大阪・関西万博を取材したCNNモンゴメリー花子、取材で感じたことや今後の展望を語る
2025.5.1(木)

大阪・関西万博を取材したCNNjの番組「アジア経済市場」が、スカパー!番組配信で配信中だ。番組では、会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏や、「西陣織パビリオン」の設計を手掛けた建築家の高松伸氏に話を聞いている。
今回、この番組で大阪・関西万博の取材を行ったCNN東京特派員のモンゴメリー花子にインタビュー。ロンドン生まれニューヨーク育ちだが、日本への留学経験もあり、日本語も堪能なジャーナリスト。2023年11月のCNN入局以降、日本に拠点を置き国内外を飛び回り様々なテーマの取材を行っている。今回の万博の取材で感じたことや、普段取材の際に心に留めていること、今後の展望など語ってもらった。
――CNNの特派員となった経緯を教えてください
「私は2023年、アジア系アメリカ人ジャーナリスト協会(AAJA)主催のジャーナリズム・コンベンションに参加し、そこでCNNインターナショナルの上層部と会う機会を得ました。アメリカの視聴者に向けて、特にアジア発の国際ニュースを報道する意義について、意見を深く交わす機会となりました。その後、上層部からCNNの採用担当者とつながり、面接を経て、東京を拠点とするインターナショナル・コレスポンデントとして入社することになりました」
――CNN東京特派員に着任以降、日本で数々の取材をされていますが、特に印象に残っていることを教えて下さい。また取材を通して、もともと持っていた日本の印象から変わった部分はありますか?
「これまで担当してきた報道の中で、特に印象に残っているのは、2024年1月1日に発生した能登半島地震と、日本で増加する高齢女性受刑者に関する取材です。
能登半島地震は、私の日本での取材経験の中で最も大きな自然災害であり、元日という特別な日に多くの人々がご家族や大切な人を失う様子を目の当たりにし、胸が締めつけられる思いでした。取材を通じて出会った方々の多くが、『新年の始まりにこのような悲劇が起きたこと』に強い衝撃を受け、過去の災害によるトラウマが呼び起こされたと語っていました。
この取材を通じて、CNNの強みである速報性を改めて実感する機会ともなりました。現地へ迅速に取材班を送り、現場から生中継を行い、被災地の現状をいち早く世界に伝える、そのスピードと対応力は、国際メディアとして本当に誇らしいものでした。
また、高齢女性受刑者に関する取材では、日本が高齢者福祉に優れているという一般的なイメージとは異なる実態が浮かび上がりました。孤独や経済的困窮の末に犯罪に至るケースが多いという事実に直面し、取材を通じて『誰一人取り残さない』社会の実現に向けた制度を見直し、改善していく必要があると強く感じました」

™& (C)2025 Cable News Network. A Warner Bros. Discovery Company. All Rights Reserved.

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――日本では20年ぶりとなる国際博覧会、大阪・関西万博が開催されています。大阪・関西万博に海外の人は関心を持っていますか?また、どんなことに関心をもっているでしょうか?
「現時点では、大阪・関西万博に対する国際的な関心は限定的であり、国内において大阪以外の地域では盛り上がりに欠けている印象があります。2025年3月の記者会見で大阪府知事も言及していたように、前売り券の販売数は全体の約半数にとどまり、期待には達していません。
とはいえ、開幕後に盛り上がりが加速する可能性は十分にあります。専門家の中には、来日中の観光客が万博を訪れるといった自然発生的な関心の高まりに期待する声もあります。
また、日本の文化や技術に対する世界的な関心の高まりを受け、大阪・関西万博は、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会になることはまちがいありません。各国のパビリオンと並んで、日本が展示する技術革新、ポップカルチャー、食文化、社会動向、そして気候変動への取り組みなどは、多くの来場者の心に響くのではないかと考えています」
――今回、CNNjの番組「アジア経済市場」の中で大阪・関西万博を取材されていましたが、実際に取材されていかがでしたか?
「万博会場の建築デザインは非常に印象的でした。中心部に設けられた『大屋根リング』は、日本建築の美しさと創造性を象徴する存在であり、各国のパビリオンも、展示内容だけでなく、建物そのものに文化的アイデンティティが表現されていて、会場を歩くだけでまるで各国を旅しているかのような体験が出来ました。
意外だったのは、各国が自国のパビリオンを独自に建設しているという点です。そのため、私たちが3月下旬に訪れた時点では、まだ完成していないパビリオンもいくつか見られました。また、一部の国では自国から労働者や開発業者を招いて建設を進めており、それが建設コスト高騰の一因となっているようです」

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――普段、取材時に心がけていることはありますか?また、ジャーナリズムの分野で働くモチベーションは何ですか?
「私は常に、国際ニュースに関心を持つ視聴者にとってわかりやすく、かつ魅力的な形で、日本の実態を正確かつ公平に伝えることを心がけています。
ジャーナリズムの本質は『事実を伝えること』にありますが、それだけでは十分ではありません。事実をただ伝えるだけでは不十分です。私たちは多様な情報源と向き合い、複数の視点を取り入れ、視聴者が状況を理解しやすいよう背景や文脈を丁寧に整理することが求められます。CNNでは、グローバルな視点から物語性のある報道を行うことに力を入れており、複雑なテーマであっても、正確さと中立性を保ちながら、簡潔で分かりやすいストーリーへと昇華させることに誇りをもっています。
国際報道では、文化的・政治的な文脈の違いに対応する難しさもありますが、私は日系としてのバックグラウンドを持つことで、日本社会の文脈や国民感情をより深く理解できる場面も多くあります。とはいえ、どの情報をどのように伝えるか、そして公平性をいかに確保するかについては、常に慎重に判断する必要があります。物語性と報道の厳密さのバランスを取ることこそが、私たちジャーナリストの仕事の核心です」

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――いま気になっていて、今後取材してみたいテーマを教えて下さい
「2025年は、第二次世界大戦の終結から80年という節目の年であり、戦争の記憶が現代の地政学にどのように影響を与えているかについて、改めて掘り下げたいと考えています。また、日本がインド太平洋地域において軍事的な役割を拡大している現状と、それが地域・国際安全保障に与える影響にも注目しています。
さらに、アジア各地で十分に報道されていない重要な課題も積極的に取り上げていきたいと思っています。CNNはアジアに強いネットワークを持っており、同地域の未来を形づくるテーマにより深く光を当てるための最適な立場にあると確信しています」
文=HOMINIS編集部
配信情報【スカパー!番組配信】
アジア経済市場
好評配信中(見逃し期間:2025年7月31日まで)
チャンネル:CNNj
※配信スケジュールは変更になる場合がございます
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