丸山隆平 、主演映画「金子差入店」は「『今からでっけえ山に登るんだな』みたいな感覚」
2025.5.12(月)

古川豪が脚本・監督、丸山隆平(SUPER EIGHT)が主演を務める映画「金子差入店」が、5月16日(金)に全国ロードショーされる。
本作は、刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を営む金子真司(丸山)が主人公の物語。金子は、伯父の星田辰夫(寺尾聰)から引き継いだ住居兼店舗で、妻の美和子(真木よう子)、息子の和真(三浦綺羅)、星田と共に暮らしていた。そんなある日、和真の幼なじみが殺害される事件が起こる。失意のなか、犯人の母親から差し入れの代行と手紙の代読を依頼されて...。
今回、映画公開を前に丸山に話を聞くことができた。彼が全身全霊で挑んだ本作への想いとは?
――今回のオファーがあったとき、どんなことを感じましたか?
「そもそも差入屋というお仕事があるのを知らなかったんです。『壁の向こうに何かを届けるにはルールがある』ということも、まずは想像がつきませんでした。差入屋は、僕の知る限り、日本にしかない特殊な職業らしく、ある意味、日本人独特の考えから生まれたものなんだな、と興味が湧きました。
(物語は)エピソードがてんこ盛り。人間のつながりも複雑で、人の生死やこれからの行く先をどう受け止めて体現していくんだろうか、という『今からでっけえ山に登るんだな』みたいな感覚はありました。
上からみたいでイヤですけど、(古川監督は)嘘をOKテイクにしないところが健全だと思いますし、一緒にやらせていただくとなったときは、楽しみでもあり、怖さもありました。細かいところにも気が向く方だからこそ怖いし、だからこそ信頼できるなとも思います」
――脚本を読んでの感想を教えてください
「やっぱり、1回では全部飲み込めず、『こういう話か』とは、ならないですよね。ただ、台本や映像で見ると複雑だと思うかもしれませんが、それぞれの人生を紐解いたらみんな複雑なんです。
この職業、この家族から派生した出来事の話なので、あり得ている話。現にそういう方もいらっしゃるリアルな脚本だと思いましたし、いくつもの話が段積みされていくので飽きないし、味わい深いなと思いました」

(C)2025「金子差入店」製作委員会
――役作りをするうえで、軸にしていた部分や実際に感じた難しさを教えてください
「どの役も難しいのは大前提なのですが、『家族だけは絶対に守る』と思いつつも、この職業に対しての偏見でうまくいかず、それで家族に負荷をかけちゃう、といったジレンマと葛藤はありました。
『俺、何のためにこの仕事してんねん』と思うけど、結局は家族のため、自分のため、贖罪のためでもあるから、そこの"揺れ"を、監督の演出のもと、ワンカット、ワンシーン素直に発動させていきました。そこは共演者の方とのやりとりのなかでも精神的にキツかったシーンですし、一つひとつの作業と準備も全部難しくて、大変でした」
――金子という男について、丸山さんはどんな人物だと感じましたか?
「怖いぐらい家族への愛が強い男で、とにかく沸点が低い。沸点は低いけど、繊細な部分もあるからこそ、許せないことは『許せない』ってなっちゃうと思うんです。
自分が過去に犯してしまった罪に対しての後ろめたさがあって、 "やってしまったことは取り返せないけど、何か自分にできることがないか"と必死に探している状況。最初は自分がこの職業に救われたから"いいものだ"と思っていたけど、それに対して、疑問を持ちだしています。
金子は、悪いヤツではないし、真心があるヤツなんです。『昭和の男』と言ったらそうかもしれないけど、昭和の男とも括りきれない人物で、決して強い人間ではないですね」
――古川監督作品の魅力や、監督が作り出す世界観について、どんなところが素敵だなと思われましたか?
「(古川監督は)人をすごくよく見ています。人物に対しての一つひとつのエピソードに人生がしっかり乗っているというか、何かに対して真っすぐささげてる実感があるというか。一人ひとりの人生がリアルなんです。それは魅力です」
――作品に監督の人柄もにじみ出ているような感覚なのでしょうか?
「出ていると思います。現場でシーンを撮り終わったあと、少し涙されているときもありましたが、そんな温かい部分や逃げられない現実に対しての向き合い方も真っ直ぐです。
ただ、この作品は、監督の想いだけではなく、この職業を通して...という部分もすごく大きいんです。だからこそ、実感のないことは書かないし、撮らない人だとも思いました」

(C)2025「金子差入店」製作委員会

(C)2025「金子差入店」製作委員会
――妻役の真木さんとは2回目の共演です
「久しぶりに会えて嬉しかったです。『大人になった』と言われましたけど、『そんなに年齢変わらないでしょ』って(笑)。前回とは、また違ったテイストのお芝居だったので楽しかったですね」
――息子・和真役の三浦くんとのエピソードがあれば教えてください
「極力、距離を置いていました。でも、数少ない和やかなシーンのときは、一緒にお弁当を食べました。ギターをやっていると聞いたので『好きな曲を覚えれば』とか、そんな会話はしましたよ。全部終わってから『ウィヤ〜』ってしましたし(頭をなでるなどコミュニケーションをとった)、ラストシーンが終わったら手紙もくれたし...エピソードあるやん」
――(笑)
「かわいいし、イケメンなんです。絶対男前になるわ。もっと仲良くしとけば良かったな〜。でも、LINEは交換しました。どこかでごはんを食べに行こうという話はしていますが、彼も忙しいでしょうし、僕も(グループの)20周年に入っていたりしたので、まだ行けてはないです。でも、どこかで行きたいなと思っています」

(C)2025「金子差入店」製作委員会
――家族のシーンでは、夫婦でぶつかりあいながら、いろんなことを乗り越え、ここまで絆を紡いできたんだなと思いました。リアリティもあって、各家庭でもありそうなやりとりだな、と
「リアルですよね〜。子供のころ、夜に両親が喧嘩していて"うわ!明日の朝、絶対変な空気になるやん"と思っていたら、案の定、翌朝顔を合わせない...。"喧嘩している両親に挟まれる息子の気持ちにもなれよ"みたいな(笑)。あの空気感は体感しているので、その感覚が残ってるのかな。
息子としてそういう状況を体験しているので、息子の気持ちもなんかわかる。今回は、自分が子供だったころの経験をスパイスに入れたかもしれません」
取材・文:浜瀬将樹
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