ゴン・ジュン(龔俊)のスーツ姿に漂う大人の色気...ブロマンス時代劇「山河令」とのギャップにもときめく極甘ロマンス「夜明けの恋人たち」

2025.5.12(月)

中国のブロマンス時代劇「山河令」(2020年)でのブレイクをきっかけに好調なキャリアを築いているゴン・ジュン(龔俊)。

「安楽伝」(2023年)ではディリラバ、「恋狐妖伝(れんこようでん) ～ファースト・ラブ～」(2024年)ではヤン・ミーと、中国を代表するトップ女優と繰り広げるロマンス時代劇が話題を集めてきたが、186cmの長身が"映える"スーツ姿の現代劇もまた絶品。野心に満ちた若き投資家を演じたラブストーリー「夜明けの恋人たち～Love in the Wind～」(2023年)では、彼自身から自然と滲み出る大人の色気が評判を呼んでいる。

これまでも「ユア・フレーバー ～契約キスではじまる恋!?～」(2019年)では俺様なワイン評論家、「華麗なる契約結婚」(2020年)ではパーフェクトな外科医...と、多彩な現代劇でハイスペックな"しごでき"キャラを演じてきたゴン・ジュン。「夜明けの恋人たち～Love in the Wind～」で演じるのは、これまたスーツ姿がキマる"野心に満ちた天才投資家"という役回りだ。

財界が注目する投資家・徐斯(シュー・スー)は、老舗靴メーカー"騰岳シューズ"の土地買収を狙っていた。騰岳シューズの親会社である"自由麒"の会長には、若造と見くびられて会う機会さえ作ってもらえないが、徐斯は諦めない。会長令嬢・江湖(ジャン・フー)に近づいて会長に面会を目論むのだが、その最中に自由麒が詐欺被害に遭い、倒産の危機を迎えてしまう。心痛のあまり会長は急死。一瞬にして地位も名声も失ってしまった江湖は、父が築き上げた会社を再建するため、徐斯とぶつかりながらも手を取り合い、逆風に立ち向かっていく。

徐斯は、やり手投資家らしく序盤から隙のないスーツ姿で登場する。30代に突入したゴン・ジュン演じる徐斯の、仕事で結果を出してきた人間ならではの精神的な余裕と自信あふれる眼差し、堂々とした立ち居振る舞いが、自然な大人の色気を醸し出している。会長令嬢である江湖に近づくシーンでは、いきなり「今晩、一緒にいたい」とストレートな誘い文句で興味を引き、彼女の腰をグッと引き寄せ、あっという間に甘い空気を作り出す。重なりそうで重ならない唇がまた色っぽい。

ヒロインの江湖を演じるのは、名匠フォン・シャオガン監督による映画「芳華 Youth」(2017年)で脚光を浴びて以降話題作への出演が続くチョン・チューシー。何不自由なく育ち、経営の能力にも秀でた勝気なお嬢様・江湖と、野心にあふれた徐斯、互いに一歩も引かない2人がぶつかり合いながらも関係を深めていく展開が堪らない。

だが、江湖が度重なる不幸によって全てを失ってしまったことで、2人の関係性にも変化が...。徐斯は、絶望して命を絶とうとした江湖を引き留め、熱い言葉で説得する。父の会社を守りたい江湖と、その土地を手に入れたい投資家の徐斯。2人の目的は正反対ながら、債権者から会社を守りたい思いは同じ。手を取り合い、知恵を出し合って危機を乗り越えるうち、2人は互いに惹かれ合っていく。

徐斯の、野心家で勝負師な"表の顔"と、江湖だけに見せる紳士的で大胆なもう一つの"男の顔"――ゴン・ジュンがコントラスト強めに演じるそのギャップが女心をときめかせる。

江湖の兄のような存在でありながら彼女の父を騙しどん底に突き落としたエリート・ 高屹(ガオ・イー)役で、ゴン・ジュンと「山河令」でも共演したウェイ・ジャーミンが登場。彼と、宇宙少女のメンバー"ソニ"としても活動していたウー・シュエンイー演じるデザイナー・向朝陽(ジャン・ジャオヤン)との恋の行方も気になるところ。中国の"顔面偏差値"が高いスター俳優が織りなすビジネスの世界にも注目しながら、ゴン・ジュンの大人セクシーな極甘ロマンスを堪能したい。

文＝酒寄美智子

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