鈴木亮平の誠実さを宿した真っ直ぐな目が役に説得力を与えたドラマ「テセウスの船」
2025.4.29(火)
現在公開中の映画「花まんま」で有村架純と兄妹役を演じている俳優・鈴木亮平。体型まで操るストイックな役作りで知られる鈴木は、その役への探求心と演技力で、数々の役に息を吹き込んできた。
そんな鈴木が2020年に出演したのが、竹内涼真主演のドラマ「テセウスの船」だ。
(C)東元俊哉/講談社 (C)大映テレビ/TBS
平成元年に起きた「音臼村」での連続殺人事件の犯人・佐野文吾(鈴木)の息子として生まれ、31年間息をひそめるように生きてきた主人公・田村心(竹内)。唯一の理解者だった最愛の妻・由紀(上野樹里)を出産時の不慮の事故で亡くし、絶望の淵に陥った心だったが、生前の由紀からの「冤罪を訴える佐野文吾を信じてほしい」という言葉をきっかけに、父の事件と向き合うことを決意する。
そんな中、事件後に廃村となった音臼村の跡地を訪れた心は、突然霧に見舞われ、気が付くと事件直前の1989年にタイムスリップしていた。事件前の音臼村で自身の家族に出会った心は、現代とは対照的に笑顔に溢れた母や姉兄を見て、事件が起きないように過去を変えることを決意する...。
2020年の現代と1989年の事件当時が交差する本作。鈴木が演じたのは主人公・心の父で、音臼村の駐在警察官・佐野文吾。父親が殺人犯という理由で、幼い頃から家族と共に苦しみながら生きてきた心は、タイムスリップした先で文吾に出会った当初は、文吾に対して嫌悪や疑惑を向ける。しかし、文吾が自分の命を顧みずに村の子どもを救おうとする姿を見て、彼の警察官として、そして人としての正義感と誠実さに触れて、心も心の底から"文吾が殺人犯なわけがない"と思うように。"佐野を殺してでも過去を変えたい"と思っていた心だったが、「あなたに生きていてほしいんだ」と文吾に切実な言葉を向ける。
■"信じたくなる人"、佐野文吾を体現した鈴木亮平
(C)東元俊哉/講談社 (C)大映テレビ/TBS
鈴木が演じる文吾には、信頼したくなる真っ直ぐさがある。警察官として村人たちから信用されているのはもちろん、家族からも愛され、31年間も父を恨んでいた心にさえ「この人を信じたい」と思わせる男だ。それは、鈴木の穏やかながらもどっしりとしたセリフ回しや、家族の前で見せる温厚で明るい表情と、村人を守らなければいけない局面に立った時の鋭い視線を携えた真剣な顔との演じ分けによるものだろう。そこには警察官としての使命感が滲み出ていて、文吾が人を殺めるような人間ではなく、人を守る正義感のある人間だという説得力がある。そして、鈴木自身が持つ誠実さを宿した真っ直ぐな目も、この佐野文吾という役柄に信頼感を与えている。
また、過去と現代を行き来する物語の中で、鈴木は1989年の現役警察官である文吾と、2020年の服役中で年老いた文吾の2つの時間軸の文吾を演じることになるのだが、その演じ分けも素晴らしい。かつては快活だった文吾が、心が面会に行った現代の刑務所の中では弱々しく枯れた声で心に話しかける。"いつか心が会いに来る"と時が経っても心のことを信じて待ってはいたものの、娘・鈴(貫地谷しほり)の新たな人生を邪魔したくないという気持ちや新たな証拠が出てくる希望がないことから、冤罪を証明することはすでに諦めてしまっている。その姿からは文吾が刑務所で独り過ごした年月の長さや、家族につらい思いをさせたことへの文吾の苦しみがひしひしと伝わってくる。白髪や肌の特殊メイクによる変化はもちろんあるのだが、猫背でやつれた風貌、声の出し方などから31年の時の経過を見事に表現しており、鈴木の役作りへのストイックさがうかがえる。
(C)東元俊哉/講談社 (C)大映テレビ/TBS
文吾は未来から来た素性もわからない、そして事件を止めたいがために時に不器用で不可解な行動に走る心のことを信じ、協力していく。そして心が自分の息子である事実や、心から告げられるこの先に待っている悲痛な未来に時に戸惑い、心とぶつかりながらも、心を受け入れて、共に音臼村を救うために手を尽くす。そんな時を超えてやっと築かれた親子の絆には、胸を打たれるものがある。
物語が進むにつれて、サスペンス要素も増していき、手に汗を握る緊迫感に包まれる本作。不器用ながらも奮闘する息子・心と、真っ直ぐな父親・文吾が辿りつく事件の真相を、ぜひその目で確かめてほしい一作だ。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
テセウスの船
放送日時:2025年5月26日(月)18:00~[#1~#5]、5月27日(火)18:00~[#6~#10]
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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