THE RAMPAGE・藤原樹が見せる新しい魅力と、佐藤流司が感じさせる新しい時代の風「カストルとポルックス」
2025.4.26(土)
THE RAMPAGEのパフォーマーとして活躍しつつも、近年では舞台、ドラマ、映画と、俳優としての才能も開花させている藤原樹。今年の1月には連続ドラマ初主演作が放送されるなど、アーティストの枠を超えて1人の役者としても注目度が上がってきている。そんな藤原が初めて主演を務めた舞台「カストルとポルックス」(2023年)が5月23日(金)に日本映画専門チャンネルでTV初放送される。
同作品は、ミュージカル『刀剣乱舞』や舞台「呪術回戦」など2.5次元作品をはじめとした多くの舞台に出演し、「ZIPANG OPERA」に所属して音楽活動も行うなど、多岐にわたり活躍している佐藤流司が初の原案・脚本・演出に挑み、自身も出演した話題作。星座の双子座の由来ともなっているギリシャ神話に登場する双子の兄弟の名を冠したタイトルの通り、過酷な状況下で互いに支え合い、助け合って暮らす兄弟が紡ぐ物語だ。

西暦2045年。繰り返された戦争や環境汚染によって、地上から姿を消した人類。残された者たちは、地下シェルターで共に生活をしていた。貧民街の近くのボロアパートには、喧嘩っ早いが仲間思いの兄・五十嵐総司(藤原)と、兄との生活を日記に綴る心優しい弟・翔(新谷聖司)が肩を寄せ合って暮らしていた。生まれた時からシェルターで育った2人は、いつか本物の星を見ることを夢見ていた。そんな中、街の平和を守る委員会の東雲修太(龍)と霊誠也(佐藤)は、治安を乱す恐れのある貧しい者たちをマークしており、その中でも圧倒的な強さを持つ総司に目を付けて、卑劣な手段で兄弟を追い込んでいく、というストーリー。
普段のグループでの藤原といえば、率先して前に出るというタイプではなく、クールにグループの一員としての役割を全うするような実直な印象があるのだが、同作では全く新しい彼の魅力に出合える。
喧嘩が強く仲間思いという役どころの総司を、粗野で荒々しくも繊細で気遣いのできる"俺についてこいタイプ"のリーダー像として作り上げており、この部分だけでも"新しい一面"なのだが、これらの役の特徴を実に人間らしく演じている。感情的で、愛想があり、誰しもが愛してしまうキャラクターを感情豊かに表現しているのだが、実はこの"人間らしく"というのがポイントで、ギリシャ神話の「カストルは戦争で亡くなったが、ポルックスは不死身だったため死ぬことができず、ゼウスに頼んで不死を解いてもらった」というエピソードになぞらえて、「総司は"人間"だが、翔は"ロボット"」という設定であるため、総司の"人間らしさ"は作品の肝なのだ。この肝となる部分を、「ここまで感情豊かに振る舞えるものなのか」と驚いてしまうくらいすばらしい演技で構築しており、アーティストとしての顔とは一線を画した役者としての新たな魅力を垣間見せてくれる。

また、見どころの一つでもあるアクションシーンでは、音楽に合わせて踊るようにアクションが繰り広げられていくのだが、さすがの動きについ見とれてしまう。動きのスピード感はもちろん、音に合わせた体の動きが見ていて何とも心地良い。パフォーマーとしての魅力が堪能できるのは、演劇でありながらお得感があふれる。一つの作品のなかで、藤原のジャンルの違った表現を味わえるのは貴重な機会であり、朝のルーティンをダンスで表現したり、ダンスバトルのシーンもあり、藤原のパフォーマーとしての魅力も満載だ。
ほかにも、初の原案・脚本・演出に挑んだ佐藤にも触れておきたい。ギリシャ神話からインスピレーションを得た発想力だけでなく、脚本で作品の核となるメッセージをしっかりと伝えながらも、一人ひとりの演者の見せどころをしっかりと作っているところに、演者出身ならではの"作品とキャストへの愛情"を感じさせる。また、映像を駆使してステージを大きく使っているところも、舞台上に華やかさや力強さをもたらし、大きなスクリーンを見ているかのような瞬間もあり、"舞台と映画のハイブリッド"感を体感させてくれる。物語から見せ方にいたるまで、これまでになかった新しい舞台のかたちの萌芽を感じ、次作も思わず期待してしまう出来となっている。
初主演ながら、これまで見せてきた魅力と新たに見せる魅力を二刀流で披露している藤原と、新しい時代の風を感じさせる佐藤のスペシャルなコラボレーション作品を堪能してほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
カストルとポルックス
放送日時:2025年5月23日(金)23:10~ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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