと言われることが多くて(笑)。コメディとしての面白さを追求したときのアドリブワードは面白かったんじゃないかな。周りが笑っているか確認しながら、現場も楽しんでくれているかをバロメーターにしていました」

――風祭の活躍と言っていいかわかりませんが、作品の中でも麗子との掛け合いで一気にコメディ要素も強まっていました
「ある意味ふざけず、全力でやるということを意識していました。もちろん、言い回しでコミカルな部分は出てくるんですけど、ふざけてやっているように見えないように、パーソナルな部分から出てくるコメディ感というのを意識しました。アフレコで広げられる部分はチャレンジして、テンション感は自分だからこそできるアプローチもあったので、アニメの個性になっていればいいなと思います」
――アプローチの話がありましたが、今回の作品で今まで異なる取り組みなどはあったのでしょうか?
「うーん、毎回違うし、現場のスタッフが違うので、どの作品にも自分自身をぶつけるだけですね。ただ、今回の現場は、監督が求めるものと、許容範囲や自由度があいまってセッションのようでした。『そうくるんだったら、こうします』みたいな感じで、みんなで作る面白さはありましたね」
――即興というか、現場で生まれていく熱量があったんですね
「時と場合によるし、必ずしもいいわけではない。風祭に関して言えば、現場で自分がチャレンジするパフォーマンスに関して、監督と音響監督が『そうくるんだったらカット割りとかセリフの間を考えます』というようなことがあって。もちろん、それだけじゃなく、『もうちょっとタイトにしてください』もあるんだけど、自分のパフォーマンスを許容してもらって膨らませてもらったことがたくさんあったなと思います」


――花澤香菜さんと梶裕貴さんとの共演についてもお聞かせください
「言い方が正しいかわからないけど、勝手知ったる仲ですよね(笑)。どう来るか知らないわけではないけど、あの二人はすごい役者だなと思うことがアフレコの現場でたくさんありました。引き出しの多さと柔軟さと、お芝居するうえで想像を超えてくることがあって楽しかったですね」
――これだけ経験を積まれていても、想像を超えてくることがあるんですね
「香菜ちゃんとの掛け合いは特にでしたね。アニメーションの構成は謎掛け部分と謎解き部分に分かれていて、謎が提示される部分は風祭が場を乱すことが多いんです(笑)。麗子自身は風祭が上司だから言うことを聞かないといけないことが多い中、それでもお互いの価値観がぶつかりあって、納得いかない中でも納得していくそのやり取りがすごくコミカルでしたね」
――宮野さんから見て、宝生麗子の魅力はどこにあるのでしょうか?
「香菜ちゃんであることが最大の魅力。本当に素晴らしかった。彼女のお芝居が大好きなんですけど、香菜ちゃん自身もものすごく品があるじゃないですか。でも雑な部分もあって(笑)。彼女の麗子へのアプローチは非常に面白くて、飾らないでぶつかっていくのがかっこいいなといつも思っている。麗子がドジを踏んでおちゃめな部分を見せるのも超絶にかわいいですし。彼女の真っ直ぐな部分が見えるのも本当にぐっと来るので、香菜ちゃんであるのが最大の魅力だなと」
――影山に関してはいかがでしょう?
「影山に関しては梶くんも含めて現場で考察したのを覚えています。原作にも影山がどういう存在か 描かれていなくて、麗子に対して本当はどう思っているかもわからない。でも人物を演じるうえでは、間違っているかもしれないけど、埋める作業が必要になってくるんです。どうやって生きてきて、どういう思いを抱えているのかを梶くんと話しているのは楽しかったですね。影山には、ちょっとした愛情がこぼれ出るシーンやセリフがある気がしていて、梶くんの解釈も聞いてなるほどなと。影山が一番謎の存在でもあるので、役者自身がちょっとしたセリフの端々からどういうふうに臨んだか、アニメを見て感じ取ってもらえたら嬉しいなと思います」

――改めてになりますが、「謎解きはディナーのあとで」のアニメならではの見どころはどこになるのでしょうか?
「アニメーションとしての構造が面白い。30分の制限された中で事件を見せていくのは難しいと思うんです。長すぎても疲れちゃうし、短すぎても物足りない。それを謎掛けと謎解きで1話半使うというやり方はなかなかなかったですよね。1話は謎を提示して終わって、2話の前半で解決するんですけど、また次の謎がやってくる。解決とワクワクが常にくるっていうのが面白い仕掛けだなと思いました」
――宮野さん自身、ミステリー作品についての思いはいかがでしょう?
「昔はミステリー作品が好きで、トリックが気になって、自分が頑張って考えていたんですけど、解けたことはないですね。大人になってからは、伏線の回収のされ方の妙に感動しますね。これがここにつながっていたのかというのがミステリーの醍醐味だと思っていて、事件のトリックよりもそっちのトリックのほうが好きですね」

――「謎解きはディナーのあとで」はしっかりとしたミステリー作品ですが、風祭警部というのは異質の存在にもなっている気がします
「ミステリー作品としては風祭の推理がでたらめすぎますよね(笑)。でもそれによって発見されることもあったり、麗子もかき乱されて、結果影山が解決するという流れになるので。風祭のでたらめ推理があるからこそ視聴者も考えるようになると思う。風祭の言っていることめちゃくちゃだなと思うと同時に、じゃあ本来はどうなんだろうと自然に考えさせられる構造になっていますよね」
――最後に放送を楽しみにしている視聴者の方にメッセージをお願いします
「平成のベタなコメディ感といった良さもまといながら、令和に戻ってきました。華麗に謎を解いていく主人公たちは美しいですし、事件に関わる人の動機や、なぜそうなったのかというところもハートフルなものになっています。アニメーションは我々の思いがこもっていますので、ディナーの前でも、いつなんどき見てもらっても楽しいものになっていると思うので、楽しんでいただけたらと思います」

取材・文=まっつ
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