玉城ティナ、高橋一生演じる岸辺露伴は「生きている人間として血が通っている」
2025.5.20(火)

高橋一生が主演を務める映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月23日(金)に全国公開される。
荒木飛呂彦の大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」原作のNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」シリーズの劇場版第二作。今回は、イタリア・ヴェネツィアでオールロケを行い、原作でも人気の高い「懺悔室」を実写化した。
漫画家の岸辺露伴(高橋一生)は、ヴェネツィアの教会で、仮面をかぶったある男の懺悔を聞く。それは、誤って浮浪者を殺したことで「幸せの絶頂時に"絶望"を味わう」という呪いをかけられた、というものだった。この奇妙な告白に魅了された露伴は、特殊能力を使って...。
今回、ヴェネツィアの迷宮に露伴が迷い込むきっかけとなる仮面職人・マリアを演じる玉城ティナに話を聞くことができた。
――玉城さんの公式コメントには、「家族。それは私にとって、生まれた時からそこにあった存在。今回の撮影を通じて、その意味を改めて考え直し、自分なりの答えを見つけることができました」と書かれてありました。マリアを演じるなかで、どんな影響があったのか教えてください
「原作には幼少期のマリアは描かれているのですが、成人のマリアは描かれていないので、自分で考えなければならない部分もあり、どう作っていくのか悩みました。
そのなかで、"呪われて生まれてきた子"ということもあって、親から受け継いだものや、血筋から考えることが多かったんです。漫画としてデフォルメされた家族像ではあるのですが、本作を通して、現実世界の両親との関係性や『家族ってなんなんだろう』と考えるきっかけになりました」

――マリアについて、どんな人物だと感じられましたか?役をつくるうえで意識した面も教えてください
「他のキャラクターとくらべて『マリアってここが強烈だよね』というところがあまりなくて、割と受け身なんです。運命を受け入れざるを得なくて、自分で納得して生きている子だなと思ったので、感情的にキャラクターを作り込んでいくというよりは、未知なるものを少しにじませる部分がありました。ただ、運命に巻き込まれていくなかでも、どこか芯の強さが感じられるといいなと思っていました。
あと、マリアは仮面職人なのですが、『ヴェネツィアを象徴する仮面をどういう気持ちで作っていたんだろう』、『もしかしたら、彼女は仮面をかぶりながら生きていたのかもしれない』と考えながら演じましたし、イタリアと日本のミックスだったので、イタリア語の練習も頑張りました(笑)」
――マリアに共感する部分があれば教えてください
「マリアは一番投影しやく、共感できる部分がたくさんありました。たとえば、『何を運命と感じるか』で言うと、今の自分の仕事への導かれ方を考えたときに、重なるところもあるなって思いました。ご覧になる皆さんがどう思われるか不安な面もあるので、皆さんと解釈があっていればいいなと思います」

――マリアのビジュアルにも注目の本作。ファッションのポイントやメイクのポイントを教えてください
「クラシカルではあるのですが、どの時代に見ても古さを感じない。そうした美しさが感じられる衣装が多かったと思います。メイクに関しては、そこまで色味をはっきりさせず、ニュートラルで、眉毛も意思がある感じにしました。
ただ、彼女は、自身に降りかかってくる運命・呪いみたいなものを受け入れざるを得ない状況なので、衣装やメイクで鎧をかぶるというよりは、"自然体でそこにいるけれど、他の人から見たら少しいびつである"というところが面白い部分なのかな、と思います」
――先ほども話されていましたが、イタリア語は、どのように勉強されたのでしょうか。また、マリアがイタリアで生まれ育っている分、地元民らしさをどう出していったのでしょうか?
「(地元民らしさが)出せているのか...ちょっと謎なところはあるのですが(笑)、イタリア語の講師の方からいただいた資料を見たり、イタリア映画を見たり、イタリア語の勉強ができるPodcastを聴いたり...。あとは、イタリアの方が日常会話で喋っているような舌の感じや喋り方もできるだけ吸収してヴェネツィアに行ければいいなと思っていました」

――ヴェネツィアで撮影をするなかで、印象的なシーンはございましたか?
「もう全部です!不思議でしたもん。3週間も撮影しているので、慣れていくはずじゃないですか。それなのに、ふと我に返ったときに、毎回『すごいところにいるよね!』みたいな気持ちにさせられるというか。これを、スクリーンで見たときに、皆さんどう思うんだろう...というワクワク感がありながら撮影を進めていました」
――撮影期間中はイタリアに滞在されていましたが、実際に現地で生活をしてみて、どんなことを感じましたか?
「レストランに行って挨拶したり喋ったりすると、やっぱり皆さん喜んでくれるんです。現地の言葉をきちんと勉強して話すということはとても大事なことですし、信頼してもらえるきっかけになるな、と実感しました。あと、最近は日本でも海外の方をお見かけしますが、『イタリア語だな』と分かるようになりました(笑)。それが面白いです」

――高橋さんが長い年月積み上げてきた岸辺露伴というキャラクターについては、どんな印象を持たれましたか?
「すでにキャラクターが出来上がった状態でそこにいらっしゃるし、私がこんなこと言っていいのか分からないですが、"ピッタリだな"と心の中で思いながら現場にいました。
アトリエで出会うシーンは、私にとって撮影の序盤。緊張もしましたし、イタリア語の台詞もありましたし、どうマリアを作り上げていこうか、露伴先生との距離感をどう作っていこうか、と考えながら演じていました。高橋さんとのシーンが多いのは分かっていたので、撮影中は"ついていくしかないな"と思っていました」
――高橋さんと対峙してみて、役者として感じた魅力を教えてください
「あのキャラクターが計算されて自然に出てくる...ということの素晴らしさですよね。(岸辺露伴は)もともとマンガのキャラクターなので、キャラが立っていると思うのですが、それでも生きている人間として、きちんと血が通っているんです。そこがこの作品の魅力のひとつだなと思いました。
5年間作品をやられていくなかで、岸辺露伴としての立ち位置も変わっていくと思うんですよ。高橋さんは『毎回少しずつアップデートしている』とおっしゃっていたのですが、"毎回(シーズンが変わっても)同じようにしよう"ではなく、毎回アップデートして、スタッフさんや新しいキャストを迎え入れていらっしゃる。毎話キャストが変わっても、中心には高橋さんがいる、岸辺露伴がいる...というのが面白いなと思います」

――玉城さんの同級生であり、ご友人であり、ご共演経験も多いメインキャスト・泉京香役の飯豊まりえさんも本作にご出演されています。今回、どんなお話をされたのでしょうか?
「毎回、本当に面白い関係性で共演させてもらっているなと思うのですが、私、この京香という役が可愛くて大好きで、まりえにピッタリだなと思っていて...間近で見られて嬉しかったです。
まりえとは『ヴェネツィアで一緒に撮影しているなんて、"人生何があるか分からない"を体現しているね。本当に運命だよね』と話していました。同じシーンは少ないのですが、ヴェネツィアにいてくれたことで助けられましたね」
――飯豊さんからかけられて嬉しかった言葉は?
「『最初にティナがマリアをやると聞いたとき、すごくピッタリだなと思った』と言ってくれたんです。やっぱり役となると、仲が良かろうが悪かろうが、そこは関係がなくなるというか。純粋にそう思ってくれたことが嬉しかったですし、光栄なことだなと思いました」

文・写真=浜瀬将樹
ヘアメイク=今井貴子
スタイリスト=丸山佑香(まきうらオフィス)
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