河合奈保子が西村京太郎ミステリーに初挑戦した「死を運ぶ新特急〝谷川7号〟」
2025.4.25(金)
トラベルミステリーの第一人者である作家の西村京太郎。彼の代表作の1つ・十津川警部シリーズを実写化した「西村京太郎トラベルミステリー」(テレビ朝日)は、1979年から2022年のシリーズファイナルまで、40年以上にわたって70を超える作品が放送。2時間ドラマの金字塔としてあまりに有名だ。
そんな十津川警部シリーズを原作にしながら十津川警部らが一切登場しない、今でいうところのスピンオフ的なシリーズも存在する。それが1988年から1989年まで全3回が放送された美人OL探偵と窓際刑事シリーズだ。
(C)東映
シリーズ第1作の「死を運ぶ新特急〝谷川7号〟」では、都内のデザイン事務所で働くOLの矢木明日美(河合奈保子)と、群馬県警に勤務する窓際刑事・八木耕介(近藤正臣)の父娘コンビが難事件の解決に挑む。
事件は母の墓参りに向かうために八木親子が乗った上野発沼田行きの新特急・谷川7号で発生。渋川駅を出て間もなくの頃、同じ列車に乗り合わせた有名商業デザイナーの林一子(田島令子)が車内のトイレで殺されているのが発見されたのだ。
明日美は一子が殺される直前に中年男性(一子の前夫・秋山久志/西田健)と話していたことを現場に駆けつけた警察に証言するが、トイレ内からイニシャル入りのライターが発見されたことで状況は一変。
警察は、一子の別荘へ出かけるために渋川駅から乗車した明日美の上司・前田哲夫(並木史朗)を重要参考人として取り調べを開始する。ライターは以前になくしたものだと哲夫は供述するが、田辺警部(神山繁)ら警察は一切信用しない。
そんな状況に、納得がいかない明日美は、上司の無実と田辺警部の鼻を明かすべく、独自に真犯人探しの捜査を始めるというのが物語の序章になる。
■河合奈保子が事件解決に奔走
(C)東映
職場ではミスが多く、学生気分が抜けていないと怒られることもしばしばの明日美だが、その行動力には目を見張るものがある。例えば、取調室に忍び込んで哲夫と接触を図ったり、怪しいと睨んだ人物を追跡したりするが、大胆な行動はさすが刑事の娘といったところだ。
耕介との親子関係は良好ながら、情けない父親と感じており、捜査は独断専行も多く、耕介を振り回してしまうことも。
そんな天真爛漫な明日美を演じているのが河合奈保子だ。キュートなルックスと抜群の歌唱力で絶大な人気を博した80年代を代表するアイドルの一人である彼女。女優としても確かな才能を備えており、美人OL探偵の名に恥じない美貌と演技力を披露している。
もちろん、西村作品の代名詞である時刻表トリックは本作でも健在。西村京太郎ミステリーと河合の貴重な姿が同時に楽しめる、1粒で2度おいしい作品となっている。
文=安藤康之
放送情報【スカパー!】
死を運ぶ新特急〝谷川7号〟
放送日時:5月1日(木)13:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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